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Digital Transformation あたらしい変革のチカラ

人口8900人の町を変えるクラウドの力

徳島県那賀町の挑戦

四国第2の高峰・剣山をはじめとする豊かな自然に恵まれた徳島県那賀町は、町内の自然あふれる観光スポットを広く知ってもらおうと動画コンテストを企画。簡単に動画投稿ができる「ファイルの共有/保管」、町のファンを見つけ出す「ソーシャル分析」、そして「Webサイトの構築」の3つの領域でクラウドを活用することにした。

町の魅力を「映像」と「音」で表現する動画コンテストを企画

 「地方活性化」の大号令がかかる中、全国の多くの自治体が地域の観光スポットをたくさんの人に訪れてもらおうと、様々なキャンペーンを展開している。観光振興を図ろうとする自治体担当者の悩みは効果的な集客手段をなかなか見いだせないことだ。そうした中で、クラウドサービスを活用して、地域の観光スポットをアピールしようと取り組みをスタートさせたのが徳島県の南部に位置する那賀町だ。

 那賀町は、2005年に鷲敷町、相生町、上那賀町、木沢村、木頭村の5つが合併して発足した町だ。人口はわずか8900人あまりだが、面積は徳島県の約6分の1、森林が95%を占める。「剣山に連なる木頭・木沢地区には、徳島県有数の景勝地として知られる高の瀬峡や、春の新緑・秋の紅葉狩りで多くの観光客が訪れる剣山スーパー林道、大小100以上の滝などがあり、自然の魅力あふれる町です」と那賀町観光協会会長の川人建介氏はPRする。木頭、木沢、上那賀、相生、鷲敷の各地区を貫いて流れる那賀川は、アユやアメゴ、ウナギなどが豊富に棲む自然深い川として知られ、集落が川沿いに点在している。

町の魅力を語る那賀町観光協会会長、川人氏(左)
今回の取り組みについて説明する那賀町役場にぎわい推進課係長、藤長氏(右)
自然豊かな那賀町。秋は見事な紅葉が見られる

 2016年春、那賀町では観光PR活動の一環として、旅行代理店関係者を第21番札所太龍寺と麓を結ぶ太龍寺ロープウェイに案内した。その時に、町ではバス内のモニターテレビで町の魅力を伝えようと考えて、町内の観光スポットのプロモーションビデオを作ったものだが、使用した素材のほとんどが写真で、物足りなさが残った。「那賀町の自然の魅力を伝えるには動画は必須。観光スポットの動画を何とか集めるために、那賀町を訪れる観光客や住民の人たちに動画を撮ってもらい、それを活用する動画コンテストを考えついたのです」と那賀町役場にぎわい推進課係長の藤長歩氏は振り返る。

 滝や川の流れ、町内に残されている農村舞台で演じられる人形浄瑠璃芝居の表情などは、動画で見ると非常に分かりやすく、写真よりも那賀町をPRするのに適している。

 「私は木沢地区の出身ですが、地区の若者は全員が参加して夏に剣山の登山道を整備します。その際、滝のある場所で休憩するのですが、滝が流れ落ちる情景だけでなく、滝つぼの音やせみの鳴き声を背景に風がそよぐ音などが重なり合って、何ともいえない魅力があります。写真ではいくらきれいに撮れてもそれらが感じられないので、ぜひ動画を活用したいと考えたのです」(藤長氏)。

 ただし、その動画コンテストの実施には「応募方法」「告知方法」という課題があった。