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製造業変革のカギはバリューチェーン再構築

未来の製造業が変わる予感がある――IoT(モノのインターネット)などに象徴される製造業のデジタル化は、製造業のビジネスモデル自体をも変え、大きな変革を引き起こそうとしている。その変革のさなかそれぞれの企業はどう生き残りを目指すべきか。調査・コンサルティング会社アイ・ティ・アール(ITR)の浅利浩一氏によると、そのカギは「バリューチェーンの拡大と再構築」にあるという。長年、生産管理システムのコンサルティングをしてきたITRの浅利浩一氏に、日経BPイノベーションICT研究所所長の桔梗原富夫が迫り、その論理の核心を聞いた。

2015年がテクノロジーの転換点だった

桔梗原 富夫/日経BPイノベーションICT研究所
桔梗原 富夫
日経BP社
日経BPイノベーションICT研究所
所長

■桔梗原 日本全体で進む少子高齢化や人口減少、労働力不足などのメガトレンドは、製造業にも少なからぬ影響を及ぼしています。

浅利 浩一 氏/アイ・ティ・アール
浅利 浩一 氏
アイ・ティ・アール
プリンシパル・アナリスト

■浅利 当社のお客様企業の多くの経営者の声を聞いても、そうしたトレンドのインパクトは大きく、数年レベルでは解消されないと考えています。製造業が消費者ニーズを読み取るこれまでのプロダクトアウト的手法が通用しなくなってきており、より細分化したマーケットの分析や、単なるモノ売りではなくサービスを組み合わせて消費者の満足度向上を図ることが必要になっています。

■桔梗原 そのためのICTの要素技術も進化していますね。

■浅利 私は2015年がテクノロジーの転換点だったと認識しています。1990年代から2010年台前半までは、クライアント-サーバーシステムやインターネットがテクノロジーの中心でした。しかし、2015年からはIoTやビッグデータ、AIが、社会を変えるテクノロジーとして位置付けられるようになっています。こうしたテクノロジーの転換点に呼応して、中長期のマイルストーンを設定しつつ事業ポートフォリオやビジネスモデルの変換を図る取り組みが世界中で活性化しています。これは、2015年以前には見られなかったことです。先進的な製造業が「モノからサービスへ」とビジネスを変革しているのは、その典型と言えます。

「ハイブリッド生産」と「ミックスモード生産」をどう実現するか

■桔梗原 IoT活用によるものづくりのサービス化の流れの一つに、大量生産による「見込み生産」から「個別受注生産」へのシフトがあります。中でも個別受注生産を大量生産品と変わらないコストで実現する「マスカスタマイゼーション」は大きな可能性を秘めています。

■浅利 それには消費者に近いところで、いかに付加価値の高いものづくりをしていくかが前提になります。ネットワークを活用しメーカーと消費者の間の距離が縮まり、複雑なサプライチェーンが消えるというのは、大きなインパクトがあるでしょう。しかし、個別受注生産が拡大しても、量産の見込み生産がなくなることはないでしょう。メーカーはその両方を組み合わせる必要があり、原価をコントロールしてもうけを出していかねばなりません。私はそれを「ハイブリッド生産」と呼んでいます。

 ハイブリッド生産で見込み生産と個別受注生産の2つの生産形態を維持するには、ものづくりシステム自体もハイブリッドである必要があります。見込み生産ではMRP(資材所要量計画)に基づく管理、個別受注生産では製番(製品番号)に基づく管理です。例えば、調達はMRPで運用し、販売後のサービスは顧客の仕様に基づき製番で運用するなど、個々の工程ごとに見込み生産と個別受注生産を柔軟に選択できなくてはなりません。

 さらに言えば「組み立て製造」と「プロセス製造」の両方への対応も必要です。組み立て型の製造業でも、どこか一部にプロセス型の製造が含まれているものです。両方の方式に対応する「ミックスモード生産」が、情報を一元化するうえで欠かせません。

バリューチェーンの拡大・再構築を目指す

■桔梗原 ハイブリッド生産とミックスモード生産は、インダストリー4.0とも通じるところがありますね。でもそういった製造の仕組みをどうやって実現したらいいでしょうか。

■浅利 一番始めの課題は、組織の壁を取り払うことです(笑)。

 良くない典型が、CAD(コンピューター利用の設計)による設計情報と、PLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)による情報の分断です。分断されていてはものづくりのライフサイクル全体を真に見通すことはできません。単に両者をつなぐだけでなく、仕様変更が各部門に素早く伝わるなど、ERP(統合基幹業務システム)も含めて密な連携をして、設計や生産、調達、販売といった各部署が管理する製品、原価の情報を一元化する必要があります。

 どうやって一元化するのか、どこの情報を正本にして同期させていくかなど乗り越える課題はたくさんあります。その時に大切なのは、工場の中だけでもうけを出すことを考えるのではなく、工場の外も含めて、設計からサービスまでバリューチェーンを拡大し、再構築することを目指すことがカギになります。社外のサプライヤーやパートナー企業も、再構築するバリューチェーンのプラットフォームの中に取り入れていきたいものです。

