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Digital Transformation あたらしい変革のチカラ

最近、雑誌や新聞などでもクラウドだけを取り上げ、その概念や基本的な仕組みについて論じている記事を目にすることは少なくなった。もはやクラウドは一般的なビジネス用語となり、官民の情報システムのごく普通の構成要素という認識が広まっている。しかしながら、依然としてクラウドのセキュリティについては懸念を払拭し切れないでいる企業も少なくないようだ。実はクラウドの安心・安全も決して特別なものではない。現実世界と照らし合わせることで、そのあるべき姿を読み解くことができる。

ホテルが宿泊客の安全・安心を守るために実践している幾重ものセキュリティ

 旅行や出張の際に、私たちはよくホテルを利用する。当たり前のことだが、客室に入るには専用の鍵が必要である。

 肝心なことは、その鍵を宿泊者自身が常時管理できることだ。現在、多くのホテルは顧客に対して宿泊期間だけ利用できるカードキーをその都度発行している。これならば物理的な鍵のように「以前の宿泊者に合鍵を作られていないか」「フロントに預けた際に誰かに盗まれないか」といった心配はない。

 さらに、万が一のリスクを想定し、客室にはセーフティーボックス(金庫)が備えられており、財布やパスポートなどの貴重品を守ることができる。通常、セーフティーボックスは宿泊者自身が暗証番号を設定して施錠できるようになっているため、他人が短時間で開錠することはほぼ不可能だ。

 もちろん宿泊者が設定した暗証番号を忘れてしまうといった事態も起こり得るため、ホテル側では開錠できる手段を用意しているのだが、その操作については「特別な権限を持った責任者が記録を残した上で、宿泊者を含めた複数名の立ち合いのもとで行う」といった厳格なルールが定められている。

 このような現実世界で行われているのと同じ「多層防御」と呼ばれるセキュリティ対策が、クラウドにも施されている。

 「クラウドにおける多層防御は、大きく『C.I.A.(Confidentiality:機密性、Integrity:完全性、Availability:可用性)』の情報セキュリティ3要件に基づいて施されています。裏を返せば、安心・安全なセキュリティが担保されると共に、その認識が広まったからこそ、企業のクラウド利用が加速的に拡大しているのです」と語るのは、日本オラクルでテクノロジーディレクターを務める下道高志氏である。

ホテルもクラウドも「多層防御」で守られている