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企業が持つデータの価値を最大限に高めるには

日本ヒューレット・パッカード
データセンター・ハイブリッドクラウド
事業統括 DCHC製品統括本部
エバンジェリスト
高野 勝 氏

今、「オールフラッシュアレイ」「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI) 」「ソフトウエア定義ストレージ」の新しい3方式のストレージが注目されているが、HPE はすべてについて製品ラインアップをそろえる。それぞれのストレージの得意分野は異な るので、導入にあたっては、用途に合わせて使い分けることが重要だ。

 基幹系システムや情報系システムのデータ、ビッグデータ、IoTからのセンシングデータ など、様々な情報を格納するための装置であるストレージ。かつて主流だった外付けハー ドディスク方式に代わって、新方式のストレージが急速に伸びている。

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)のエバンジェリスト、高野勝氏は、国内外の先進 的な事例を紹介しつつ、新方式のストレージの使い分けに役立つ技術的なポイントを解説 した。

混在ワークロードや高負荷環境には 3PAR StoreServなどのAFAが向く

 まず、保存メディアにフラッシュドライブを使うオールフラッシュアレイ(AFA)である 。「AFAが特に向くのは、混在ワークロード用の統合型ストレージや高い負荷がかかるデー タベースなどの用途です」と、高野氏。長時間のバッチ処理、ユーザーの使い方が読めな いマルチテナント型のクラウド、GPUなどの特定のハードウエアを前提とするケースなどだ 。

 クラスター型アーキテクチャを採用した、同社の高性能・高可用性のAFAが「HPE 3PAR StoreServ」。Gen53PAR ASICと呼ばれる専用チップが搭載されており、クラスター制御・ キャッシュミラーリング・重複排除のためのハッシュ計算などをコントローラー内のCPUに 代わって処理することによって、フラッシュドライブのスピードを最大限に引き出してい る。

 その結果、この製品を企業グループの共通基盤に採用した国内の食品・飲料メーカーで は、5年間のトータルコスト(TCO)を約63%削減することに成功。「42Uのラックが8本 から2本へと減り、消費電力も43.2kWだったものがわずか1.2kWで済むようになりました 」と高野氏は報告する。

 このほか、より手軽に入手できるAFAとして人気が高いNimble Storageも、近日中にHPE のストレージブランドに追加される予定だ。

重複排除と高速圧縮が特徴のHCI 専用のアクセラレーターを搭載

 次に、x86サーバー・内蔵ストレージ・ネットワークを仮想化技術で1つのパッケージに したハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)。HCIの最大の強みは、短期間 に導入できて、稼働後の運用管理も容易であること。IT基盤を素早く立ち上げることが求 められる場合はもちろん、一部の部署で仮想デスクトップ基盤(VDI)を試してから全社に 導入する、といった場合にもHCIは最適だ。

 また、基本的にはWebベースの管理画面をチェックするだけで一定レベルの運用管理がで きる同社のHCIは、「運用管理担当者が不足しがちな企業や、地方自治体にも数多く導入さ れています」と高野氏は言う。

図1 クイックスタートと簡単管理を実現する「HPE SimpliVity 380」
重複排除とデータ圧縮をハードウエアアクセラレーターで処理。CPUの性能をフルに引き出せる。

 特に、発表されたばかりの「HPESimpliVity 380」は、売れ筋サーバー「HPE ProLiant DL380 Gen9」に専用ハードウエアアクセラレーターのカードが標準で取り付けられている ことがポイント(図1)。「このカードがCPUに代わって重複排除とデータ圧縮の処理をし てくれますから、その分、より多くの仮想マシンを稼働させることができます」と、高野 氏は説明する。

 重複排除/データ圧縮によってデータ容量はぐんと小さくなるから、バックアップやリ ストアの処理時間は短くなり、災害対策(DR)用サイトに企業の重要データを毎日丸ごと 転送するといった使い方も可能になる。

超大容量データの格納には オブジェクト型のSDSが最適

 さらに、超大容量のデータを長期間保存したいというニーズには、HCIで使われている ようなx86サーバーをベースにしたストレージ機能を独立の製品として切り出したソフトウ エア定義型ストレージ(SDS)が適切なソリューションになると、高野氏は指摘する。例え ば、IoTのセンサーデータ、監視カメラのデータ、社内ルールや法制度で一定年数の保管が 義務付けられている電子化会計データなどだ。

 「これを受ける基盤としては、オブジェクト型ストレージとして動作するSDSが最適です 」(高野氏)。HPE自らはそうしたSDSソリューションを提供していないものの、HPE Apollo 4000シリーズのサーバーと「Scality ObjectStorage Software on HPE Apollo」( 開発元:Scality、販売:HPE)を組み合わせることによって同等のシステムを構築できる と紹介した。

 このオブジェクト型SDS(ScalityRING)でデータ格納を担当するのが、RINGストレージ サーバーと呼ばれるレイヤーだ。ここにHPE Apollo 4000シリーズを適用すると、2Uでも 224TB、4Uでは554TBという超大容量を格納することが可能。海外のある自動車メーカーは 、この仕組みを使って、衝突回避技術の開発に必要なセンサーデータと映像データ(合計 約7PB)を管理しているという。

 さらにHPEでは、このような使い分けをしつつも運用管理コストを抑えるため、企業内ス トレージを一元的に管理する枠組みを用意している。インフラストラクチャー自動化エン ジン「HPE OneView」を核としたデータセンタービジョンだ(図2)。ストレージとデータ の状態監視、ストレージ間のデータ移動、バックアップといった日常の運用管理作業は、 すべてOneViewの管理コンソールから可能。各ストレージのバックアップ/リストアも 「HPEStoreOnce」で一元化できる。

 ビッグデータを活用し、そこからの価値創出を最大限に高めるには、こうしたストレー ジの賢い使い分けが欠かせない。

図2 HPEのデータセンタービジョン
企業内に存在するすべてのストレージを一元的に管理。
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