• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
ITpro Special
週間WEEKLY ITpro Special ITpro

企業改革のカギは働き方改革に

デジタルトランスフォーメーションの波は新しいビジネスモデルを生み、既存の産業構造を根底から変える。その中で勝者となるためには「未来型企業」へ転換しなければならない。そのカギを握るのはワークスタイル変革だ。レノボ・ジャパンは2016年4月にオフィスに出社せずに働ける無制限テレワーク制度を導入した。その経験は数々の製品・ソリューションにも様々な形で反映されている。
レノボ・ジャパン
代表取締役社長
留目真伸 氏

 デジタル技術によってビジネスや社会を変革する「デジタルトランスフォーメーション」の波は既存の産業構造を根底から変える。「勝者となるためには『未来型企業』への転換を図る必要があります。当社もその例外ではありません」。レノボ・ジャパンの留目真伸氏はこう話す。

 レノボの設立は1984年。わずか30年余りで世界のパソコン市場で最大のシェアを持ち、約160カ国で事業を展開するグローバル企業に急成長したが、現在、新しいビジョンを掲げ、今後高成長が見込まれる「Device + Cloudカンパニー」への変革を加速させている。

 レノボが目指す未来型企業とは、系列に閉じたバリューチェーンから脱し、企業の枠を超えた共創とオープンイノベーションで価値創造を図る企業のことだ。資本・人材の流動性を高め、付加価値の高いプロジェクトへシフトを進める。プロジェクトの成果を優先するため、これまでの共同体優先の働き方とは異なるフレキシブルなワークスタイルが欠かせない。

図1:レノボが目指す未来型企業の働き方
[画像のクリックで拡大表示]
ゆとりが生まれるだけではない
働き方の多様により人材も多彩に

 「日本では2010年に8000万人を超えた生産年齢人口が2030年に6700万人ほどに減少するといわれており、その中で未来型企業へ転換するにはオフィスに縛られた働き方を脱するワークスタイル改革を進め、生産性の向上を図ることが必須です」(留目氏)。

 ワークスタイル変革の実現に向けたポイントは3つある。その1つは「ビジョン・カルチャーの醸成」だ。長時間労働文化を撤廃し、効率的に働く意識を根付かせる。共創を促すためにコミュニケーション文化の見直しを図ることも重要だ。2つめは「制度・ルールの整備」。ワークフローを最適化し、勤務規定や人事評価制度、セキュリティポリシーの見直しを図る。そして3つめは「ツールの活用」である。コミュニケーションツールを導入し、オフィスワークの生産性向上やテレワーク環境の充実を促す。

 時間や場所に縛られない働き方が実現するためゆとりが生まれるが、得られるものはそれだけではない。「働き方の多様性を互いに認め合うことで、多様な人材を確保できるようになり、ビジネスの共創が実現します。これがワークスタイル変革の本質です。活躍の場を得た人材が増えれば、組織も活性化します」。留目氏はこう主張する。

 レノボ・ジャパンはテレワークの推進に力を入れてきた。毎年実施するレノボ全社一斉テレワーク訓練はその一例。大規模災害による出社・帰宅困難を想定し、レノボ東京オフィス勤務者800人が一斉にテレワークを実施する。その経験や知見を生かし、2016年4月にはグループ4社約3000人の社員がオフィスに出社せずに働ける無制限テレワーク制度を導入した。

 「しばらくするとテレワークの実施率が下がりました。主な理由は『上司、同僚がテレワークをしないため実施しづらい』というものでした。そこで再度テレワークの意識向上をリマインドした結果、実施率は60%に向上しました。介護・育児のための目的から、ワークライフバランスや業務生産性の向上を目的とした『攻めのテレワーク』にシフトしています」(留目氏)。

 攻めのテレワークを加速させるため、レノボ・ジャパンは2016年10月から11月にかけて全社でコワーキングスペースでの業務・共創を推奨した。コワーキングスペースでの業務や交流を通して共創やイノベーションとは無縁と思われてきたコサービス部門、サプライ部門、レポーティング部門などの社員から4つの共創アイデアが取締役会に提案された。現在、その一部について実現に向けた活動をしている。

 社外との共創も成果を上げる。社員が渋谷区観光協会などの地域ステークホルダーと頻繁に交流し、ネットワークを広げることで、渋谷・原宿エリアに300個のビーコンを設置、2016年5月にはビーコンと連携するスマホ用観光情報アプリを公開、渋谷区観光協会が主催する様々なイベントに参画した。また、神奈川県鎌倉市では地域のプロデュース役の地元企業と交流したことで、経済産業省の実証実験などのプロジェクトに参画し、様々な企業と共同でビジネスに取り組んでいる。「オフィスに縛られない働き方が可能になったことで、社員の機動力が高まり、社内外の人との交流が活発化し、その成果が実を結びつつあります」(留目氏)。

図2:モバイル製品の活用により、場所、時間にとらわれない働き方を実現
[画像のクリックで拡大表示]
テレワークのためのラインアップ
業種・業界別のソリューションも

 テレワークの成否を決めるビジョン・カルチャーの醸成、制度・ルールの整備、ツールの活用という3つのポイントのうち、ビジョン・カルチャーの醸成、制度・ルールの整備は口で言うほど容易ではない。「ツールを活用し、働き方改革を支えるIT環境を整備することから始めると効果的です。これは当社の経験からいえます」。留目氏はこう提案する。

 レノボはそのための製品・ソリューションを数多く提供する。タブレットとしてもモバイルPCとしても使えるThinkPadX1 Yoga、手書きのペン入力によって今までの通り手書きで記録でき、デバイスに保存できるYOGA BOOKといったスマートデバイスから、PCの位置情報をトラッキングし、遠隔地からデータを消去・ロックできるAbsolute DDS for Lenovoといったセキュリティ製品、モビリティやアナリティクスを支えるデータセンター用サーバーやストレージに至るまでラインアップは充実している。

 「製造現場、学校・教育現場、病院・医療・介護現場、小売店舗、飲食店などの業種・業界別ソリューションも用意し、業種・業界を問わず一貫したコミュニケーションインフラの構築ができます。当社は今後も柔軟な働き方による共創とオープンイノベーションを加速させ、その経験や知見を生かしてツールやソリューションを充実させ、お客様のデジタルトランスフォーメーションのお役に立つ所存です」。留目氏はこう言って講演を終えた。

お問い合わせ