スピード経営に不可欠な事業基盤とは

──ランサーズでは、どのようにプロジェクトなどが行われているのでしょうか。

ランサーズ株式会社
コーポレート部 部長 公認会計士
山本 修一 氏

インターネット企業であるランサーズは、人が部署をまたいで行き来し、プロジェクトベースで作業を進めることが日常的に行われています。とはいえ、企業として、ガバナンスやレポートラインもある程度なければ、事業をうまく進めることはできません。部門横断的に損益計算書(PL)が作られるようなセグメントもあるので、管理がマトリックス構造になりがちであることは、以前から課題となっていました。

──経営判断の迅速化や属人的なワークフローを改善するために、クラウド型の経理システムを求めていたそうですね。以前はどのようなシステムを使われていたのでしょうか。

以前は、オンプレミス型の中小企業向け会計パッケージを使っていました。しかし、従業員が150名を超える(2017年4月現在160名)ようになり、取引量が増加するなかで、求めるシステムも変化しました。我々は、お客様からお金をお預かりして、ランサーさんと呼ぶユーザーとマッチングさせています。

サービスの根本である信頼性を確保するためには、財務の信頼性の担保も必要不可欠です。また内部統制という視点でも、経営層が精緻に事業判断するための基礎データをいつでも提供できることも重要なポイントでした。以前利用していたパッケージでは、細かい情報を出すことができず、例えば複数の部署にまたがるプロジェクトなどにおいて、ワークフローを設計することが難しいという課題がありました。

──事業にも深くかかわる会計部門として、どのようなシステムが必要だとお考えになったのでしょうか。

我々の会社は、複数のSaaS型のコミュニケーションツールを使って外からでも密に連携し、スピード感を持って事業を進める文化を持っています。いわゆる管理部門であるコーポレート部も例外ではありません。単に帳簿を締めるだけでなく、事業側に入り込んで、会計処理の方法を上流から考えるようにしており、自分の席にいることは比較的少ないと思います。

迅速な意思決定をするうえで、紙に打ち出した帳簿を見るために、わざわざ席を移動しているようでは、非効率でストレスもたまります。クラウドベースのシステムであれば、いつでもどこでも正確な数字を確認しながら意思決定することができると考えました。事業側が高速でPDCAを回しているなかで、コーポレート部が守りの姿勢では、スピード経営をできません。属人化されないオペレーションが実現できるという点も重視しました。

──システムを入れ替えることで、管理部門の働き方も変えていく必要があると考えたのですね。

はい、まさにその通りです。我々は、「テクノロジーで誰もが自分らしく働ける社会をつくる」というビジョンのもと、フリーランスの方に「働き方の多様性」を提供することが使命となっています。我々自らがそれを体現しなければ、真によいサービスを提供できないと考えています。経理の業務ひとつとっても、伝票を切るために紙に埋もれて働いているような状況ではなく、画面ですぐに確認でき、経営層が意思決定に注力できるような環境づくりを意識しました。一般的な経理の仕事に留まらず、事業側とのコミュニケーションの時間を増やすことで、チームとしての生産性を高めることができると考えています。

Azure上で勘定奉行を利用する理由

──今回、協立情報通信の支援でシステムを構築されたそうですね。どのような経緯だったのでしょうか。

信頼している他のベンチャー企業のCFOから、協立情報通信が提供するMicrosoft Azureベースの勘定奉行が魅力的であると話を伺い、興味を持ったのがきっかけです。私自身、それまで勘定奉行は中小・中堅企業向けのパッケージというイメージを持っていましたが、協立情報通信からご提案いただくなかで、成長企業においても有効なシステムであると知りました。さまざまなモジュールを組み合わせ、ERPのように使える拡張性についても魅力的でした。

──Azure上で勘定奉行を使うことで、どのようなメリットが生まれていますか。

財務会計で帳簿をインプットすれば、人手を介さなくても、そのまま管理会計でアウトプットできることが大きなメリットです。アウトプットの質とスピードが格段に上がり、経営層への報告が迅速に行えるようになりました。導入以前は、月次が締まってから数日かかっていたアウトプットを、月次の締めと同時に出せるようになったことは非常に大きいと思います。

また、Microsoft Azureであれば、インフラエンジニアの手を煩わさずに管理が行えることも大きなメリットだと考えています。オンプレミスの場合は、ビルのメンテナンスなどで計画停電があるたびに、インフラエンジニアなどが休みに出勤して、準備や復旧後の動作確認を行う必要がありましたから。

