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Digital Transformation あたらしい変革のチカラ

人事は経営に貢献しているか? いま求められる戦略部門へのシフト

人事部門は大きな曲がり角を迎えている。求められているのは、戦略的な役割を担う人事部門への進化だ。従来のコントロール業務や社員に向けたサービス業務だけでなく、経営戦略をサポートし、ビジネスをドライブする部門へ舵を切り替えなければならない。「人」という切り口で現状をクリアに可視化し、将来を予測したうえで迅速かつ適切な施策を生み出すことができるかどうか。人事部門はいま、企業の将来を左右する重要なカギを握っていると言ってよいだろう。

ビジネス環境の変化を受けて変革を求められる人事部門

 企業の人事部門は大きな課題に直面している。従来の新卒採用だけでは十分な戦力を維持できなくなった今、会社に必要なスキルを持った人材をどう確保していくかは切実なテーマだ。グローバル人材やリーダーシップの育成・強化を求められている人事部門も多い。また、ミレニアル世代が職場に増え、仕事に対する価値観がこれまでとは変わってきていることから、社員のエンゲージメント強化への関心も高まっている。「人」をいかに活かすか、いかに企業の競争力につなげるか――。多くの企業がそんな根源的な問いと改めて向き合っている。

 従来、人事部門は給与支払いや社内ルール整備といったコントロール業務、あるいは従業員向けのサービス業務を主として担ってきた。しかし最近は、こうした従来型の業務から一歩踏み出す企業が現れている。例えばグローバル展開をしている企業では、世界規模で人事データベースを統合して人材配置の最適化をする動きがある。また、会社の成長を牽引する次世代リーダー育成などを視野に入れたタレントマネジメントに取り組む動きをしている企業もある。

 さらに進んでビジネス戦略に貢献する、あるいはビジネスに変革をもたらす人事部門を構想する企業もある。人事関連業務に閉じた従来型の「戦術的」な役割に加えて、ビジネスをサポートする「戦略的」な役割が重視されるようになった。多くの企業において、人事部門はミッションの再定義と業務の再構築を求められているのだ。

 以前なら、このようなビジョンは「絵空事」といわれたかもしれないが、テクノロジーの進化がそれを可能にした。実際、ITを有効に活用して戦略的な人事部門への脱皮を遂げた先進企業は少なくない。欧米に比べると、日本での人事に対するIT投資の動きはややゆっくりとしたものだが、経営者や人事部門リーダーの変革への意識は着実に高まっている。

 では、戦略的な人事を目指す際のアプローチとはどのようなものだろうか。ポイントは3つあると考えている。「ベストプラクティスの活用」と「ビッグデータによる予測分析」「つながる人事」である。どうしてこの3つがポイントなのか、それぞれをみていこう。