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20年後の“あるべき姿”を描く 「沖縄21世紀ビジョン」
20年後の“あるべき姿”を描く 「沖縄21世紀ビジョン」
沖縄県商工労働部 産業振興統括監 玉那覇 靖氏

沖縄県によるITへの取組は、1998年に策定された「沖縄県マルチメディアアイランド構想」から始まった。これは沖縄がマルチメディアにおけるフロンティア地域となり、21世紀の新産業創出と高度情報通信社会の先行的モデルの形成を目指すものだった。

沖縄県商工労働部 産業振興統括監 玉那覇 靖氏

「沖縄はアジアに最も近い経済特区であり、沖縄を拠点にアジアへ展開する、アジアから活力を取り込む拠点として、戦略的に施策を推進しています」と沖縄県商工労働部産業振興統括監玉那覇氏が語るように、沖縄県は日本で一番アジアに近いという地政学的な強みを活かし、ITを中心とした産業振興と企業誘致に大きな力を注いでいる。

歴史をさかのぼると、1998年当時の沖縄県の失業率は本土の2倍(若年層に至っては10%)となっており、雇用の創出が大きな課題となっていた。そこで沖縄振興計画として「情報通信産業振興計画」が策定・推進され、コールセンターの誘致や集積が進み雇用環境が大きく改善した。さらに攻めの施策として策定されたのが「沖縄21世紀ビジョン」。

「県では、2010年に沖縄の20年後のあるべき姿を描いた『沖縄21世紀ビジョン』を策定し、情報通信関連産業を観光と並ぶリーディング産業と位置づけ、沖縄を日本とアジアを結ぶ『ITブリッジ』の拠点として、国内外からの企業立地促進、産業の高度化・多様化、人材の育成・確保、情報通信基盤の整備などに取り組んでいます」と沖縄県商工労働部情報産業振興課課長盛田氏が語るように、成長著しいIT産業とアジアのダイナミズムを取り込むために様々な施策が展開された。

沖縄県商工労働部 情報産業振興課 課長 盛田 光尚氏
沖縄県商工労働部 情報産業振興課 課長 盛田 光尚氏

こうしたIT関連産業の順調な成長だけでなく、沖縄のリーディング産業である観光産業も順調に成長している。

那覇空港は国内有数の航空路線数を有しており、国際航空路線についても、台北、ソウル、香港など主要なアジア都市とデイリーでつながり、LCCの新規就航も続く。国内外観光客数は順調に増加し、昨年はついに800万人を超え、うち200万人が外国人観光客だ。2020年の供用開始に向けて2本目の滑走路増設も始まり、今後も受入増加を見込んでいる。

「沖縄は“100分の1経済”といわれており、国内外から観光客が集まることから、テストマーケティングに最適な土地として多くの企業に活用いただいている。これからはアジア向けのテストマーケティングや、海外向けにアニメなどの優れたコンテンツの配信、アジア向けあるいは国内向けのビッグデータの収集に沖縄を活用してもらうことを考えています」と玉那覇氏は語る。

アジア有数の情報通信に関するスマートハブを目指して
アジア有数の情報通信に関するスマートハブを目指して

では、沖縄のIT基盤の現状はどうか。

「沖縄が国際的に競争力のあるアジア有数の情報通信ハブ、つまりスマートハブになることは、沖縄県が自立型経済を目指すうえで必要不可欠」と盛田氏。県ではIT企業の集積と、それをけん引するためのクラウド基盤の構築を進め、そして完成したのが「沖縄クラウドネットワーク」だ。


沖縄クラウドネットワークイメージ

この情報通信基盤は、本島内の主要データセンター(DC)など6カ所をシームレスに高速光回線で接続し、1つの巨大なクラウドDCとなって機能することで、沖縄のDCのさらなる価値向上を実現。さらに、2016年3月には既に沖縄本土間に敷設されている5本の海底ケーブルに加え沖縄を基点として首都圏・香港・シンガポールへと接続される国際海底光ケーブル「沖縄国際情報通信ネットワーク」の供用開始により、これまで課題であった首都圏・アジア向け通信料の大幅な圧縮に成功し、“沖縄と首都圏” “アジアとの中継” “沖縄とアジア”の多様な利用形態を提供し沖縄のDCを拠点とした企業の海外展開を後押しする。

