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IT業務の遂行力を見える化する「iCD」

「 i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)」とは、情報処理推進機構(IPA)が公開している、イノベーションの創出を担うIT人材の役割と仕事を体系化した「辞書」である。企業としては、自社の経営戦略に合わせたIT人材を育成するため、iCDを活用するところが増えている。Cloud Daysでは、既にiCDを導入して成果を挙げている企業が集い、その効果や得られた気づき、さらには導入に際しての工夫点を議論した。
サントリーシステムテクノロジー
管理部人材育成チーム参与
松本道典 氏

 iCDは、IT人材が担う業務や、業務を果たすために必要なスキルを体系化した「辞書」であり、業務を定義した「タスクディクショナリ」と、業務を遂行するために必要なスキルを定義した「スキルディクショナリ」で構成される。企業が新しいITサービスを事業化するときや、ITエンジニアにスキルアップを促すときに、どのようなスキルを持った人材が足りないのか、また今後どのようなスキルを養うべきなのか。iCDに照らして分析すれば、客観的かつ具体的な指針が得られる。iCDは、無料で活用できる指標だ。パネルでは、iCDを活用して成果を挙げた、サントリーシステムテクノロジーの松本道典氏、エネルギア・コミュニケーションズの廣川隆明氏が登壇した。モデレータは日経BPイノベーションICT研究所上席研究員の田中淳が務めた。

――iCDの導入に踏み切った動機は?

松本: サントリーでは現在、事業のグローバル化を推し進めている。グループ組織は常に最適な編成を繰り返し、事業規模の拡大、業務革新へのIT支援は目白押しだ。そこでIT関連業務は当社に業務移管し、ITでビジネスモデルの革新を起こす取り組みに注力していかねばならない。当社は多様な要求に応える体制つくりのためiCDを導入した。

廣川: 親会社の中国電力が電力システム改革に伴う発送電分離など大きな事業変革の中にある。今後5年は仕事が見込めるが、その後は親会社に加えてグループ外からの収益も上げなければならない。グループ内企業から外部企業のIT支援へと移行できる体制を整え、グループ外の市場で勝ち抜く総合力をつけるためiCDを導入した。

――導入して気づいたことは?

エネルギア・コミュニケーションズ
情報システム本部開発センターマネージャー
廣川隆明 氏

松本: 個人のタスクとスキルが見える化され、一人ひとりの役割と組織の中の位置が明確になった。経営や現場の管理者は、単に人材の量だけではなく、能力を見て体制つくりに取り組めるようになった。これによって、個人や組織のレベルは確実に上がった。「人は財産」と言うがiCD導入後は面談でキャリアパスを見せながら、明確な指導ができるようになった。

廣川: 個人や組織の強みと弱みが、あからさまになって、セールスエンジニアを育成しなければならないことがよく分かった。社内ではiCDの評判はよい。本部長は「目標達成への筋道がより明確になった」、ライン管理職は「個人の強化ポイントが明確になり育成指導がしやすくなった」、一般職も「進むべき道を描きやすくなり、モチベーションが上がった」と言っている。

――iCDの導入に際して留意した点は?

廣川: 2014年から2年掛かりで導入に取り組んだが、当初は導入部門を絞ってスモールスタートに努めた。導入担当者がiCDに習熟し、経営層とも経過を共有することを優先した。また、全社員に丁寧に説明するようにした。

松本: 私たちもスモールスタートし、対象とする役割を徐々に増やしていった。しっかりとしたベースを作り、追加していった方が円滑に導入できる。また、ITの進化は急激で、経営環境も大きく変わる。こうした変化に対応すべく、常に改訂していくことがポイントになる。

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