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異業種4社で連携するグリーンツーリズム

◆農林中央金庫
異業種4社で連携するグリーンツーリズム・インバウンド
日本食文化を発信し輸出支援、旅行客増も

農林中央金庫
常務理事
食農法人営業本部
山田 秀顕氏

 農林中央金庫、ABC Cooking Studio、リクルートライフスタイル、農協観光の異業種4社は現在、地域の直売所や農作業・収穫・料理体験を軸とした“食農”グリーンツーリズムを展開している。「インバウンド・ジャパン2016」では7月20日にリレーセミナー「異業種4社提携による“食農”グリーンツーリズムの展望」(提供:農林中央金庫)を企画。その中で、農林中央金庫 食農法人営業本部担当常務理事の山田秀顕氏は、「食農グリーンツーリズム・インバウンドへの取り組み~異業種4社提携の今後の展開について~」をテーマに講演を行った。

 農林水産業を成長産業に引き上げていくと同時に、農業をより魅力的な産業にするには、農業所得増大と地域活性化が重要になる。この2つを実現するため、農林中央金庫は「グローバルな食市場獲得応援」「農畜産物の付加価値向上応援」「担い手の効率化応援」「地域活性化応援」の4つの分野で様々な施策を実施している。その1つが、今回の4社連携によるグリーンツーリズム・インバウンドへの取り組みだ。

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グリーンツーリズムで地方の良さを

 「グリーンツーリズムに対する交流人口、期待感は右肩上がりで増えています。政府は2020年度までに体験者数1300万人という目標を掲げています。

 近年、インバウンドが急増する一方で、地方都市に外国人客が流れていないという課題があります。東京、大阪、北海道、京都、沖縄の5都道府県で全体の66%を占めますが、北陸、中国、東北、四国では、まだまだ訪日外国人客が少ないのが現状です。

 そこで、地方都市で日本の良さをぜひとも味わってもらいたいとの思いから始まったのが、4社連携によるグリーンツーリズム・インバウンドの展開です。体験授業、お土産品販売、SNSによる交流などを通じて地方と旅行者をつなぎ、地域での経済効果向上を目指していきます」と山田氏は語る。

 今回の連携では当面、3つの取り組みが進められていくことになる。

 1つは、「モデル地域の選定」だ。当面は主要国際空港である成田、羽田、関空を有する首都圏、近畿圏で開催し、順次エリアを拡大して全国7カ所程度のモデル地域を設定していく方針だ。  2つめは、「モニターツアーの実施」。訪日観光客が多い国から、情報発信力のある人物や訪日リピーターを対象とした着地型のモデルコースを作成。同時に、輸出可能な土産品の販売も、宅送サービスとあわせて行う。

 3つめは、「ツアー実施後のプロモーション展開」だ。モニターツアー参加者のSNS、クチコミ、地域プロモーション動画の配信、旅行商談会などでの宣伝を行い、旅行客の拡大に取り組む。

香港から9人招きモニターツアー実施

 すでにモニターツアーの第一弾が実施されている。ABC Cooking Studioの香港の会員9人を招き、関空を拠点として、和歌山、奈良、京都で様々な体験プログラムを開催。セミナー会場では、このモニターツアーの様子を収めた動画が放映された。

今年4月にABC Cooking Studioの香港会員9人が参加した第一弾モニターツアーが行われた
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 「今年4月19日から22日の3泊4日で実施しました。参加した9人はいずれもYouTuberやInstagramer等々、情報発信力のある方々です。英語、中国語のツアーガイドの同行、2カ国語による資料の準備も行い対応しました」と山田氏。

 モニターツアーでは、最初に和歌山県の「JA紀の里 ファーマーズマーケット めっけもん広場」を訪問し、免税で買い物が楽しめる直売所や餅つき体験が行われた。次に、「桃りゃんせ夢工房」を訪れて桃ジャム作りを体験した。

 その後は、奈良県明日香村に位置する14カ所の農園で構成された「あすかいちご狩りパーク」を訪問し、いちご狩りも体験した。「JAならけん ファーマーズマーケット まほろばキッチン」も訪れ、豊富な地元産品を堪能した。

 最後は京都に移り、「宇治茶道場 匠の館」を訪問。初めて浴衣を着付けたあと、いれたての日本茶とお茶菓子を体験。京都では、京野菜のミニセミナーも開かれ、伝統的な京野菜について、英語のレジュメを用い、逐次通訳でその背景や種類を地元の農業者から説明を受けた。また、香港と日本のABC Cooking Studioの生徒による、京野菜料理の合同食事会も行われた。

 「モニターツアーは好評を博した一方で、様々な課題も浮かび上がりました。それらを受けて、今後は言語表記の拡充、看板の設置、受け入れスタッフ、多言語の通訳の配置など受け入れ体制の充実を進めていきます」と山田氏は話す。

「農林水産業を継続的な成長産業に」

 今後の企画については、体験メニューの拡充、受け入れ先の直売所、料理教室の充実を進めていく予定だ。

 そして、こうした取り組みを通じて地域ブランドとして特色のあるものを作っていく。持続可能なツアーとして内容をより充実させ、日本食の魅力発信による輸出拡大、あるいは旅行客増加による地域の活性化につなげていくことを目指すという。

 「農林水産業を継続的な成長産業にするには、グリーンツーリズムなど食農ビジネスの強力な推進、およびサポートが必要です。農林中央金庫は今後もグリーンツーリズム・インバウンドの展開について、積極的に貢献していきたいと考えています」。山田氏はそう力強く語り、話を締めくくった。

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