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ゼンリン、空間情報データビジネスを拡大

2018年に創業70周年を迎えるゼンリンは、これまで地図データを様々なシーンに提供することで成長してきた。現在は事業別、目的別に管理されていたデータベースを統合した「時空間データベース」を構築し、さらなる成長を目論む。その新しい展開のカギを握るのが、自社の保有するデータを安全かつ利便性を高めた状態で社外に公開し、他者による活用を促すAPIの整備だ。同社にとってのデータビジネスの位置づけとAPIの活用について話を聞いた。

常に先行投資をしながらシェアを拡大してきた

株式会社ゼンリン
執行役員 事業企画本部 本部長
松山 稔氏

 これまでの同社のビジネスは大きく2つに分けられてきた。住宅地図データベース事業とナビゲーション地図データベース事業だ。住宅地図データは建物や家の名前が入ったもので、冊子やデータ製品、サービスを通して官公庁や不動産業界、建設業界などに提供されてきた。

 一方のナビゲーション地図データは、目的地の検索、経路探索、誘導などの機能に必要となるデータであり、カーナビや、最近ではスマホでも利用されている。大手ネット企業が提供する地図サービスの日本地図は、多くはこの地図データをベースとしている。

 各社がゼンリンの地図サービスを利用しているのは、同社が全国市町村をカバーする詳細な地図情報を持ち、更新し続けているからだ。時代とともに方法は変化しているとはいえ、ベースには一軒一軒、スタッフが歩いて調査するという地道な活動がそれを支えている。同社の執行役員 事業企画本部 本部長の松山稔氏は「すべて自社でやるというモデルでビジネスを展開してきました。もちろんコストはかかりますが、それが参入障壁になっています」と語る。

株式会社ゼンリン
事業企画本部 専任部長
高木 和之氏

 こうした労働集約型で高コストのビジネスが効率的に収益を生むための前提となるのが、地図情報のデジタル化だ。デジタル化されているからこそ、カーナビで地図情報を活用することができ、インターネットの地図サービスでも利用されてきた。同社のプリントメディアの売り上げとデジタルメディアの売り上げが逆転したのは2000年代中ごろで、十数年も前のことだったという。

 「住宅地図を電子化したのは1984年です。カーナビが始まったのは1990年。実に6年という短い期間でした。電子化を検討した当時は現在のように購入できるシステムもなく、整備システムを自社開発するなど大きな投資が必要でしたが、それが新たなビジネスへとつながりました」と、事業企画本部 専任部長の高木和之氏は話す。

 地図データベースで高いシェアを獲得している背景には、デジタル時代を先取りした先行投資があった。「今でもデータベース整備システムは自社開発のものが中心です。自社でコントロールできる領域が広いからこそ、時代のニーズの変化に柔軟に対応できたのです」(高木氏)。

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外部へのデータ提供を強化するためにAPIに注目

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