基幹系システムの構築・保守を手がける同社は、日々、各種データを様々な切り口で集計・分析する帳票システムの更新などをサポートする。しかし、オープン化の加速により、システムは多様化・複雑化している。データの格納場所も多岐にわたるため、ニーズに対応した帳票を作成・出力するにはプログラムの修正などが必要で、多大な手間と時間がかかっている。
一方、企業によってはデータベースのデータをExcelで帳票化しているところもある。その場合はExcelへの入力作業が必要となり、アウトプットが得られるまでに数日から数週間かかることもある。「多くの企業が『データはあるのに使いこなせていない』のが現状でした。以前から、この状況を何とか改善したいと思っていました」とピコシステムの相沢 建紀氏は従来の課題を語る。
それを可能にしたのが「宝を探せ! 情報が見えると戦略が変わる、BI構築ソリューション」である。これは多様なデータを仮想的に統合し、SQL Server 2008 R2に搭載された新しい標準機能であるPowerPivotを用いて、革新的なセルフサービスBI環境を実現するもの。
図 「宝を探せ! 情報が見えると戦略が変わる、BI構築ソリューション」の概要
企業の基幹系システム内のデータを有効活用するために開発。多様なデータを仮想的に統合し、SQL Server 2008 R2に搭載された新しい標準機能であるPowerPivotを用いてセルフサービスBI環境を実現する。
具体的にはCSVや多様なデータベースのデータをODBC経由で取り込み、SQL Server 2008 R2に集約。その上でデータの加工を行い、多次元分析が可能なキューブを作成する。これをもとにデータとマスタの関係を定義し、組織名と担当者を階層構造として表示したり、売上の前年の数値をMDX式を用いて表示できるようにしたのだ。粗利率などKPIを設定し、目標値に対して現在の達成率や状態を図形を用いて視覚的に表示することもできる。「別途アドオン機能を使わずに、SQL Server 2008 R2の標準機能だけでBIを実現し、帳票は使い慣れたExcelでレポートすることができます」と同社の井殿 寿代氏はそのメリットを語る。
開発で最も苦労したのは、複数のデータにまたがる項目を紐づけて「名寄せ」することだったという。例えば、長年システムを使い続けていると、同じ品目なのに名称が微妙に変化したり、別の品目で登録されてしまうこともある。名寄せができないと、それが別品目で扱われ、正確な集計ができなくなるからだ。「どの品目とどの品目が紐づくのかを分析・把握するノウハウには、長年基幹系システムの構築・運用に携わってきた経験が活かされています」と相沢氏は胸を張る。
今後、同社では、このソリューションをパッケージとしても提供していく考えだ。「SQL Server 2008 R2をベースに、当社の提供する業種別基幹システム『はんなりBI』を導入するお客様向けに、セルフサービスBIを標準機能として提供します」(相沢氏)。