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Digital Transformation あたらしい変革のチカラ

人材活用の秘策はメキシコに学べ!? 最大手住宅メーカーが人事システム刷新で手に入れた想像以上の成果

PHOTO:COURTESY OF CASAS JAVER

アメリカ経済への依存度の高さや、油価の下落による石油産業への打撃、貧富の格差など様々な課題を抱えながらも堅調な経済成長が続くメキシコ。そんな中、2016年のメキシコ住宅市場は経済の安定化や人口の若年化など、多くの要因が重なって市場が活気づいている。メキシコ国内最大手の住宅メーカー創業35年のカサスハベルは、優れた人材の確保と維持こそ成功を支える柱だとして、IT部門と人事部門のリーダーが一致団結し社内の人事管理システムの改革に取り組むことになった。そこで生まれた飛躍的な成果を紹介する。

人的な人事管理だけでは、もはやお手上げだった

 メキシコ北部の工業都市モンテレイに本拠を置く、メキシコ最大手の住宅メーカーであるカサスハベル(CASAS JAVER)。低価格帯のいわゆる「ローコスト住宅」を得意とし、年間着工件数は約2万戸に及ぶ。

 「人材はかけがえのない資源であり、競争上の強みでもあります。人材を適切に組み合わせれば、生産性と競争力が向上し、ビジネスの成功につながります」と、カサスハベルの人事部長フェルナンド・ロサノ氏は語る。

 同社では市場で競争力を維持するため、人材管理プロセスを近代化するプログラムを策定。その結果、優れた人材の発掘や勧誘、さらに育成や確保が可能となったのだ。「当社の人材管理プロセスなら、各部門のニーズに合った適切な人材を確保できます。ビジネスの好調を維持するには、シンプルな管理プロセスを通じて、各部門に適切な人材を供給することが重要です」とCIOのファン・アンヘル・モンタルボ氏は語る。

 しかし、多様な人材を効率的に管理するのは至難の業だ。それが、メキシコ最大手住宅メーカーのカサスハベルともなると、知見や経験則だけでは解決は困難であった。

 同社は約1900人の社員を抱え、職種も建築士、エンジニア、財務会計士から現場の各種熟練工まで多岐にわたる。全部で260以上のカテゴリーに分かれており、給与体系も複雑だ。さらに、正規の社員以外にも派遣会社の現場作業員も採用している。

 業務エリアの規模も重要なファクターになっている。メキシコの7つの州とメキシコシティで熟練の建設作業員を確保しなければならない。建設プロジェクトにもいろいろなタイプがあり、労働者階級や中間所得層向けの割安な住宅から富裕層向けの高級住宅までグレードが異なる。しかし、どのプロジェクトでも、段階ごとに入れ替わる全ての人材を適切に管理できなければ成功はない。

 モンタルボ氏、ロサノ氏と周囲のスタッフは、カサスハベルの人材管理に有効な対策を見つけるため、多くのソリューションを候補に選び、評価作業に着手、まずは目標の明確化に取り組んだ。例えば、優れた人材を募集・選別プロセスの時間短縮、魅力的な給与体系による業績優秀者の維持、社員の評価プロセスの合理化、変化する人材ニーズのより正確な予測など・・・。様々ある目標の中で、カサスハベルでは最終的な目標を、「全ての主要な人事管理プロセスを一つのプラットフォームで自動化する」ことに定めた。

 つまり、インタフェースの共通化やワークフローを統合すれば人事スタッフの作業が効率化されるし、複数のシステムのデータを統合することにより、上級管理職が全社員の状況を把握して将来的な人材ニーズを正確に予測できるようになる。また、会社としての財務目標に沿った成果が上がっているかどうかも確認できる。

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メキシコの住宅市場は2015年には公的融資の効果で約50万戸が新築された。