—要になるのはIT部門!働き方改革の成功の要になる正しい「見える化」の実現方法とは

システムログを変革の“羅針盤”として活用

日立製作所 サービス営業推進本部 主任技師 吉田 章宏氏
日立製作所 サービス営業推進本部 主任技師 吉田 章宏氏

セキュリティ対策や資産管理といった企業内の各システムには、社員のシステム使用にかかわる大量のログが既に存在している。この情報をBIツールに投入し分析することで、社員が日々、どんな作業に、どれくらいの時間を費やしているのかを定量的に可視化することが可能になる。

「いくら『残業を削減しろ』『業務のムダを省け』と訴えたところで、どの業務の、どの作業を、どれくらい省けばいいかという指針がなければ、現場はどうしていいか分かりません。そこで当社は、これまで行われてきたアンケートのような定性的な実態把握から、システムログを使った定量的な把握にシフトすることを提案しています」と日立の吉田 章宏氏は説明する。

システムログには主観の入り込む余地がないため、どんな業務も客観的に評価できる。ときには仕事する本人さえ気付いていないような実態やムダが、ログデータからあらわになることもあるという。

個人の業務の内訳に加え、Web会議システムなどのプレゼンス情報も分析すれば、IP通信を使ったヒト同士のコミュニケーションも見える化できる。さらにウエアラブルセンサーなどを組み合わせれば、対面コミュニケーションの状況も明らかにすることが可能だ。「つまり、システムログを、働き方改革の方向性を定める"羅針盤"にしようという仕掛けです。これにより、苦労して改定した勤務制度が現場の実態に沿わなかったり、せっかく導入したITツールが社員の求めに即していなかったりといった失敗も、未然に防ぐことができるようになるでしょう」と吉田氏は言う。


個人の仕事も、組織の仕事も、すべて定量的に把握

日立製作所 IoT・クラウドサービス事業部 事業推進本部 主任技師 関 芳治氏
日立製作所 IoT・クラウドサービス事業部 事業推進本部 主任技師 関 芳治氏

それでは、実際にシステムログから働き方の現状を洗い出す一例として、デスクワークを主に行う社員が、どのような作業に、どれくらいの時間を充てているのかを分析する方法を見ていこう。

核となるのは、IT資産管理ツールで収集するPC操作のログである。具体的には、PCの「アクティブウインドウのタイトル」と「切り替えた時間」を個人ごとに集計。多くの場合、アクティブウインドウはそのとき行っている業務に関係したアプリケーションやフォルダなので、この段階で仕事の内容がある程度特定できる。

「メールソフトの使用比率が何割、Webブラウザや文書作成ソフトの使用比率が何割といった具合に、それぞれの仕事にどのくらいの時間を割いているのかが見えます。ユーザー単位の見える化のほか、ログをチームや部門ごとに積み上げれば、組織としての時間の使い方を見える化することも可能です」と同社の関 芳治氏は言う(図2、図3)。


図2、図3

[画像のクリックで拡大表示]

仕事の中身が分かれば、改善すべきポイントも自ずと明らかになる。例えば、営業部門など、顧客対応に時間を割くべき部門の社員が、メール作業に40%以上を割いていたとする。その場合、その他の業務の比率も見ながら検証し、メールの使用比率を30%まで下げるか、25%まで下げるか、またその際にはどの業務の比率を上げるべきかという目標を数字で明示できる。

「数字で明確に、かつ正当な根拠を持って現場に伝えられる点は、この手法の最大の強みであり、働き方改革プロジェクトを進める上での大きなメリットとなるでしょう。また、手当たりしだいに対策を打ち出す必要もなく、効果が見込めるポイントにフォーカスして検討できるため、対策にかけるコストや人的リソースも最適化できます」(関氏)

また、同様の仕事を担当する複数の社員の働き方を比較すれば、効率よく時間を使っている人と、そうでない人の違いも見えてくる。これを基に、個人ごとに重点目標を設定したり、チームとしてのフォロー体制を考えるといった施策にも生かしていけるはずだ。

日立は、こうしたPC操作ログの分析・収集ツールとして、「JP1/IT Desktop Management 2」(以下、JP1/ITDM2)を提供している。このJP1/ITDM2は、統合システム運用管理ツール「JP1」の製品群のうち、資産・配布管理を担うモジュール。豊富な管理機能と使いやすいUIが、高く評価されている。JP1を利用中の企業はもちろん、使っていない企業も単体で使用できるため、既存環境に関係なく働き方改革に生かすことが可能だ。


施策の効果を見極めながら変革を推進

日立製作所 IoT・クラウドサービス事業部事業推進本部 主任 渡辺 純也氏
日立製作所 IoT・クラウドサービス事業部事業推進本部 主任 渡辺 純也氏

このように、定量的に実態を可視化することで、企業は働き方改革を新たなステップへ進めることが可能になる。

「加えて、働き方改革でもう1つ課題になりがちな、『成果をどう測るか』という課題も、この方式なら解決できます。施策実施の前後のシステムログを比較することで、効果を見える化し、改善に向けたPDCAサイクルを回していくことが可能になるからです」と同社の渡辺 純也氏は話す(図4)。これも定量化による重要なメリットといえるだろう。また日立は、こうした一連の取り組みを支援するコンサルティングサービスや、業務改善に役立つシステム導入支援サービスなども提供している。これにより、顧客企業の継続的な働き方改革プロジェクトを強力に支援することが可能だという。


図4 働き方改革のPDCA

図4 働き方改革のPDCA

成果を継続的に得るためには、現状の「働き方の分析」と「働き方のモニタリング」をワンセットで行い、PDCAサイクルを回すことが欠かせない。ここでも役に立つのがシステムログだ

[画像のクリックで拡大表示]

冒頭で紹介したように、働き方改革は掛け声だけで成功させることは難しい。問題を客観的に明らかにし、成果を測り、改善につなげるという日立の提案は、今まで企業が働き方改革でぶつかってきた壁を、一気に壊すものといえるだろう。


お問い合わせ

株式会社 日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部

日立ワークスタイル変革ソリューションに関するお問い合わせ
http://www.hitachi.co.jp/products/it/ws_sol/ask/

JP1/IT Desktop Management 2に関するお問い合わせ
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/ask/