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AIで人が介在しない人材マッチングを実現

少子高齢化問題は労働人口の減少を招き、それは製造業を支える技術者にも影響を及ぼす。メカ・エレ系の技術者派遣をメインに事業を展開してきたフォーラムエンジニアリングでは、将来のビジネス環境の変化を見据え、AI活用によるビジネスモデル変革を進めている。人材マッチングの現場に統計解析の手法を取り入れ、そこでIBM Watson(以下、Watson)を活用しようというものだ。これにより、労働集約型のビジネスからの脱却を目指している。「人材」はどの組織にも共通する資源ゆえ、業種を問わず、参考になるのではないだろうか。

経営環境の変化に備え、営業活動の効率化を図る

株式会社フォーラムエンジニアリング
取締役
竹内 政博

 現在、日本の労働人口は約6000万人。そのうちフォーラムエンジニアリングのターゲットであるメカ・エレ系の技術者は約60万人とみられる。また、製造業への入職者数は右肩下がりで減少し続け、これからも増える見込みはない。

 30年以上にわたって技術者派遣業大手として業績を伸ばしてきたフォーラムエンジニアリングにとってこの状況は他人事ではない。同社がターゲットとする技術者マーケットそのものが縮小することになるからだ。

 「当社のビジネスモデルは労働集約型で生産性は高くなく、根本的な業務改革を断行する必要があると考えました」と同社の取締役の竹内政博氏は語る。

 技術者を派遣する同社にとっては、生産設備を所有する製造業の事業所が主な顧客になる。ニーズに合った技術者を派遣するには、実際に営業マンが設計や開発の現場に出向いて打ち合わせをしなければならない。しかし、その多くは都市部から離れた郊外にある。訪問には時間がかかり、営業効率は悪くなる。

 「売上を伸ばすために1社あたりの派遣数を増やすというアプローチもありますが、技術者一人ひとりに合った職場に派遣したいという当社の考え方とは相容れません。そこでICTを使い、営業効率を上げようと取り組んできました」(竹内氏)

 営業効率を上げる究極の姿は、顧客のところへ行かず、直接会うことなくマッチングを成立させることだ。そこで同社は5年前から顧客にiPadを渡し、テレビ電話による営業や業務確認をトライアルで実施すると同時に、技術用語のデータベース辞書の開発に着手した。

 「いずれはAIと会話しながらスキルマッチングを進める時代が来るはずです。それを実現するためには、システムが言葉の意味だけでなく相関関係を含めて理解できなければなりません。そこで、技術者が使う言葉の意味を踏まえてツリー構造化し、技術の世界の全体像を把握できるデータベースを構築しておき、来たるべき日に備えようと考えたのです」と竹内氏は独自の辞書開発の背景を語る。

技術用語のデータベース辞書(いわゆる「コーパス」)
[画像のクリックで拡大表示]

 しかし、この“来たるべき日”は意外に早く訪れた。それが、Watsonである。2015年5月、Watsonに日本語の自然言語処理機能が追加されると聞いた竹内氏はすぐに飛びついた。人材マッチングにWatsonを使うという日本初のプロジェクトが動き出した瞬間である。

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ゴールから機能を割り出し、利用できるITで実装

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