特に沖縄は、潤沢で安定した電源供給環境を有していることからDCの拠点としては、最適の立地条件を有する。

まさに沖縄が日本とアジアを結ぶ国際情報通信ハブとなる。その構想を実現するために生まれた沖縄県下のデータセンターは、それぞれユニークな特色を備えており、利用価値において他地域のデータセンターとは一線を画すであろう。

*役職は2017年2月当時

沖縄情報通信センター 沖縄データセンター:ODC

沖縄県が掲げる「沖縄県21世紀ビジョン」の実現に向けて、県の施設として2015年に竣工した沖縄で最も新しい公設民営型のDCだ。運用を担う沖縄データセンター(ODC)は、県内の主要金融機関やSI企業など16社の出資によって設立された“オール沖縄”の会社で、沖縄、本土、アジアを新しいビジネスでつなぐ土台となるべく、オープンソースを活用したクラウド基盤「ゆいまーるクラウド」と、最新のデータセンター設備によるハウジングという“ハイブリッド”のサービスを提供している。最先端の空調システム「スマートストリーム」をはじめ、2つの回線によるマルチキャリアの採用や無停電電源装置の冗長化、高度なセキュリティー体制など、安心・安全への対策も万全だ。

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FRTデータセンター ファーストライディングテクノロジー

沖縄電力の子会社として15年の実績を持つDCであり、安定した電力供給体制が最大の強みとなっている。隣接する牧港火力発電所内の変電所と、近くの別の変電所からの2つの地中ルートで電力が供給されているため、供給信頼性は極めて高い。もともと沖縄電力本店の指令基地的な立地でもあり、バックアップも含めた電源のセキュリティーと供給体制には絶対的な自信を誇る。また、沖縄のDCとしては珍しく東京に営業拠点があり、100社強の顧客のうち関東圏が6割を占める。マルチキャリア、マルチベンダーの自由度の高さに加え、近く開通する湾岸道路によって那覇空港からのアクセスが向上するため、今後、DCとしての利便性はさらに向上しそうだ。

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名護みらい2号館 クオリサイトテクノロジーズ

同社では現在、名護と宜野座の2カ所でDCを展開。共に行政の施設なので、初期投資のみならず設備の増強なども行政負担で対応してもらえるため、そのコスト分を提供するサービスの料金に反映できるのが、両施設に共通する大きな強みになっている。個別の特長としては、名護DCは金融機関のシステムを扱えるFISC基準に準拠したDCであり、ミッションクリティカルなシステムの利用実績も多い。一方、宜野座DCは名護よりもさらに設備利用料が安いため、ベンチャー系や事業のスタートアップなど、小規模利用を希望する顧客にも対応。同社の顧客はほぼ首都圏の企業で、西東京市にある関連会社の持つ最新のDCのバックアップ先として活用している企業も多い。

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宜野座サーバーファーム NTTビジネスソリューションズ

宜野座村が運営する「宜野座村ITオペレーションパーク」内にあるこのDCは、昨年12月に県内企業初となる「事業継続マネジメントシステム(BCMS)」の国際規格の認証を取得。これによって災害時におけるファシリティーの堅牢(けんろう)さと、人を含むソフト面でも事業継続が可能だと認証された。また、ハウジングラックに入るまでに6階層の高度なセキュリティーシステムを設け、最新の3D顔認証システムも導入されている。DCにとって電源の確保と並んで重要なのが回線だが、NTT西日本の回線を最寄りの中継局から全区間地下配線にすることで、自然災害に対する堅牢性を高めている。NTTグループの企業としては珍しく、キャリアフリーという点も見逃せないポイントだ。隣接する第2サーバーファームは事務棟として提供されており、常駐型のシステム運用を行う際に大きな利便性を提供する。

