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生産性・セキュリティーを高めるWaaS

吉谷 清 氏
横河レンタ・リース
専務執行役員
システム事業本部長 兼 営業本部長
吉谷 清

働き方改革を目指す企業が増えている。一人ひとりの従業員が、自分に合わせた働き方の中で生産性向上を目指す。そこで、重要なカギを握るのが、優れたクライアント環境の存在だ。この分野で、横河レンタ・リースが提案するソリューション・コンセプトは「WaaS(Workspace as a Service)」である。同社は、単なるハードウエア提供としてのレンタル事業ではなく、様々なサービスを付加することでクライアントPCに関するワンストップソリューションを実現。各種ソリューションを組み合わせて、企業にとって最適なクライアント環境の構築と運用をサポートしている。

 「働き方改革」を推進する政府の動きもあって、企業の働き方改革への関心が高まっている。会社の中だけでなく、外出先や自宅でも柔軟に仕事ができる環境を整え、生産性アップを目指す--と言えば耳障りはいいが、ITを使ってそれを実現するには、いくつかの課題も浮かんできてどのように進めたらいいのか、企業の中には迷っているところもあるのではないだろうか。

 「多くのユーザーが日々使っているクライアント環境は、個人の生産性に大きな影響を与えます。それにはセキュリティーがしっかりしていて、社内のコミュニケーションを強力にサポートするものでなければなりません」と語るのは、横河レンタ・リースの吉谷 清 氏である。同社には今、働き方改革を目指す企業からの相談も増えているという。

 モバイル端末やノートPC、デスクトップPCといった多くのクライアント環境を使い分け、いつでもどこでも仕事をするということは、それだけセキュリティーのリスクにさらされるので、より堅牢な対策が必要になる。とはいえ、制限を掛け過ぎるとユーザーの使い勝手が失われるというトレードオフの関係がある。

 もう一つの課題は管理コストの増大だ。現状でもIT資産管理としてクライアント環境を管理することは大変な労力が必要になる。減価償却や、OSのアップグレードなど、社外にも持ち出されたクライアント端末も含めて管理しなければならない。

クライアント環境の課題を解決する
「所有から利用」を生かしたソリューション

 これらの課題に対して、吉谷氏は「クライアント端末のレンタルを交えたソリューションによって解決できます」と強調する。同社はレンタルサービスで30年近い経験を持ち、数千社に対してPCおよびワークステーションをレンタル、提供台数の総計は数十万台に上る。同社のレンタル事業の豊富なノウハウと、各種管理ツールを組み合わることによって、働き方改革に向けた総合的なクライアント環境ソリューションを提供しようとしている。そのコンセプトが「WaaS(Workspace as a Service)」だ。

 「すでにサーバーマシンやその上で動く基幹業務アプリケーションは、クラウド・コンピューティングに移行して、月額課金モデルが主流になりつつあります。クライアント環境もまた自社の資産として保有するのではなく、レンタルという月額課金モデルに注目する企業が増えています。これは“所有から利用へ”というより大きな潮流の一環なのです」と広い視野から語る。そのメリットは、単なる経費削減の問題というより、クライアント環境の管理・運営をWaaSというコンセプトに基づくソリューションに委ねることだ。

VDIに比べ低コストで導入・運用できる
データレスPCに移行する企業も

 横河レンタ・リースのビジネスはハードウエアのレンタルから始まり、守備範囲を広げてきた。そのソリューションポートフォリオは、デバイス運用管理をサポートするプラットフォーム「Simplit Manager」とレンタルPCを組み合わせたサービス、これに「Flex Work Place」というデータレスPCのソリューションを提供することで、セキュリティー対策、生産性アップ、運用管理とコスト削減を実現するものだ(図1)。

図1●WaaSのソリューション・コンセプト
図1●WaaSのソリューション・コンセプト
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 個々のソリューション開発を支えているのが、同社のエンジニアリング部門だ。レンタル事業と技術者集団の組み合わせが、同社のユニークな強みを形作っている。以下では、WaaSの構成要素について具体的に説明しよう。

 まず、データレスPCを実現するFlex Work Place。データレスPCは、その名の通りデータを持たないPCである。データはクラウド上のファイルサーバーに格納され、ユーザーが必要なときにPCのメモリーにロードして利用する形態。ローカルにデータを置かないので、高いセキュリティーを確保できる。WindowsのActive Directoryを使って認証をして異なるマシンでも自分のデータを呼び出せる。また、スマートフォンや他のユーザーとの共有も可能だ。VDI(仮想デスクトップインフラ)と似ているように見えるかもしれないが、アーキテクチャーは大きく異なる。

 「VDIはサーバー上に仮想マシンを立てて、その画面をクライアントが見に行く形です。構造上、サーバーやネットワークへの負荷は大きくなります」と吉谷氏。従って、サーバーへの初期投資は重くなり、始業時間などにネットワークが渋滞するケースも多い。VDI導入企業の中には、朝9時前後にPCを立ち上げるときユーザーが何分も待たされるといったケースも珍しくないようだ。また、VDIは運用に当たって専門技術の習得も必要になり、トレーニング経費も考慮しなければならない。これに対して、Flex Work Placeは低コストで導入できる。「初期コストと運用コストを合わせると、Flex Work Placeは一桁安い価格で導入可能」(吉谷氏)とコスト上の優位性が強みだという。

PCライフサイクルをトータル支援する
クラウドサービス「Simplit Manager」

 レンタルするPCをPCライフサイクルの観点から支援するのが「Simplit Manager」だ。同社は以前からハードウエアのレンタルだけでなく、キッティングやヘルプデスクなどの付加サービスも提供してきた。ただ、最近は「PCライフサイクル全体を効率化したい」というニーズも高まっている。そこで同社が2016年11月にリリースしたのが、Simplit ManagerというPC運用管理のBPOクラウドサービスである(図2)。

図2●Simplit ManagerはPCライフサイクルの観点からPCをはじめとするデバイスの運用管理をするBPOクラウドサービスだ
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 「IT資産管理ツールを導入している企業は少なくありません。ただ、十分に使いこなしていない企業も多い。また、PC管理が属人化しているという悩みもよく聞きます。こうした課題を解決し、PCなどクライアント端末の資産管理、運用管理のライフサイクル全体をサポートするのがSimplit Managerです」と吉谷氏は説明する。

 Simplit ManagerのPCライフサイクルにおける役割を示した。PC導入時の計画・調達フェーズでは、申請・承認・手配をサポートしワンストップの管理を実現。その後の導入、運用、リプレースまでをクラウド上で管理することができる。そしてレンタルサービスを活用すれば、こうした管理業務を横河レンタ・リース側にアウトソースすることもできる。レンタルではなく、PCを購入する場合でもSimplit Managerを使えばIT部門の運用管理負荷は大きく軽減される。

 その他にもWaaSのコンセプトはより充実したものになりつつある。その一例が、「WosMo(Workspace on NifMo)」。SIMフリーのデバイスにニフティが提供するNifMoデータ通信サービスをセットにした通信費込みのレンタルサービスである。PCというハードウエアのレンタルからクラウドアプリケーション、管理運用サービス、そしてWasMoという通信サービス。WaaSはクライアント環境で求められるニーズへの対応力をますます高めている。

 いま、多くの企業はWindows 10へのリプレースという課題を抱えている。PCの移行期にあって、新しい時代に即したクライアント環境を模索している企業は少なくない。そんな企業にとって、WaaSと言うコンセプトから生まれる様々なサービスは有力な選択肢となるに違いない。

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