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競合のはずのコンビニとJAのスーパーが強力タッグ

ファミリーマート×JA上伊那

コンビニでJA商品も販売

 JA上伊那は西箕輪店を13年12月に閉店し、ファミリーマートが14年2月に「ファミリーマート西箕輪店」として再出発させた。

Aコープ西箕輪店をリニューアルし、ファミリーマート西箕輪店として再スタート

 同店はかつてAコープだっただけに、店舗面積は約75坪と広い。品ぞろえも豊富にした。通常のコンビニ店舗に並ぶ商品に加えてJAのPB(プライベートブランド)商品コーナーや、JA上伊那の地場産品のスペースも設けた。旬の作物が並ぶのも、都会のコンビニにはない光景だ。松茸の産地にある他店舗では、その時期になると観光客も集まってくるという。

コンビニ内で販売されているJAのPB商品

 Aコープのころから利用している人は、慣れ親しんだJAのPB商品やJA上伊那の商品が買える安心感がある。またコンビニなので、夜中でも買い物ができる。ATMが設置されていることは、銀行までなかなか行けない高齢者にとっては便利だ。

 またキオスク端末のファミポートでチケット購入も簡単にでき、公共料金の支払いもレジで済ませられる。ファミリーマートとJAバンクは提携していなかったが、現在ではJAバンクも利用できるようになった。

JA上伊那の地場産品も販売されている

さらにJA上伊那では、西箕輪店を拠点に、移動販売車「ファミマ号」での営業も行っている。これは、買い物に出掛けられない過疎地域の高齢者対策として始めたものだ。

コンビニとJAスーパー、競合相手ではなく相乗効果を産むパートナー

上伊那農業協同組合
常務理事
下村 篤 氏

 JA上伊那の下村篤常務理事は、「Aコープは人口減少や少子高齢化といった時代の流れに合わなくなっていました。業態転換しなければと検討していたときに、長野県での店舗拡大を計画していたファミリーマートから提案がありました。通常のコンビニであれば実現できない“JAコーナー”を作ってもらうなど、細かい点で合意できたことが、今回の協業につながりました」と話す。前西氏も、「品ぞろえはJA上伊那と協議して決めました。最大限の相乗効果を狙って、双方のノウハウや経験を集結させ、一心同体で売り場づくりに取り組みました」と連携の妙を強調する。

 Aコープを引き継いだことでJA組合員はもとより、地域の人たちにファミリーマートがより身近な存在になった。現在、JA上伊那エリア内では9店舗が展開。FC店10店舗の契約なので、あと1店舗を17年中には開店する予定だ。

 これまで競争相手と見られていたスーパーとコンビニ。しかし、ファミリーマートとJA上伊那の協業は、両者の戦略が一致し、メリットと相乗効果を生んでいる。注目すべき成功事例といえるだろう。

長野県では農協とコンビニが初コラボ。
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