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「決定的瞬間」をビジネスに転換せよ

■総論
今日からできる「働き方改革」
ITを使って企業の成長を実現する

 欧米の先進国にくらべ労働生産性が低いことは、日本企業が抱える課題のひとつ。その背景には、上下関係が優先する議論、形式的な会議、意思決定の遅さといった日本特有の「企業風土」がある。生産年齢人口が減少していくなかで、このまま旧来型の働き方や組織から脱却できなければ、世界との差は開く一方だ。当然、そうした日本企業に勤める従業員は幸せにはなれない。

IT活用は働き方改革の切り札

 「少子高齢化の影響が目に見えて現れ、これまでの日本の働き方ではやっていけないことを、誰もが感じています」

ジャーナリスト/メディア・アクティビスト
津田 大介氏

 ジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介氏は、現在の日本で、働き方改革がにわかに注目されるようになった背景をそう説明する。

 正規と非正規、業種の違い、男女、都市と地方など、日本の労働環境には解消すべき様々な格差が残されている。津田氏は、働き方改革には、こうした格差の解消が不可欠であり、その取り組みの切り口は9つあるとした。すなわち、「同一労働同一賃金」「賃上げと労働生産性の向上」「長時間労働の是正」「転職と再就職の支援」「テレワーク、兼業・副業など柔軟な働き方」「中立な社会保障制度と税制」「高齢者の就職促進」「療養・子育て・介護と仕事の両立」「外国人の受入」である。

 そして、労働者を雑務から開放し、本当に労働力が必要な業務に振り向けるための切り札がITの活用だと指摘する。「ロボットやAI(人工知能)が職を奪うという議論がありますが、ITを活用して国力を補う時代に突入したと考えるべきでしょう」と津田氏は言う。

働き方改革は手段にすぎない

 働き方改革につながるITのうち、いまAIが注目されている。これまで代替することが困難だったホワイトカラーの業務を担い、人の能力を上回るスピード、業務量、正確さで一部の仕事をこなすまでに進化している。

クロスリバー
代表取締役 CEO
越川 慎司氏

 そうした新しい技術への期待感は高まる一方だが、クロスリバー 代表取締役 CEOの越川慎司氏は「働き方改革を目的にしないでください」と訴える。「働き方改革はあくまでも手段であり、企業が利益を上げること、社員が幸せになることこそが目的」だからだ。これは、働き方の制度や仕組みを整えて安心してしまい、方法論に振り回されて失敗した数々の事例に対するアンチテーゼである。残業時間を減らすために会社での労働時間を単純に短くすると、企業の利益は減り、家やカフェに仕事を持ち出すだけで意味がない。

 効果的な改革を目指しても、なかなか最適な手段は見つからない。日本企業特有の風土のもとでは、海外で成功した手法をそのまま導入してもうまくいかない。最高の手法を探し出してから実行するのではなく、自社に適用できることから手をつけ、「まず走り出し、走りながら修正した方が成功の近道では」と越川氏はアドバイスする。