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日中間ビジネスをクラウド活用で成功に

訪日外国人が増加する中でインバウンドビジネスを一層の成功に導くにはどうしたらよいか。その1つの解は、訪日外国人シェアトップの中国に、日本や自社のファンを作ることにある。ソフトバンクでインバウンドプロモーションを担当する松浦竜馬氏と、クラウドサービス提供会社であるSBクラウドの村山弥氏は、クラウドサービスの「Alibaba Cloud」で中国特有の課題を解決し、ビジネス拡大が可能になると説く。

ソフトバンク
法人事業開発本部 事業開発第1統括部
ビジネスディベロップメント推進室
インバウンドプロモーション課
課長
松浦竜馬

 「今こそ海外に日本のファンを作るチャンスです」。こう切り出したのは、ソフトバンクの松浦 竜馬氏だ。ソフトバンクがインバウンドマーケティングに注目するのは、日本にはまだインバウンド需要のポテンシャルが残されていてチャンスがあるからだ。

 訪日外国人数は2016年実績で2400万人を突破し、日本政府は観光ビジョンとして2020年には4000万人を目標にしている。これに向けてまだ訪日外国人が増えるポテンシャルがある。その中でも特に注目すべきが中国だ。日本から見ると、訪日する中国人は600万人超と、訪日外国人数の全体の約3割を占めており、トップシェアの大事な顧客として、中国としっかり向き合うことが日本のビジネスには求められる。

 一方、中国から見ると、海外旅行経験者は全人口の数%にすぎず、まだ数多くの人々が海外旅行未経験者として残っている。さらに中国からの旅行先を見ても、首位はタイで日本は3位。中国からのインバウンド需要はまだ増やす余地が大いにあるとの指摘だ

中国人はモバイル、スマホが生命線

 中国から多くの訪日外国人を取り込むためには、現地のインターネットやデジタル通信の環境を知ることが欠かせない。中国は日本で想像する以上に、モバイルすなわちスマートフォンが圧倒的に普及していて約9割がスマートフォン。実際にスマートフォンで何をしているかも同調査で見ると、チャットが1位、次いで検索とニュースとなる。松浦氏は「プライベートも仕事もチャットがないと始まらない。ニュースも新聞よりもスマートフォンで見る人が多い。さらにコンビニでもタクシーでも決済はスマートフォンで行うため、お財布いらず。スマートフォンは中国人にとって文字通りの生活必需品です」と分析する。

SBクラウド
営業部
村山 弥

 ソフトバンクはモバイルやスマートフォンを核にしたインバウンド事業の拡大を目指している。その相手となる第一の国が中国であり、インバウンド事業の下地を着々と作っている。

 その1つがソフトバンクのグループ会社で世界最大級のオンライン取引プラットフォームを提供するアリババグループとの連携だ。ソフトバンクとアリババグループは合弁会社としてSBクラウドを設立し、同社は中国市場シェアNo.1のクラウドサービス「Alibaba Cloud」をパッケージ化して日本市場向けに提供しており、Alibaba Cloudを中国からのインバウンド事業を支えるキーソリューションとして位置付けている。

中国ビジネスの課題を一挙に解決

 SBクラウドの村山弥氏は「日本企業が中国でビジネスを行う際の課題を、簡単に解決する手段を提供したい」という。一般的なグローバル展開以上に、中国でのサーバー運用には課題が多いと言われている。現地法人の設立が必要になったり、請求通貨や言語、サービス品質などの問題に対応したりするほか、中国特有のインターネット事情への対応も求められる(表)。こうしたサーバー運用にまつわる課題は、Alibaba Cloudを使うことで容易にクリアできるのだ。

表:海外拠点にサーバーを設置・運用するときの課題
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 村山氏は、中国ビジネスにおけるネットワーク環境の影響を具体的に「インバウンドビジネス」と「越境EC」の観点から指摘する。「中国からの観光客は、スマホで訪日前に日本の情報を調べ、訪日中には店舗で買い物をし、訪日後にもスマホから越境ECで買い物をする流れが一般的と言われています。そこで、まずインバウンドビジネスでは対象者へ訪日前に情報を届けられなければ、訪日以降のビジネスは成り立ちません。また訪日前に情報を提供できても、訪日中に別のサービスを利用されてしまうと機会損失を招きます」。

 ECの購買ではレスポンスの遅延がコンバージョン低下や顧客満足度の低下につながってしまう。ユーザーがパフォーマンスに不満を感じたサイトは約8割が再度利用しないと言われている。すなわち、訪日前の中国でも、訪日中の日本でも、サイト閲覧のパフォーマンスに不満を持たせずに快適にアクセスできるWEB環境を提供することがビジネスの成功には不可欠なのだ。

 Alibaba Cloudは、アリババグループのサービスを支えるプラットフォームである。60兆円のECを支えるコンピューティング能力を持つほか、ビッグデータ分析やAI(人工知能)活用の実績もある。また中国本土だけでも5つのリージョンにデータセンターを持ち、500以上のCDN(コンテンツ配信ネットワーク)サーバーを備える。

 こうしたプラットフォームを、SBクラウドのAlibaba Cloudサービスを利用することで、日本企業は簡単に利用できる。日本で取得した1つのアカウントだけで、日本および中国本土を含む海外のリージョンも利用可能である。

 日本語によるサポート体制、日本円での請求にも対応し、ビジネスをスムーズに進められる。さらに拠点に近いリージョンのデータセンターやCDNサーバーを利用できるため、中国国内からのアクセスでも通信の遅延が起こりにくい。さらに訪日中も、Alibaba Cloudの日本リージョンに接続できるため快適なアクセスを維持できる。インバウンドビジネスと越境ECの課題であるサイト閲覧のパフォーマンスを高めることができるのだ(図)。

図:Alibaba Cloudの利用メリット
日本と中国いずれにもリージョンがあり、訪日客は、訪日前/訪日中/訪日後のすべてで快適に表示されるWEBサイトを利用できる。また、サーバー管理は日本からできるので現地に担当者を置く必要がない。
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さらに安全な専用型回線のサービスも

 SBクラウドでは、Alibaba Cloudの新プロダクトとして、インバウンドビジネスをサポートするサービス「Express Connect」の提供を始めた。「日本と中国を結ぶ高品質な専用型ネットワークを提供し、中国特有のネットワーク環境の問題に対応ができる」(村山氏)。

 Express Connectでは、インターネットを経由しない専用型回線を提供することで、セキュリティを高めた通信を実現する。また、申し込みから数営業日で開通可能という納期の短さも特長だ。グローバル通信回線は開通まで3~4カ月かかるのが一般的だが、数日で開通できるExpress Connectならばスピード感のあるビジネス展開が可能だ。さらに1カ月単位で利用できる柔軟な料金体系も使い勝手が良い。

 村山氏は「グローバルでビジネスを行うのはハードルが高い。しかし最適なサービス、現地の特性に合ったサービスを利用することで、そのハードルはぐんと下げられる。SBクラウドではAlibaba Cloudやその新プロダクトのExpress Connectといったサービスを活用いただくことにより、日本の企業が中国ビジネスを発展させるお手伝いをしていきたい」と締めくくった。

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