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データセンター「柔軟化」でニーズに応える

ITサービス基盤のクラウドへの移行が加速するにつれて、クラウドを支えるプラットフォームにも新たな仕組みが求められるようになっている。インテルの横川弘氏は、データセンターの再設計を推進するために同社が提供している技術を紹介。クラウドを活用したサービスを提供する事業者へ、差別化やコスト最適化につながるソリューションを提案していくという。

 ユーザーのクラウド志向の高まりと、それを背景にしたサービス事業者の新たなサービス拡大が続いている。インテルの横川氏によると、2020年までにクラウドに接続するデバイスは500億個以上にも達するとみられ、アプリケーションの約85%がクラウド経由で配信されるようになるという。

インテル
データセンター・プロダクト・マーケティング
Xeon プラットフォーム・マーケティング・マネージャー
横川弘

 アプリの増加で新しいサービスの必要性が高まり、新たなサービス事業者が登場するというサイクルが続いている。それによりクラウドサービスの需要は2014年から2019年までの間に年平均19%の成長が続くと見込まれている。

 クラウドサービスの拡大で、サービス事業者からはデータセンターに新たなニーズが寄せられるようになった。激化する競争を勝ち抜くための差別化や、システム監視による適切なキャパシティー管理、TCOの最適化などだ。特に差別化は今後、動画やモバイルも組み合わせた統合型のサービスが拡大するとみられる。

 同社はクラウドサービスの基盤となるデータセンターへのプラットフォーム提供で、「投資」「最適化」「標準化」の3つの観点から、クラウドサービスに対する新たなニーズへの対応を目指す事業者を支援している。プロセッサーに限らず、ストレージやネットワーク関連も含めたソリューションで、2016年3月にはこれらを一体にして最適化したプラットフォーム向け新製品を発表した。

図1 インテル® リソース・ディレクター・テクノロジーでは個々の仮想マシンごとにキャッシュを動的に割り当てることができる
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個々の仮想マシンの優先度に応じて
キャッシュ占有率を動的に配分

 その際に発表した「インテル® XeonプロセッサーE5-2600 v4製品ファミリー」には、3つの特徴がある。自動化のためのオーケストレーション最適化、コアあたりの暗号化処理性能を向上させてセキュリティを強化、さまざまな用途向けの性能向上だ。

 オーケストレーション最適化を担うのが、「インテル® リソース・ディレクター・テクノロジー」による新しい仮想化機能。一般的な仮想化環境では、ハードを基盤にしてハイパーバイザーの上で動く個々の仮想マシンが、プロセッサーのキャッシュをどの程度占有するかを決めていた。しかしリソース・ディレクター・テクノロジーを搭載したプロセッサーは、個々の仮想マシンに対してキャッシュを動的に割り当てることが可能だ。

 「優先度の低い仮想マシンから高い仮想マシンに対して、キャッシュを多く割り当てることで、システム全体の性能を向上できる」(横川氏)。同じ仮想化環境でも仮想マシンごとにメリハリを付けて、高いパフォーマンスを必要とするクラウドサービスも容易に提供できるようになり、投資効率向上につながるわけだ。

 プロセッサー自体の基本性能の向上にも取り組んでいる。開発コード名「Skylake」として2017年半ばに発売予定の「インテル® Xeon®プロセッサー・スケーラブル・ファミリー」は、「この10年で最大規模となるプラットフォームの進化と考えている」(横川氏)。具体的にはコアあたり性能のさらなる向上や、浮動小数点演算のピーク性能を最大2倍引き上げることを目標とする。横川氏は「クラウドが進めば進むほど、データセンターの再設計が必要になる」と語り、そのために必要な機能を新しいプロセッサーで提供していくとしている。

図2 2017年半ばに発売予定のプロセッサー「インテル® Xeon プロセッサー・スケーラブル・ファミリー」は、データセンターの再設計を支援
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ハードに縛られない柔軟性を持つ
次世代データセンター

 さらに横川氏はデザイン面の観点からも、次世代のクラウドサービスの基盤を提唱している。それが「インテル® ラック・スケール・デザイン」だ。

 クラウドで扱うデータやつながるデバイスが爆発的に増えるとともに、回線の高速化や解析の高度化が進むと、「従来のハードウエアで定義されたプラットフォームではなく、新しい時代に合わせてデザインされたプラットフォームが必要になる」と横川氏は指摘する。

 一般的なサーバーはハードウエアの構成が固定化されており、プロセッサーやストレージやネットワークなどがノードごとに分かれている。これに対しインテル®ラック・スケール・デザインは、プロセッサーなど個々の物理的なリソースを全体としてプールし、オーケストレーションレイヤーを介してそれらを組み合わせるというのが基本的な考え方だ。「ストレージが重要なワークロードではストレージを増やし、ネットワークが重要なワークロードではアクセラレーターを厚めに組むという具合に、それぞれのアプリケーションに特化してデザインできるようになる」(横川氏)ため、アプリケーションに最適化することによる性能の向上やTCOの削減が可能になるという。

図3:「インテル® ラック・スケール・デザイン」はプロセッサーなど物理的リソースをプールし、アプリケーションの特性に合わせて組み合わせることを可能にする
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 横川氏はインテル® ラック・スケール・デザインが次世代のデータセンターにもたらす効果を4つ挙げた。1つは「柔軟性」で、ニーズの変化に合わせてシステム構成を動的に提供できることだ。2つ目は「管理性」で、APIレベルでソフトウエアの仕様を標準化しているため、リソースの可視化を使いやすい環境で実現できる。3つ目は「経済性」で、導入やアップグレードの際にハードに縛られることがなくなり、必要に応じて容易に増強できる経済的なメリット。4つ目は「オープン性」で、豊富な選択肢を組み合わせ可能にすることで、業界全体でのイノベーションを促進できる。

 横川氏は「インテルはプロセッサーだけでなく、ストレージやネットワークも提供できるベンダーであり、汎用性のあるシステム構成を提案する。クラウドに多くのデバイスがつながる時代には、ラック・スケール・デザインなどで柔軟性を持たせた環境が必要であり、それによりTCO最適化や性能向上、効率化が同時に実現できる」と強調した。

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