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監視カメラで採用広がる高性能ハードディスク

データセンターなどのエンタープライズストレージ向けに開発されたWestern Digitalのハードディスク(HDD)である「WD Gold」シリーズが、ネットワークカメラの録画システムに採用される事例が増えてきた。複数のビデオストリームという大容量データを24時間365日にわたって安定して記録し続けなければならないため、HDD(ハードディスク・ドライブ)には高性能・高信頼性が求められる。ネットワークビデオレコーダーを手がける株式会社R.O.Dの事例を紹介する。

図1.データセンターアプリケーションやネットワークカメラシステムが求める高い信頼性と性能を実現した「WD Gold」シリーズHDD
図1.データセンターアプリケーションやネットワークカメラシステムが求める高い信頼性と性能を実現した「WD Gold」シリーズHDD
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 大容量記憶媒体としてのHDD(ハードディスク・ドライブ)は、フラッシュメモリーを使ったSSD(ソリッドステート・ドライブ)に主流が移りつつあるといっても、HDDはまだまだ健在である。数TバイトからときにはP(ペタ)バイトオーダーの大容量ストレージを容易に構成できるのは、HDDの強みだからだ。

 HDDの老舗ベンダーである米Western Digital社は、多様化する市場のニーズに応えて、スタンダードモデルの「WD Blue」、ハイパフォーマンスモデルの「WD Black」、NAS向けの「WD Red」、監視カメラシステム向けの「WD Purple」、およびデータセンターなどエンタープライズ向けの「WD Gold」の各シリーズを展開中である。このうち、IT分野のみならず、組み込みシステムや産業機器に採用が広がっているのが、フラグシップともいえる「WD Gold」シリーズである(図1)。

 WD Goldは信頼性と性能が最大限発揮できるように製造されている。年間最大550Tバイトものワークロードに対応した高い信頼性、ヘッドの位置決めを高速化するデュアル・ステージ・アクチュエータテクノロジー、高性能化を実現する7200回転/分の回転数と最大256Mバイトのキャッシュメモリー、リアルタイム振動補正機能、コマンド応答時間を保証してRAIDからの脱落を防ぐ「TLER(Time-Limited Error Recovery)」機能などが特長だ。記憶容量も1Tバイトから最大10Tバイトまである。

◆24時間365日のアクセスにも対応したWD Goldを選定

 「WD Gold」シリーズを映像の記録媒体として全面的に採用しているのが、ネットワークカメラ用の映像記録装置(ネットワークビデオレコーダー)を手がけるR.O.D(本社:大阪市)である。同社は2003年の創業。アナログカメラに代わりネットワークカメラ(IPカメラ)が登場してきた当時、専用の映像記録装置が欲しいという業界の声に応えて開発と事業化に着手し、他社に先駆けてネットワークビデオレコーダーを展開してきた。

図2. R.O.Dが提供するネットワークビデオレコーダー「VioStor」シリーズ
図2. R.O.Dが提供するネットワークビデオレコーダー「VioStor」シリーズ

 現在は、最大48チャネル入力を備える「VioStor」シリーズと、ローエンドタイプの「DIGISTOR」シリーズを提供。HDDに「WD Gold」を採用した両シリーズは様々なネットワークビデオレコーダーに組み込まれ、店舗、施設、工場、学校などの安全を見張っている。

 ネットワークビデオレコーダーは、HDDのアクセスという観点でみると、チャネルあたりおよそ1Mビット/秒のビットレートで送られてくるネットワークカメラの映像を、チャネルごとのファイルとして途切れることなく記録し続けなければならない。書き込みが多くアクセス負荷の変動は比較的少ないといった性質はあるものの、エンタープライズシステムと同等かそれ以上の信頼性が求められる。

R.O.D 大阪本社 営業部 部長 山科 和也氏

 そこでR.O.Dが選定したのがWestern Digitalの「WD Gold」シリーズだった。R.O.Dで営業部長を務める山科和也氏は、「複数のビデオストリームを24時間365日にわたって安定して記録するには、データセンタークラスの信頼性と高い性能とを持つHDDが必須と考えました。防犯カメラ・監視カメラにおいて、録画の失敗や録画データの消失があってはならないのです。そこで、ネットワークカメラ向けとして提供されている『WD Purple』よりも、さらに上位に位置付けられ、現在市場で入手できる最高クラスのHDDとして『WD Gold』を採用することにしたのです」と、選定理由を説明する。

◆記録と再生の同時アクセスにも余裕の性能

 ネットワークビデオレコーダーは、映像の記録だけではなく、過去の映像を再生する役割も担う。ただし、カメラ1台ずつの映像を確認したのでは効率が悪いため、VioStorの場合で最大16映像を画面分割によって再生できるようになっている(図3)。

図3. 最大48チャネルを記録しながら最大16チャネルの再生が可能
図3. 最大48チャネルを記録しながら最大16チャネルの再生が可能

 人間にとっては効率がいいが、HDDの視点で見るとアクセス負荷はこのときが最も高くなる。すなわち、ネットワークカメラから送られてくる複数の映像ストリームを記録しながら、最大で16チャネルの映像を読み出さなければならないからだ。

 「16チャネルの再生を行っているときでも書き込みのスループットが保証されるようにシステムは設計してありますが、HDD自体に性能余裕があるに越したことはありません。7200回転/分でキャッシュメモリー容量も大きな『WD Gold』は、その点でも安心して使えます」と山科氏は述べる。

 近い将来、4Kカメラや8Kカメラを使って全体を記録しておき、再生のときに映像の一部をズームして確認するシステムも登場すると見込まれており、映像のビットレートが現在の数倍に高まる見通しである。その時には「WD Gold」クラスの高性能なストレージがより必須になっていくだろう。また、従来のように数日から数週間ではなく、数カ月から3年程度の長期にわたって映像を記録しておきたいという大容量化のニーズも高まっている。最大10TバイトのHDDもラインアップされている「WD Gold」であれば拡張性も確保できる。R.O.Dでは「WD Gold」を搭載した「VioStor」シリーズおよび「DIGISTOR」シリーズをさらに進化させながら、サーベイランス市場のニーズに応えていきたい考えだ。

◆顧客システムの価値向上に努めるテックウインド

テックウインド
営業本部執行役員 営業本部長
仲谷 淳氏

 「WD Gold」をはじめとするWestern DigitalのHDDを扱っている正規代理店のひとつがテックウインドだ。同社営業本部執行役員 営業本部長の仲谷淳氏は「当社は長年、お客さまの開発を代理店の技術サポートという形で支援してきました」と技術力の高さもアピールする。HDDの初期不良を選別する「HDDスクリーニングサービス」や、テックウインド・ブランドのホワイトボックスサーバーなどの開発およびキッティングも行っている。仲谷氏は「単なる製品を卸すだけの代理店にとどまらず、技術面でのバックアップもしっかりしているのが強みです。20年にわたってWestern Digital製品を取り扱っており、2016年には最優秀代理店賞を受賞しました」と、Western Digitalからの信頼が厚いことを強調した。

 WDの全製品を扱っているなかで、データセンターをはじめとして、ハイエンドNAS、医療機器やファクトリーオートメーション向けPCなどへの採用実績がある。テックウインドは顧客ニーズや市場トレンドに応じた適材適所のHDDを提案・提供し、顧客システムの価値の向上に寄与していきたい考えだ。





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