地理的にアジアと本土の中間地点にある沖縄DCは、“本土向け”・“アジア向け”・“アジアとの中継”など多様な用途に利用できる。その価値と需要はますます高まり、これまでのバックアップ中心の利用イメージから大きく変貌しつつある。
各DCとも見学は随時可能だ。また、5月10日から東京ビッグサイトで開催されるクラウドEXPOには沖縄県ブースとして出展する。沖縄のDC利用について認識を新たにする、またとない機会となるだろう。

沖縄情報通信センター 沖縄データセンター:ODC

沖縄県が掲げる「沖縄県21世紀ビジョン」の実現に向けて、県の施設として2015年に竣工した沖縄で最も新しい公設民営型のDCだ。運用を担う沖縄データセンター(ODC)は、県内の主要金融機関やSI企業など16社の出資によって設立された“オール沖縄”の会社で、沖縄、本土、アジアを新しいビジネスでつなぐ土台となるべく、オープンソースを活用したクラウド基盤「ゆいまーるクラウド」と、最新のデータセンター設備によるハウジングという“ハイブリッド”のサービスを提供している。最先端の空調システム「スマートストリーム」をはじめ、2つの回線によるマルチキャリアの採用や無停電電源装置の冗長化、高度なセキュリティー体制など、安心・安全への対策も万全だ。

FRTデータセンター ファーストライディングテクノロジー

沖縄電力の子会社として15年の実績を持つDCであり、安定した電力供給体制が最大の強みとなっている。隣接する牧港火力発電所内の変電所と、近くの別の変電所からの2つの地中ルートで電力が供給されているため、供給信頼性は極めて高い。もともと沖縄電力本店の指令基地的な立地でもあり、バックアップも含めた電源のセキュリティーと供給体制には絶対的な自信を誇る。また、沖縄のDCとしては珍しく東京に営業拠点があり、100社強の顧客のうち関東圏が6割を占める。マルチキャリア、マルチベンダーの自由度の高さに加え、近く開通する湾岸道路によって那覇空港からのアクセスが向上するため、今後、DCとしての利便性はさらに向上しそうだ。

名護みらい2号館 クオリサイトテクノロジーズ

同社では現在、名護と宜野座の2カ所でDCを展開。共に行政の施設なので、初期投資のみならず設備の増強なども行政負担で対応してもらえるため、そのコスト分を提供するサービスの料金に反映できるのが、両施設に共通する大きな強みになっている。個別の特長としては、名護DCは金融機関のシステムを扱えるFISC基準に準拠したDCであり、ミッションクリティカルなシステムの利用実績も多い。一方、宜野座DCは名護よりもさらに設備利用料が安いため、ベンチャー系や事業のスタートアップなど、小規模利用を希望する顧客にも対応。同社の顧客はほぼ首都圏の企業で、西東京市にある関連会社の持つ最新のDCのバックアップ先として活用している企業も多い。

宜野座サーバーファーム NTTビジネスソリューションズ

宜野座村が運営する「宜野座村ITオペレーションパーク」内にあるこのDCは、昨年12月に県内企業初となる「事業継続マネジメントシステム(BCMS)」の国際規格の認証を取得。これによって災害時におけるファシリティーの堅牢(けんろう)さと、人を含むソフト面でも事業継続が可能だと認証された。また、ハウジングラックに入るまでに6階層の高度なセキュリティーシステムを設け、最新の3D顔認証システムも導入されている。DCにとって電源の確保と並んで重要なのが回線だが、NTT西日本の回線を最寄りの中継局から全区間地下配線にすることで、自然災害に対する堅牢性を高めている。NTTグループの企業としては珍しく、キャリアフリーという点も見逃せないポイントだ。隣接する第2サーバーファームは事務棟として提供されており、常駐型のシステム運用を行う際に大きな利便性を提供する。

地理的にアジアと本土の中間地点にある沖縄DCは、“本土向け”・“アジア向け”・“アジアとの中継”など多様な用途に利用できる。その価値と需要はますます高まり、これまでのバックアップ中心の利用イメージから大きく変貌しつつある。
各DCとも見学は随時可能だ。また、5月10日から東京ビッグサイトで開催されるクラウドEXPOには沖縄県ブースとして出展する。沖縄のDC利用について認識を新たにする、またとない機会となるだろう。

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