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オムニチャネル戦略の成否を決める顧客体験

オムニチャネル戦略の成否は顧客接点の強化にある
— ヌマタデザイン・アソシエイツ 沼田明美氏インタビュー —

外国人の来客が増えるなど顧客は多様化している。流行の変化も速い。そのような中で、小売業はどう対応していくべきなのだろうか。店頭における顧客とのコミュニケーションを強化して店舗の価値を最大化するVMD(Visual Merchan Dising:ビジュアル・マーチャンダイジング)の分野で日本のトップ・ランナーであり、長年、日本の多くの売り場を見続けている、株式会社 ヌマタデザイン・アソシエイツの代表取締役の沼田明美氏に、店舗の現場で起きている生々しい変化と、小売業が行うべきその対応策について話を聞いた。

潜在意識まで掘り下げて顧客のニーズを把握する

株式会社 ヌマタデザイン・アソシエイツ
代表取締役
沼田 明美

 「たとえば、アパレル店でお客様が販売員に「ほかにサイズはあるか?」と聞いたとき、販売員が「そこに出ているだけです」という応対をしていたら直接店舗で接客する意味はありません。来店したお客様には無限大の可能性がある。まずはそれに気づくべきです」と沼田氏は語る。

 インターネット通販やカタログ販売が普及する中で、リアル店舗の価値はどこにあるのか。沼田氏は「フェイス・トゥ・フェイスで話ができることが接客の重要なポイント」と指摘する。売り手側の取り組み次第で、結果は大きく変わってくるからだ。

 当たり前のことだが、お客様を“個客”として捉え、何が欲しいのかを聞き出すことによって売り上げを伸ばすことができる。しかし沼田氏は、「単にお客様の話を聞くだけではだめ。話から潜在意識まで掘り下げて、本当は何を求めているのかを聞き出すことが大事です。それが“傾聴力”です」と説く。

 今、沼田氏の活動の場は中国にも広がっている。中国でも最近は接客の重要性がクローズアップされているからだ。「“いらっしゃいませ”などというおもてなしの姿勢はもはや世界共通です。そのうえで1人ひとりのお客様のニーズをいかにして引き出し、それに合った売り方を提案できるかが勝負の分かれ目になっています。ネット販売が普及する一方で店舗での接客の意義が見直されているんです」(沼田氏)。

 実際にリアル店舗の価値を見直そうという取り組みが進んでいる。接客だけでなく、ブランディングから売り場での展開のための分類、仕入れ、店舗展開、売り場の構成やゾーニング、商品の陳列方法までもカバーするVMD。「商品化計画」を「ビジュアル=視覚化:目に見えるように」することが注目される背景もそこにある。

 大学でも講義を行っている沼田氏が、学生に好きな店や、なぜその店が好きかというアンケートをとると、その理由として多くの学生が「そのお店の世界観やディスプレイが好き」「店舗の雰囲気が良い」などが大勢を占める。決して商品だけが好きなのではない。「今、ライフスタイルを提案するショップが流行っているのは、こうした若い人たちの嗜好性が大きく影響しています」と沼田氏は分析する。そこには見逃せない消費動向の大きな変化があった。

消費動向の大きな変化、売上を伸ばしている店舗はどこが違う!?
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