──新規事業を推し進めるランサーズだからこそ、今回のシステム変更は重要だったのですね。

新規事業において重要なのはスピード感と見える化、であると考えています。成功だけでなく、失敗についてもいかに迅速に見える化し、経営層がいち早く正確な数字をもとに意思決定できるかが重要です。プラットフォームがMicrosoft Azureになることで、経営層や事業側がいつでもどこでも数字を確認できるようになり、障害などを気にすることなく運用することができるようになりました。今後は、属人化されていた工数をチームで平準化し、さらなる働き方改革を進めることで、その精度を高めていきたいと考えています。

内部統制の面においても、監査法人に監査されたときに評価頂ける環境づくりを目標にしており、徐々に近づいていると感じています。

──今後の展望について教えてください。

管理会計の枠組み1つ取っても、環境の変化が激しいIT業界は、経営層が見たい数字自体も頻繁に変わります。アウトプットにおいても、一度決めたことを定常的に回すだけでは経営層のニーズに追いつけません。協立情報通信のアドバイスやTIPS、事例やナレッジなども共有いただきながら、事業環境を強化していければと思います。ランサーズとしては、その人に合った働き方を提供できるサービスを少しでも多く提供し、成長していければと考えています。

協立情報通信株式会社
執行役員 経営情報ソリューション部
部長 濱村 修 氏

本当にお客様の事業に役立つ
システムの実現を目指して

我々は、OBC奉行シリーズを30数年にわたり取り扱っております。単にソフトやインフラの環境を構築するだけでなく、お客様の業務をしっかりと理解し、お客様毎の業務運用を提案させていただくことが強みです。

お客様が情報活用を通じて、価値を創り出すお手伝いをするのが、当社の務めと感じています。また、Microsoft Azureは、情報システムの基盤となるプラットフォームとして、最も安定し、将来性のあるサービスだと考えています。マイクロソフトのパートナーだからではなく、お客様の運用を真剣に考え、他のサービスとの連携や拡張性、将来性を勘案し、No1のクラウドサービスとして、自信をもってAzureをご提案しています。

協立情報通信では、東京都中央区八丁堀に情報創造コミュニティー(東京都中央区八丁堀2-23-1 エンパイヤビル2F TEL:03-3551-2931)を開設しており、マイクロソフトソリューションスクールをはじめ、最新のマイクロソフトクラウドソリューション、奉行シリーズをベースにした業務システムや通信システムなどの、インフラ関連の融合活用のセミナーなどを行っています。最新のテクノロジーに実際に触れ、活用効果を体感できる場となっていますので、ぜひ一度お越しください。

情報創造コミュニティーには5つのデモンストレーションコーナーとソリューションスクールを常設。
企業の情報と人材を活性化するための交流と学びの「場」になっている。

協立情報通信株式会社
経営情報ソリューション部
経営情報コンサル営業グループ
永橋 永徳 氏

拡張性の高さが
勘定奉行のメリット

ランサーズ様は、会計システムを中核に、その先につながる人事・労務系のシステムや、販売・仕入系の基幹システムの全体効果を求めていらっしゃると感じていました。我々が提案する勘定奉行の魅力は、上場企業でも数多く採用されている実績と人事や販売仕入などの充実したラインナップ、またOBC製品に連携するソリューションシステムが非常に多くあるところです。

運用における信頼性はもちろん将来的な拡張性をランサーズ様は重視されていましたので、ご要望に応えるにあたり自信をもってMicrosoft Azure上で勘定奉行をご運用頂く提案を致しました。我々の提案をご採用頂けたことを大変うれしく思います。

システム導入の過程において、Microsoft Azureをご採用頂いたことにより、ハード調達や設定作業短縮ができたのでスピードを必要とするプロジェクトニーズにも応えられたと感じています。またランサーズ様が社内でお使いのSaaS型のコミュニケーションツールを利用させて頂き、情報交換を行ったことが、印象に残っています。

プロジェクト進行がスムーズに行え、先進的な企業文化をもっておられると実感致しました。クラウドベースでの環境構築とコミュニケーションによって教育を含めた導入のご支援をスムーズに行えたと考えています。今後もお客様のクラウドインフラ、ソフト、業務、活用をトータル的にサポートし、お客様のご運用をしっかりとご支援してまいります。