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対談:一休.comを支えるクラウドの実力

ハイエンドの宿泊・レストランを予約するなら、「一休.com」。
そうした評判を勝ち得ている一休.comを支えているのが、カスタマーサービスの基盤として2013年3月から活用している「Oracle Service Cloud」だ。「一休.com」の成長は順調で、登録会員数は400万を突破している。これからのオンライン・トラベル・エージェント(OTA)に必要なものは何か。一休の佐貫駿博氏と日本オラクルの下垣典弘氏が語り合った。

宿泊に加えてレストランの予約も
登録会員数は400万を超えた

株式会社 一休
カスタマーサービス部
部長
佐貫 駿博

下垣氏 1998年7月のご創業です。ホテル・旅館予約サービスの一休.comとして知られており、2016年に入ってWebサイトをリニューアルされましたが、戦略の中心はどこにおかれているのでしょう。

佐貫氏 一休は、ハイエンドな施設や商材に特化しております。そこが、他のオンライン・トラベル・エージェント(OTA)との違いでしょうか。レストランでは年率約40%、宿泊でも約10%成長しており、登録会員数も400万を超えました。

下垣氏 レストラン予約を始められたのはいつ頃ですか。

佐貫氏 10年ほど前にスモールスタートし、軌道に乗り出したのは5~6年前からです。このほか、現在では海外ホテル予約、ビジネスホテル予約、ギフトチケット、スパ利用券なども扱っております。

下垣氏 会員ステージ制の「一休プレミアサービス」にも力を入れていますね。

佐貫氏 一休プレミアサービスは、リピート利用していただけるコアユーザーの方々への還元を目的として始めました。ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、レギュラーの4ステージがありまして、ダイヤモンド会員様には、お部屋の無料アップグレードや、タイムセールに少し早くご参加いただけるなどの特典をご提供しています。

一休.comのサイト

「ユーザーファースト」を標語に
提案による満足度向上を狙う

日本オラクル株式会社
専務執行役員
クラウド・アプリケーション事業統括
下垣 典弘

下垣氏 そうしたご躍進のバックボーンには、貴社ならではのカスタマーサービスの哲学があるのだろうと推察いたします。

佐貫氏 一休にとってのお客様は、施設を実際に利用されるユーザーです。特に何度も利用いただいている方は50歳以上の方が多く、そうした方はスマホよりPCや電話でのご利用が多い傾向が見られます。予約という行為そのものは、一瞬のことです。競争が激しいOTA業界の中で生き残るには、予約以外のところで、いかに一休のファンになっていただくかが大切だと考えています。社内では「ユーザーファースト」という単語がよく飛び交っており、「エンドユーザーを大切にしているか」という視点でサービスを構築しています。

下垣氏 お客様との接点になっているチャネル構成はどうなっていますか?

佐貫氏 予約については、コンタクトセンターを介さない、Webからのものがほとんどです。コンタクトセンターが扱う予約の中では、電話が9に対してメールが1くらい。数はぐっと少なくなりますが、ファクスやお手紙でのお問い合わせもあります。

下垣氏 どういった内容のお電話が多いですか?

佐貫氏 「予約したいんですけど……」というお電話が圧倒的です。あるいは、「Webで探したら満室だったのでどこか代替施設を探してほしい」とか。そういうお問い合わせに対してただのQ&Aではない提案力を磨き、お客様に満足いただくことが、私たちカスタマーサービス部のミッションだと理解しています。

幅広い機能と専任担当者が
コールセンターの売り上げ増に貢献

下垣氏 一休様では、カスタマーサービスの基盤として、弊社のOracle Service Cloudを2013年からご活用いただいています。

佐貫氏 私の前任者が、コンタクトセンターとマーケティングを効果的に結び付けるためのツールとして導入したと聞いております。私が着任したのは1年ほど前なのですが、その時に、Oracle Service Cloudで何ができるかを勉強してみました。「これを使えば何でもできる」と思いました。顧客対応の履歴を取ったりサーベイしたりするだけでなく、メール送信や検索をカスタマイズしたり、予約という行為の前後の全プロセスを一気通貫でデザインしたり、といった使い方もできますね。

下垣氏 ありがとうございます。コンタクトセンターでの効果はいかがですか。

佐貫氏 Oracle Service Cloud を利用したFAQの充実などにより、簡単なお問い合わせの割合がぐんぐん減っています。推定値ですが、月間平均で40%くらいは減っています。その結果、ご提案などにより多くのリソースを使えるようになり、売り上げにも貢献できるようになりました。KPIも応答率ではなく、受注率や有意義な情報をいかに提供できたか、ということに重点を置いています。

「お客様へのご提案に時間が割けるようになりました」(佐貫氏)

下垣氏 Oracle Service Cloudは、新しいサービスを実現するまでの期間短縮にもなっていますか?

佐貫氏 すごく短くなりました。新規ビジネスを小さくスタートしようというときに助かっています。例えば新サービスに合わせたインタフェースのカスタマイズなどはカスタマーサービス部の中でできますし、業務的な事柄についても日本オラクルの弊社担当の方の助言が役立っています。

下垣氏 昨年弊社が始めた、業務に精通した専任担当者である「カスタマーサクセスマネージャー」ですね。

佐貫氏 そうです。一休のビジネスモデルを深くご理解いただき、弊社が必要としているものについて的確なレコメンドを頂いています。クラウドとしての製品のみならず、購入後のお客様の視点に立ったサポートもオラクルの良さだと体感しました。

ソーシャルや画像検索との連携も
視野に、チャレンジを続けていく

下垣氏 現在のお客様はWeb、電話、メールを予約やお問い合わせに使われているとのことでした。ソーシャルメディアへの対応はどう考えておられますか。

佐貫氏 コンタクトセンターでは、SNSやチャット、特に今ではインフラ化したLINEにはこれから力を入れたいと考えています。機能面では、画像検索との連携などでしょうか。InstagramやYouTubeで見つけた素敵な露天風呂のある旅館に泊まりたい、と思われたお客様が画像を一休に送って予約するといったイメージです。一休で取り扱っている施設様でしたらそれをご紹介し、そうでない場合も、雰囲気がそれと近いところをご提案すればいいわけです。コンテンツを充実させることももちろん大事ですが、どういう情報をご提供すればお客様にとって便利になるかを第一に考えることがもっと重要だと思います。

下垣氏 旅行業の世界でも、これからはコラボレーションが重要になってくると思います。あのホテルに泊まりたいが“足”がない、航空券は取れたが宿が見つからない。企業同士がつながり、お客様とお客様がSNSで結ばれる。そうしたつながりを提供できることが、旅行業やOTAのこれからの差異化要因になるのではないかという気がします。

佐貫氏 おっしゃる通りです。弊社も今、大きな変革期を迎えております。2020年に向けてインバウンドのお客様も確実に増えることが予想されますので、これまでやってこなかったことにチャレンジする良い機会だと考え、邁進していきたいと思います。

「これからはコラボレーションがキーワードになると思います」(下垣氏)
「これからも『ユーザーファースト』の姿勢で頑張ります」(佐貫氏)
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