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Digital Transformation あたらしい変革のチカラ

食と豊かな自然で知られる日本有数の観光地、北海道。外国人旅行者などのインバウンドをさらに呼び込んで地域経済を活性化したい、というのが道内の企業・団体に共通する思いだ。札幌市の広告会社であるインサイトは、そうした思いに応えようとクラウドを使ったソーシャルリスニングを事業化。日英中の3カ国語でソーシャルメッセージを収集・分析する「INSIGHT PLUS」の提供を開始した。

急増するインバウンドへの対応を北海道経済の活性化に役立てる

 北海道経済部観光局調べによると、2004年度には42万人だった訪日外国人来道者数が、2014年度には154万人と約3.6倍になった。国内の他の地域と同様に、北海道においてもインバウンドによる消費は地域経済の大きな部分を占めるようになっている。そこで、海外からの観光客が求めているものを正確に把握し、地元企業がそれに応えられるようにすることが官民どちらにとっても急務となっている。

北海道は海外からの観光客にも魅力的だ
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 このような状況にある北海道札幌市で広告業を営むインサイトは、広告ならではのリサーチ力を生かして、札幌市などの自治体が実施する事業にも度々参画。札幌市内約1万人のモニターによる独自のWebマーケティングリサーチシステム「INSEARCH(インサーチ)」を運用し、地域経済の活性化に貢献している。

 また、2014年には海外事業を専門とするグローバルビジネス室を設置。インバウンド対応やグローバル展開などの課題を抱える道内の企業・団体に対して、北海道にあるリソースとグローバルを結び付けるためのマーケティング支援を提供中だ。

 「北海道を訪れる外国人観光客は年間200万人を超すまでになりましたが、夏と冬の差が大きいため、ピーク時には宿泊施設や空港のキャパシティが不足しがちです」と語るのは、インサイトのグローバルビジネス室長 細川将宏氏だ。そうした基盤の整備に加えて、まだあまり知られていない観光資源に観光客を誘導・回遊させたり、より多くの観光施設や道内企業にインバウンド対応を促したりするために、自治体の側でも様々な助成の枠組みを用意していると説明する。

海外の声を知るための手段としてソーシャルリスニングに注目

 ただ、インサイトのグローバルビジネス室にとっても、インバウンド対応支援ビジネスには手探りの部分が多かった。

 もっとも急いだのは、マーケティングリサーチの仕組み作りである。「弊社にはINSEARCHがありましたが、モニターは札幌市に在住する人のみ。海外からの観光客のことを知るには、別のツールが必要でした」と語るのは、マーケティング・コミュニケーション室でマーケティングディレクターを務める相沢直人氏。海外リサーチ専門の会社に委託するという手もあったが、「国内リサーチに比べて1.5倍から2倍の費用がかかる」(細川氏)ことは問題だった。

 解決の糸口が見えてきたのは、2015年夏のことだった。インサイトがメンバーとして加わっている産官学連携組織「さっぽろ観光創造研究会」で知り合った日本オラクル北海道支社の営業担当者から、「ソーシャルリスニング」をクラウドでやってみたらどうかと勧められたのである。

 ソーシャルリスニングとは、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアに書き込まれるメッセージの中から人々の生の声を吸い上げるマーケティングリサーチ手法のこと。世界のあらゆる国・地域をモニターすることができ、費用もそれほどかからないことが他の手法との違いだ。