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Digital Transformation あたらしい変革のチカラ

糖尿病患者の行動を「七福神」が応援! IoTと機械学習で支援する生活習慣改善

健康づくりや生活習慣病予防の活動を展開している「あいち健康の森健康科学総合センター」は、IoTデバイスと機械学習を活用して、糖尿病患者の生活習慣改善を支援する事業に取り組んでいる。具体的には、スマホアプリを活用した行動変容支援による患者の生活習慣の改善や、機械学習を用いた分析や予測結果など療養指導や保健指導へ活かすための検証だ。

スマホアプリとIoTを組み合わせ、生活習慣改善を目指す

 厚生労働省の「2012年国民健康・栄養調査」によると、糖尿病は患者数950万人、予備群を含めると2050万人にも上り、今や“国民病”と言われている。

 糖尿病患者は、一度治療を始めたら一生薬を止められないのではないかという思いが強い。治療に加えて生活習慣を改善していくことが重要なのだが、日常生活の中でそれを実践していくのは大変だ。生活習慣改善を途中で諦めてしまって重症化してしまう人も多い。その対策の一環として、あいち健康の森健康科学総合センター(愛称:あいち健康プラザ)が中心になり、名古屋大学医学部糖尿病・内分泌内科などと「チーム七福神」コンソーシアムを結成。名古屋大学医学部附属病院を含む東海地区の21医療機関ならびに健保組合や健診・保健指導機関の協力の下、IoT機器とクラウドを活用した糖尿病患者の生活習慣改善支援に取り組んでいる。

 あいち健康の森健康科学総合センター センター長の津下一代氏は、特定保健指導データから、次のような分析結果を得た。肥満度の目安となるBMI値が高い人では、今の体重を3~5%減量するだけで指標の一つであるヘモグロビンA1c(HbA1c)が改善、血圧や中性脂肪が低下し、善玉コレステロールが増加するというものだ。肥満タイプの糖尿病患者が体重減量をすれば、血糖コントロール改善だけでなく、他の疾患も予防できる可能性がある。

 しかしながら、平成23年度の愛知県特定健診・特定保健指導106万人のデータを分析した結果、糖尿病の疑いがある人が約7万人(8.2%)もいて、その内の約半数が未治療、特に40~50代の働き盛りの人に多いことがわかった。さらに、治療中の人でもうまく血糖値をコントロールできていない人が多いという実態も明らかになった。適切な治療を受けたり生活習慣を改善すれば健康寿命を延ばすことができるのに、もったいないことだ。

 こうしたことを背景に、経産省の「平成27年度IoT推進のための新産業モデル創出基盤整備事業」に応募してIoTを活用した実証実験を行うことになった。具体的には、スマホ用の「七福神アプリ」を開発し、IoTと連携して生活習慣の改善支援を行うというものだ。「センターでは大勢の方に保健指導を行っておりますが、みなさんが日常行動を変えようとしているときに、IoTが役立つのではないか。全員ではなくとも、IoTが行動を変えるきっかけになる人がいるかもしれない、と考えました」と津下氏は振り返る。

生活習慣の改善支援を行うスマホ用の「七福神アプリ」の画面例