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ビジネスモデルとワークスタイル変革の要点

船井総合研究所【提供:NTT東日本】

ビジネスモデルとワークスタイル
この二つの変革が働き方を変える

500人のコンサルタントが業種に特化してチームを構成し、8000社を超える支援先をサポートする船井総合研究所(船井総研)。そこでITチームのリーダーとして多くの企業の働き方改革の支援に取り組んできた八角嘉紘氏が、働き方改革につながるビジネスモデル変革とワークスタイル変革について、数々の事例を挙げながら解説した。ここではそのポイントを紹介する。

業績拡大の実現に不可欠な
日本企業における働き方改革

株式会社 船井総合研究所
IT・メディアグループ
チームリーダー
チーフ経営コンサルタント
八角 嘉紘

 なぜ今働き方改革なのか。船井総研の八角嘉紘氏は、ランチタイムにもかかわらず空いている席の食器が片付けられていないファミレスの例を引き合いに出しながら「働き手不足で業績不振に陥っている企業が多く、採用や教育のコンサルティングのニーズが高まっています」と話す。それだけに、新たな労働力である女性やシニア、地方在住者、外国人などを活用できる環境づくりが大事になる。

 一方、労働生産性の問題もある。「日本の労働生産性は先進7カ国中最下位という調査結果もあります。非効率になっている働き方を変えるには、ビジネスモデルも変化しなければなりません。ワークスタイル変革とビジネスモデル変革。この二つが業績拡大のための両輪なのです」と八角氏は働き方改革に取り組むポイントを指摘する。

生産性をアップさせるには
七つのキーワードが重要

 続いて八角氏は、働き方改革に成功している事例を紹介した。

 鹿児島の宅配会社は、真空調理した食材を滅菌して冷凍保存することで、閑散期に仕込み、繁忙期に活用できる体制を確立。事業の黒字化に成功し単月の営業利益は30%向上した。これは機械化による生産性アップの成功例だ。

 分業によって生産性を向上させたのが、栃木県の人材派遣会社。営業、面談、事務の分業化を進めることで、子育てや家族行事に時間を割かれる母親たちを戦力化した。「3人で粗利1億円を実現しています」と八角氏は話す。

 大手量販店に対抗するために仕入れ機能に特化して業績を向上させたのは、大阪の電器チェーンだ。業務を絞り込むことで、収益率をアップさせ、1人当たりの粗利は約2400万円、1人当たり経常利益は約800万円に上る。

 島根県の建設会社では、テレビ会議を導入して非生産的な拠点間の移動をやめ、その時間をロールプレイなどのコミュニケーションと教育に割り当てた。結果として交通費を削減しながら、契約率を9%から16%に向上させることに成功した。

 無線LAN環境を構築して、取引先を含めた業務の効率化を図り、毎月の適正処理を実現したのが、北海道の税理士事務所。IT化が進んでいなかった地域で、IT環境を提供し、業務全体の生産性を向上させた。営業利益率は15%まで高まった。

 同様にITを活用することで、業務効率を向上させたのが、奈良県の物流会社だ。車両の位置や車種、運行状況、ドライバー名、拠点名、空き状況を見える化するシステムを自社開発し、荷主からの急なオーダーにも対応できる体制を確立した。空車率は15%まで低下し、上がった利益で車両を増やしたという。

 八角氏は、この他にもITを徹底活用することで、世界中を旅しながら顧問先を支援する弁護士、年に1度、キャンプ形式で経営方針発表会を開催し、社員たちでビジョンを共有して、チームワークを強化する愛知県のシステム開発会社などの事例を示した。

 「これらの事例から分かる生産性アップのキーワードは、機械化、分業化、絞り込み化、非生産時間の排除、業務効率化の見直し、ITの徹底活用、チームワークの仕組み化の七つです」と八角氏は解説する。

生産性アップのキーワード
一口に生産性アップといっても様々なアプローチがある

ビジネスモデル変革と
ワークスタイル変革の成功事例

 続いて八角氏が働き方改革の事例として紹介したのが、東京のシステム開発会社であるソニックガーデンだ。“納品のない受託開発”という月額定額制でシステムを継続的に開発するビジネスモデルに取り組むとともに、通勤しないで管理もしないという“リモートチーム”という働き方を導入している。まさにビジネスモデル変革とワークスタイル変革を実現している企業だ。

 現在社員数は約20人だが、オフィスはない。その代わりに、全国にワークプレイスを用意するとともに、自社開発したバーチャルオフィスシステムや一人ひとりの仕事の状況を把握するツールを使って、リモート環境で仕事を進めている。ビデオ会議システムを使った飲み会もあるという。「これができているのはセルフマネジメントができるSE集団として人材を厳選しているからです」と八角氏は指摘する。

 八角氏が最後に紹介したのは同氏が働く船井総研の事例だ。「業界コンサルティング会社日本一を目指して三つのことに取り組んでいます。クライアントに圧倒的に利益が出る企業になってもらうための“ズバリソリューション”を提案すること、研究会に力を入れて業種別の会員組織を拡大すること、そしてチームコンサルティングにシフトすることです」(八角氏)。

 また、同社では新卒入社者の研修プログラムとして、ポータルサイトの求人欄作成だけ担当させて単機能による早期の戦力化を図っている。さらに、朝7時半から会議を開始するとともにノー残業デーを推進するといった“超時間労働”に取り組んだり、日報による日々の情報共有の仕組みと会議による情報共有とコミュニケーションの効率化を進めている。オンライン会議やタスク管理など各種ITツールも積極的に活用しているという。

 5年連続増収増益、営業利益率20%超、離職率10%以下という数字が、同社のアプローチの正しさを証明している。

 「ワークスタイル変革で注意すべきことは、労働時間と作業状況の管理、労働災害、そしてセキュリティ対策です。当社でも2015年にサイバーセキュリティチームを発足させ、セキュリティ対策を強化して情報漏洩を防ぐと同時に、社員教育も強化しています」と八角氏。

 セキュリティという備えがしっかりしてこそ、思い切ったビジネスモデル変革とワークスタイル変革に取り組むことができる。

ワークスタイルの変革で注意しなければならないこと
セキュリティ対策は重要項目だ
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