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インバウンド・ジャパン2017 総論

政府が目指す「2020 年の訪日外国人4000万人」は、ただ傍観しているだけ ではやってこない。“ポスト爆買い”として、訪日外国人に日本を体験してもら う「ジャパン・エクスペリエンス」。その価値をいかに向上させ、地方創生や事 業拡大に結び付けるかにインバウンド市場の関心は移っている。インバウン ド・ジャパン2017はこれに向けた最前線を体感できる見本市となった。

 訪日外国人の数は2016年の実績2400万人から、2020年には4000万人を目指しており、ますますインバウンド市場は活況を呈してきた。ビジネス展開はひところの“爆買い”から“コト消費”といわれる体験型重視に転換しようとしている。こうしたなか「インバウンド・ジャパン(INBOUND JAPAN)2017」が2017年7月19日~7月21日に開催された(東京ビッグサイト、東京・江東区)。120社の企業団体が外国人向け拡販を支援するソリューションを展示した。出展テーマも「集客マーケティング」「多通貨決済」「多言語対応」「体験型ツーリズム」「食」など広範囲に及んだ。また、企業や識者によるセミナーは「市場予測」「地方創生」「体験価値創造」「デジタルマーケティング」「越境EC」といった多岐にわたる専門的な情報提供がなされ、立ち見が出るほどの参加者で賑わった。

 ここでは一部の基調講演と企業の講演を紹介する。

世界遺産の宗像、観光と環境を融合

 7月9日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産登録を決めた。タイムリーなことに基調講演として宗像大社宮司の葦津敬之氏が登壇。登録に至るまでの取り組みを、登録決定の熱気冷めやらぬ雰囲気で語った。

 最初に葦津氏は古事記・日本書紀の記述や皇室の系図を紹介。関係の深い宗像の歴史の由緒正しさを示した。また日本で最初に開国し、海外交易の要所だった宗像が造船・航海技術など豊かな文化を有したとの論考を述べた。

 世界遺産登録に向けては自然環境問題を絡めて訴えたことを説明した。宗像は近年、周辺海域の海水温度が上昇。様々な問題が生じている。葦津氏は「世界遺産登録を目指す時に、海の環境悪化は前面に出したくはないものですが、あえて率直に明かし再生に取り組む姿勢を示しました」と語る。

 取り組みの柱として紹介したのが2014年にスタートした「宗像国際環境100人会議」。海や環境をメーンテーマに各分野で活躍するリーダーや学識経験者らが環境問題の解決策を協議する会議で、これまでに東ティモール元大統領でノーベル平和賞受賞者のジョゼ・ラモス=ホルタ氏など有識者が参加している。会議開催と同時に市内中高生らを対象に真の国際人を育成するプログラムを立ち上げ、「フランス気候変動良識サミット」に高校生が招待されたことも報告した。