■桔梗原 連携したシステムを構築するとなると大変な作業ですね。

■浅利 そうですね。そこでICTの力、それもパッケージを活用することが有効ではないかと思います。もちろん連携するためのシステムをスクラッチで作ることもできなくはありません。しかし、「mcframe 7」のようなパッケージには長年のベストプラクティスが詰まっています。標準的なERPでは対応できないようなものづくりに沿った機能やパートナー企業の経験知などを活用し使いこなすことで、過去の実績から学ぶことができるのです。製造業にとって永遠の課題といってもよいプロダクトライフサイクルの統合においても、単なる後付けではない、情報のズレが生じない仕組みにそうしたノウハウが生かされています。やはり最初から連携を想定している実績のあるパッケージの導入は、その点でも意義があります。mcframeは当初よりオブジェクト指向のアーキテクチャを採用しており、開発ツールを活用して独自のカスタマイズも容易にでき、シングルソースで1カ所を変更すると全体に反映されるという考えに立って作られています。最新のmcframe 7は従来の製品にも増して、ハイブリッド生産とミックスモード生産に対応できる実績の高い唯一の国産製品としての強みをより確かにしたといえます。

■桔梗原 日本の製造業は現場主義で強さを発揮してきました。バリューチェーン再構築でさらに強さを増してくれることを期待したいですね。

「もうからないのは、原価の情報が設計者から見えないから」

北山 一真 氏/プリベクト代表
北山 一真 氏
プリベクト代表

あらゆる策を通じてコストダウンをはかり利益増大を目指すものの、なかなかもうけが出ないと嘆く製造業は少なくない。その理由を、プリベクトの北山一真氏は「正確な原価情報が設計者から見えないため」と指摘する。北山氏にその背景と解決策を語ってもらった。

 設計部門と原価部門は、連携ができていないものです。設計部門は常に原価低減を要求される一方で、原価部門は設計の業務がよく分からず、両者がもどかしい思いをしているのが背景にあるようです。

 もちろん設計部門は、設計で原価の大方が決まることは理解しています。設計部門はより安価な部品を選定する必要がありますが、正しい原価情報が見えないため正しい判断ができない実態があります。また、部材の原価だけ見えても十分ではありません。部品を適切に選定すれば変動費は安くなるのですが、部材が変わったことで製造手順などが変わって製造現場での工数が増え、作業者のトレーニングが発生するなど、隠れ固定費が“後出し”で増大することは珍しくありません。そのためトータルでは原価は下がっておらず、もうけが出ないという結果になってしまうのです。

 こうしたことを防ぐには、変動費/固定費ともに設計部門が設計段階で把握できるようにする必要があります。設計のどこをどう変更すると固定費にどう影響するかを、設計者が随時認識できるようにすれば、固定費を適切に管理でき、トータルでの原価低減と利益増大が進みます。

 これを可能にするために、設計情報を管理するPLMと、コストを管理する生産管理システムを連携させる動きは以前からありました。しかし、いずれもPLMからのアプローチだったように思います。連携の目的が原価管理にあるならば、本来は原価を管理している生産管理システムからのアプローチが理想的なはずです。

 今回mcframeシリーズが「mcframe PLM EM-Bridge」という製品を通じ、設計と製造の連携を生産管理システム側から目指したのは、注目しています。なかなか連携が進まなかった設計と製造連携を、製造現場からのアプローチを意識した新たな仕組みとして、プロダクトライフサイクルマネジメントを実現するデジタルプラットフォームとして受け入れられることを期待しています。(談)


■ホワイトペーパー ダウンロードのご案内











株式会社アイ・ティ・アールのプリンシパル・アナリストである浅利 浩一氏が執筆したホワイトペーパーがあります。
「 mcframe 7による新たなものづくりソリューション 」
は、新しい時代の製造業の分析とmcframe 7を使ったシステム構築の世界を解説しており、その 紹介記事とダウンロードはここから アクセスできます。

<目次>
第1 章 デジタル化する製造業
 デジタル産業革命における製造業の挑戦
 ハイブリッド生産/ミックスモード生産への対応
 国内市場におけるものづくりシステムの選択肢
第2 章 製造業のデジタル化を支援するmcframe 7
 mcframe 7 の概要
 mcframe 7 の特徴
 プロダクトライフサイクルの統合
第3 章 提言

■イベント案内  (実際にmcframe 7の機能概要やデモなどを体感できます)

  mcframe Day 2017/B-EN-G IoT Forum 2017
  ●日程 2017年2月16日(木)  ●会場 ANAインターコンチネンタル東京

【名古屋/大阪/東京】製造業の生産性と競争力を高める
         「ものづくりデジタライゼーション」

【名古屋】●日程 2017年3月 8日(水) ●会場 ミッドランドホール会議室
【大 阪】●日程 2017年3月 9日(木) ●会場 ハービスENT(ENTオフィスタワー9F)
【東 京】●日程 2017年3月10日(金) ●会場 フクラシア東京ステーション

お問い合わせ
  • 東洋ビジネスエンジニアリング株式会社

    略称:B-EN-G (ビーエンジ)

    〒100-0004東京都千代田区大手町1-8-1 KDDI大手町ビル

    TEL:03-3510-1590

    FAX:03-3510-1626

    URL:http://www.mcframe.com/