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アジアでも重要、Pull型サプライチェーン

株式会社野村総合研究所タイ
アジアで重要性が高まるPull型サプライチェーン
一元的なITプラットフォーム構築が不可欠に

東南アジア製造業の現場でもサプライチェーンの重要性が日増しに高まっている。これまでの『作れば売れる』『在庫は持つもの』という時代は終わり、最適化のための見直しが常態化し、環境の変化に対応できないと企業の存立を揺るがしかねない。そうした事態を解決する切り札が需要と生産・在庫の整合性を図ることで、需要に応じて柔軟に対応が可能な「Pull型のサプライチェーン」だ。野村総合研究所タイは、それを実現するための数々のITソリューションを提供する。

 「アジア事業の拡大に伴って売り上げは拡大していますが、その一方でオペレーションは複雑化し、それを効率的にマネージメントして収益性を担保することが大きな課題になっています」。野村総合研究所タイの斉藤基氏はこう話す。

 エンドユーザーの最終需要が正確につかめないまま、生産が先行して在庫と需要との乖離が生じている現象はその最たるものだ。「これは供給視線でマネージメントしていることで、生産したものを売らざるを得ないPush型の構造と言えます」(斉藤氏)。販売部門と生産部門のシステム統合が図れていないため、需要予測精度が低く、計画は過大になり、在庫は膨らむ悪循環に陥っている。

『作れば売れる』時代は終焉
Pull型のサプライチェーンを

株式会社野村総合研究所タイ
システムコンサルティング部門長
斉藤基 氏

 「『作れば売れる』『在庫は持つもの』という時代は終わりました。こうした環境の変化を読み、対応する力が必要です。具体的には、需要予測、生産計画を含む整合性のある無駄のない、全体で合意された1つの需給計画を立案することが大切です。それにより、高い生産稼働と適正在庫、機会の損失もなく、リードタイムの短縮が実現できます。需要と生産・在庫の整合性を図ることで、需要に応じた柔軟に変化するPull型のサプライチェーンが形成できます」。斉藤氏はこう指摘する。

 それを実現する第一歩が「動的サプライチェーン」という概念の導入だ。まずはサプライチェーンマネージメントを設計系、計画系、実行系の3つのレイヤー(層)に区分する。設計系とは、長期のサイクルに立ったいわば戦略策定。従来、専任の担当者が職人芸的な勘と経験を頼りに進めてきたが、それをコンピュータシステムによるモデリングやシミュレーションを経ることで、戦術段階にある計画系・実行系とITシステムのレベルで結合する。そうすることで、最適解を導き出すことができる。

 「市場変化への対応が問われる昨今、需要を起点に、納期などの様々な制約条件のもとで拠点、在庫、機能、物流経路などの最適配置を見極める“設計系”、月次・週次の販売計画・生産計画を立案する“計画系”、日々の具体的で効率よい受発注管理や在庫管理を実現する“実行系”の、各レイヤーの機能・データを連結し、短サイクルで回すことで、需要に応じて柔軟に変化する“動的サプライチェーン”を実現することが肝要です」(斉藤氏)。

 その際、最も肝要となってくるのが設計系レイヤー段階における需要の常時把握だ。変化に富んだ短期需要を的確にすくい取り、それらを遅滞なく取り入れ、新たな短サイクルを構築できるかどうかが成否のカギを握っている。

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最適なサプライチェーン網を設計
在庫最適化、リスク分析などを瞬時に

 野村総合研究所タイは、こうしたサプライチェーンマネージメントを実現するための各層のITソリューションを提供している。

 設計系業務を支える「LLamasof(t ラマソフト)」はその1つ。サプライチェーンのモデリングとシミュレーションにより、最適なサプライチェーン網を設計するための構築支援ツール。PCへのインストールを前提としたスタンドアロン型とSaaS型のアプリケーションの選択が可能で、グローバルでの活用にも適した幅広い拡張性を持ったツールだ。現実性の検証と現在および将来に向けたシナリオに基づく利益分析もでき、クラウド上ですべてのドキュメントを共有することもできる。輸送経路最適化、在庫配置最適化、リスク分析などの解が瞬時に得られることで知られる。

 米フォーチュン誌がまとめた全米収入ランキング「Fortune 500」に登場する5 0 0 社のうち、半数の企業がLLamasoftを採用する。世界に展開する著名な家具メーカーもその1社。各地域に点在する拠点にモデリングの専任担当者を配置し、きめの細かい変化に富んだ需要の把握に努めている。

 また、計画系業務ツールとして提供されている「Anaplan(アナプラン)」は世界660社を超えるグローバル企業で採用されている。Excelとメールを軸に繰り返されていたデータ入力作業では、データの連携と集計に時間と手間を要し、大きなロスが生じていた。これをクラウド環境で一元管理を図るのがAnaplanである。高速処理による拠点や部署を超えたデータのリアルタイム結合や、多彩な切り口による分析も実現した。操作性がExcelに近くこれまでの業務をイメージしたユーザーインターフェースとなっており、導入による混乱も少ない。多次元計算エンジンを兼ね備え、サプライチェーン計画・実績管理のみならず、ファイナンス、財務、人事、ITなどの予算・実績管理業務での利用実績も豊富だ。

 LLamasoftとAnaplanを連携しながら、日常的な在庫管理、受発注管理などを実施するのが、野村総合研究所がタイをはじめ、アジア地域を中心に提供する統合基幹業務システム(ERP)のクラウドサービスだ。1996年から提供を始めた「NRI ERPクラウドサービス」は、サプライチェーンマネージメントにおける実行系の機能を提供するだけではなく、そのベースとなる基礎データを蓄積し、一元管理する基盤となる。海外主要都市にサポート拠点を構え、中国やアジア地域だけでも140サイト以上の導入実績を持ち、3~6カ月という短納期での導入ができる。

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グローバル展開に対応
導入から運用まで一貫してサポート

 NRI ERPクラウドサービスでは、米国QAD社が提供するERPソフトウエアの「QAD」を採用する。最大の特徴は、グローバルな利用への対応だ。多言語(27カ国語)および多国通貨に対応するほか、国際会計基準や中国・アジア各国のローカル税制にも対応しており、海外展開する企業に適している。また、自動車、電子・電機、化学、一般消費財といった業種から、製造、販売、商社、物流といった業態まで幅広く対応していることも強みだ。パッケージとして世界約90カ国、6000サイト以上での採用実績を持つ。加えて、日系企業の海外でのITリソース不足を補うため、野村総合研究所はERPシステムの導入から運用までを、一貫したアウトソーシングサービスとして提供している。

 「アジア太平洋地域(APAC地域)市場は急速な勢いで環境が変化しています。需要に応じた柔軟な機能の配分、拠点の配置は今後の事業展開には欠かせません。そのためには、それらを的確に把握する『動的サプライチェーン』の構築が必要になります。ぜひ当社のI Tソリューションとこれまでのコンサルティング経験をご活用ください」。斉藤氏はこう言って講演を終えた。


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    FAX:03-3243-7400

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