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成長軌道を歩むフィリピン、新政権下で経済活動が加速

今年6月に発足したドゥテルテ政権は、今年第3四半期(7~9月)に7.1%のGDP成長率を記録し、好スタートを印象付けた。外国直接投資も堅調で、2015年の外国投資総額は5年前の5倍以上の57億ドル、2016年は4月時点で80億ドルを達成。マクロ経済における安定したファンダメンタルズが投資家の信頼を獲得している。


さらなる経済成長に向けて

 世界経済が冷え込む中でも好調を維持してきたフィリピンの経済政策は、ドゥテルテ大統領が掲げた“10項目の経済アジェンダ”によって足並みが揃ったといえる。その内容は明快で、前政権が推進してきた経済政策を継承しつつ加速させるものだ。貿易産業省(DTI)次官のノラ・テラド氏は「成功軌道上にある従前の政策を踏まえて構築されたこのアジェンダはすべて実現可能なもの。これをベースにあらゆる分野の産業戦略を構築することが重要だ」と語り、雇用創出、貧困改善を含む包摂的な成長に向けた活動に意欲を示した。


明快な経済政策に基づく産業戦略

 ドゥテルテ政権の経済成長戦略として最も印象深い点を挙げるとすれば、政府が率先してファシリテーターとなり、中小企業の参入も視野に入れたビジネスマッチングやバリューチェーン構築、クラスターマネジメントを行っていることだろう。また、戦略的産業クラスターとして製造業、観光業、インフラ、農業関連産業、IT-BPMを挙げており、DTIによる投資誘致策には、クラスターごとのステップアップ目標が明示されている。
 例えば製造業では、グローバル・バリューチェーンの一員としての存在価値を向上させ、高付加価値製造業への転換を図る。また、農業関連産業では、革新的・先進的な手法の採用とサプライチェーンの強化によりグローバル競争力を高める。そしてサービス業は、質の高い人材の確保とバリューチェーンの構築により、段階的な構造改革を推進する。さらに、「インフラ支出を対GDP比5%まで増額する」とアジェンダに明記されたインフラ分野では、PPP(官民連携)を積極採用することによる事業の加速化がすでに始まっている。


事業成功を後押しする人的資源

 さらにフィリピンには、豊富な人的資源という経済成長の原動力があり、それは投資の大きな魅力でもある。日本では高齢化による労働力不足が問題視されつつあるが、フィリピン人口の平均年齢は23歳、1億人以上の人口の62.4%が15~64歳の労働年齢に属する。国連が予測する2030年の平均年齢は29歳、10年以上先の社会でも、労働力として最も頼れる層がひしめいているのだ。
 労働者の平均賃金は中国・タイ・マレーシアより安く、賃金レートも比較的安定している。英語を公用語としているため世界屈指の英語人口率を誇り、識字率・大学進学率が高いのも特長だ。


新規市場開拓の足掛かりに

 今年国交正常化60周年を迎えた日本とフィリピンは、100年以上にわたって経済協力をしてきた歴史がある。フィリピンにとって日本は、唯一の二国間協定(日本フィリピン経済連携協定=JPEPA)を締結した相手国であり、日本にとってフィリピンは、ASEANを通じて環太平洋諸国やEU加盟国、EFTA加盟国にアクセスできる絶好のゲートウェイである。
 政府と経済界が一丸となって推進しているフィリピンの国家競争力強化策は、国と投資家双方のベネフィットを追求した経済戦略でもある。成長の伸びしろが大きい地方開発を含め、全国レベルでビジネス環境の整備が進められているフィリピン。投資促進機関が提供するインセンティブにも注視し、グローバルビジネスを拡大するこのチャンスを活用していただきたい。


フィリピンは、経済成長が著しいASEAN諸国との自由貿易ルートが確保されている。


DTI
(Department of Trade and Industry)
  dti.gov.ph


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Invest Philippines
  investphilippines.gov.ph




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