• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
日経ビジネスONLINE Special 週刊日経ビジネスオンライン SPECIAL日経ビジネスオンライン

富士通が実践する「働き方改革」とは

生産性向上だけではなく社員の意識変革という効果も

 トライアルとワークショップ、そしてビジョンの可視化を経て、2017年4月にテレワーク勤務制度の全社展開がスタート。ここで重視したのが、制度の意義を理解してもらうことだと佐竹氏はいう。「制度そのものはツールに過ぎません。それが何のために活用できるのか、それによって会社が何を目指しているのかを理解してもらうことが必要です。そのための説明会を徹底的に行いました」。

 説明会は、約150ある各本部の幹部社員を中心に、Web会議などのICTツールを活用しながら実施した。説明会では、働き方改革で何を目指すのか、その一環としてテレワーク制度をどのように活用できるのかを伝えた。さらに全社員に向けては約20分の動画を公開した。各本部ではこのような説明会を受けた後、どのような方針で制度を活用するかを本部毎に活用計画を立てたうえで、制度の活用が開始されたのである。

トライアルのアンケート調査結果のグラフ
[画像のクリックで拡大表示]
トライアル参加社員を対象にしたアンケート調査の結果。「生産性が向上した」が6割。テレワークによる生産性向上には、アウトプットや計画性に対する意識向上も必要になるという

 それではこの制度の導入によって、どのような効果を期待しているのか。まずは、外出先からオフィスに戻らなければならないというムダをなくすことで、効率的な働き方を実現することや、育児や介護で悩んでいる方が、仕事との両立を可能にすることで、多様な人材の活躍を通じて生産性が高まることにも期待しているという。では実際に、どの程度生産性は向上するのか。トライアルに参加した社員を対象にしたアンケート調査によれば、6割が「生産性が向上した」と回答しており、低下したという回答はごく僅かだったという。

 期待できる効果はこれだけではない。計画的に働く意識や、アウトプットを重視する意識が高まったという社員も増えたという。漫然とオフィスにいるのではなく、何がアウトプットとして求められているのか、そしてそれをいかに効率的に生み出していくのかを考える傾向が、高くなっているのだ。

 今後の重要課題は、これを継続していくこと。「富士通には、目の前に部下がいるのが当たり前という日本企業のカルチャーが染み込んでおり、これを変えるのは決して簡単ではありません」と佐竹氏。このような状況から、自分やチームにとって最も生産性の高い場所を選んで、効率的、効果的に働くという状態に時間をかけてシフトしていこうとしている。そのためには従業員が使いやすい制度・仕組みにしていく必要がある。3カ月に1回の頻度でクイックサーベイ(簡易調査)を行い、問題を早期に見つけ出して解決する取り組みを行っていくという。

 そして最後に、佐竹氏は次のように語る。

「働き方改革自体は、本質的に組織風土改革であるため一朝一夕に実現するものではありません。全社のカルチャーを変えるためには、ビジョンをわかりやすい形で示し、各職場/個人が納得感をもって主体的かつ前向きに働き方改革に取り組んでいくことが重要です。」と佐竹氏は語る。

お問い合わせ