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IoT、AI、VR。最新技術が語る未来!

企業経営は変革の波にさらされている。IoT(インターネット・オブ・シングス)、人工知能(AI)、VR(仮想現実)といったデジタル技術によってビジネスを変革・創造する動きが本格化してきた。金融界で注目を集めているFinTechはその好例だ。米国ではテクノロジーを活用した革新的な金融サービスが相次いで登場し、既存の金融機関の地位を脅かし始めた。FinTechだけではない。働き方そのものもデジタル技術によって大きく変わろうとしている。日経BP社は2017年10月11日から13日にかけてITproEXPO2017をCloudDays2017、Security2017、IoTJapan2017、FACTORY2017、デジタルヘルスDAYS2017、FinTech2017、ビジネスVR2017、ビジネスAI2017、デジタルマーケティング2017、働き方改革2017と同時開催した。3日間で延べ7万人を超えた来場者は新しいビジネスの潮流を体験した。

 人工知能(AI)とIoT(インターネット・オブ・シングズ)のビジネス適用は着実に進んでいる。リクルートとDMG森精機は、こうした新しいテクノロジーにいち早く取り組んできた。

 リクルートホールディングスの岡本彰彦氏は、「メイク&アライアンスで中長期の成長戦略を推進しています」という。メイクの中心となる組織がRecruit Institute of Technology(RIT)だ。シリコンバレーに拠点を置き、AIを中心に先端分野で研究開発活動を行っている。一方、アライアンスの面では、国内外でのスタートアップ投資を行うRecruit Strategic Partners(RSP)が大きな役割を担う。

 RITとRSPの両輪で進む取り組みは、様々な成果を生み出している。データ統合ツール群「BigGorilla」はその一つ。ビッグデータ分析で大きな課題とされるデータの前処理作業を大幅に効率化することができ、AIと組み合わせたビジネス導入が進行中だ。

 次に、世界規模で進行するIoTの最前線について、DMG森精機の川島昭彦氏が語った。「これまで、工作機械は工場内に単独で置かれ切削などの工程を担っていました。いま、その工作機械が他の工作機械や計測器など周辺の機械とネットワークでつながろうとしています」と川島氏はいう。

 そこで重要になるのが、情報環境を支えるインフラやOS、アプリケーションなどだ。DMG森精機の取り組みにおいて中核的な位置づけを与えられているのが、独自開発のOS「CELOS」だ。すでに、CELOS上で動く様々なアプリケーションがリリースされている。こうした展開を広げて、工場や工作機械のスマート化を推進していく。


 1915年の創業以来、「電動機(モーター)とその応用」を事業領域として、安川電機は100年以上にわたり産業を支えてきた。1960年代の後半には「Mechanism(メカニズム)」と「Electronics(エレクトロニクス)」を融合した「Mechatronics(メカトロニクス)」の概念を世界に先駆けて提唱している。

 そうした先端の取り組みに引き続き「現在は長期経営計画の2025年ビジョンにのっとり、安川版インダストリー4.0を推進しています」と同社の善家充彦氏は語る。2025年ビジョンでは、産業自動化革命を目指す「Mechatronics」、持続可能な社会を目指す「CleanPower」、人間の能力が生かされる社会を目指す「Humatronics」の3領域で取り組みを進めている。その中でもMechatronics分野のイノベーションの中核が産業自動化革命である。

「この取り組みを加速させる新たなコンセプトが『i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)』です。製造現場の機器・設備をすべてIoTでつなぎ、モノ売りからソフトウエアによる付加価値提供へビジネスを拡大します」

 具体的には、IoTの活用によって製造現場の機器・設備のデータを収集し、AI(人工知能)による故障予知やAR(拡張現実)を活用したメンテナンスに加え、VR(仮想現実)によるロボットへの教示などを実施。「生産性の向上、高品質の担保・維持、止まらないラインの実現や、匠の技の伝承の具体化を進めます」と善家氏は説明する。2018年に稼働する新工場にIoTを活用したソリューションを導入し、安川版インダストリー4.0を実践・検証する新しいステージが始まる。


 タイヤ業界では、新興国メーカーの台頭により、市場競争が激しさを増している。競争力強化に向け、タイヤメーカー最大手のブリヂストンはデジタル変革を急ピッチで進めている。「目指しているのは、製造業からソリューションプロバイダーへの転身です」と同社の三枝幸夫氏は語る。

 同社では製品開発・生産からアフターサービスまでバリューチェーン全体にわたりデジタル変革を推進し、革新的なソリューションも数多く生み出している。IoTを駆使した最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」はその一つだ。

 コア技術である高分子・ゴム・複合体の材料加工や生産工程の膨大な情報をビッグデータ解析するとともに、技能員が培ってきた技術・ノウハウを活用し、生産工程や品質保証の判断・動作をAIが自動的に行う。「極めて高精度なタイヤ製造が可能になり、従来製法に比べ、品質のバラツキを20%改善できました」と話す三枝氏。すでに国内外の主力工場に展開を進めている。

 センシング技術を活用した新サービスの創出にも取り組んでいる。東日本高速道路(NEXCO東日本)が高速道路の雪氷対策に導入した、世界初の凍結防止剤最適自動散布システム「ISCOS(アイスコス)」はその象徴だ。「センシング技術で路面状態を自動判別する路面状態判別システム(CAIS)を活用し、凍結防止剤の散布区間・散布量を自動制御します」(三枝氏)

 同社は今後もデジタル変革を一層推進することで、次世代を担うソリューションプロバイダーとしての成長戦略を力強く歩んでいく考えだ。