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スタッフが生き生きと働くケーキ屋

第1回・「パティシエ エス コヤマ」の巻

応募者に合わせて選考方法を毎年変える

――どんな人を採用したいですか?

小山:新卒の場合は、とにかく元気な人がいいですね。入社の時点では、お菓子が作れなくてもいいんです。それよりも、心根のやさしい人がいい。一番大事なのは、反省して謝れることです。そして、自分の親に感謝して、家族を大事にできる人がいいですね。そういったことを面接や採用時の研修の中で見抜こうとしているのですが、見抜けないこともある。

――それだけ面接で相手のことを見抜くのは難しいということですね。

小山:採用は本当に難しいですよ。当社では、まず入社説明会をして、1週間の研修を実施します。実際に入社してここで働けるかどうかをお互いに見ましょうね、という期間です。学生たちは他にもいろんな会社に応募しているわけですから、研修を受けるか受けないか、で一度ふるいに掛けます。

 その後、適性検査を行い、2回に分けて面接を実施します。一次面接は合同面接です。その後、どんな試験を2次試験で行えば応募者たちのことをより理解できるのかを、面接官全員で一生懸命考えます。そのため、2次試験の内容は毎年変わります。過去にはジョギングやバーベキューなどをしたこともあります。その人の癖が見えたりするので、採用・不採用だけでなく、「この人はこの部署には配属してはいけない」というようなことに気づき、メモする社員もいます。

――社員たちも採用に参加されるのですね。面接官を務めるのはどんな社員ですか?

小山:面接は、僕と従業員4~5人で行います。面接官にはリーダークラスもいますし、成長してほしい社員を面接官として抜擢することもあります。面接でどんな質問をするかもそれぞれが考えていくわけです。

 面接担当者が『どういう質問をするのか』『なぜその質問をしたのか』を面接中に見ています。人を採用するにはまずは先輩自身が変わらないといけない。面接は先輩にとっては勉強です。僕は、先輩が成長しないと、後輩を採用してはダメだと思っているんです。新人を採用するということは、今年一年我々がどれだけ成長できたかの指標です。できていないなら僕たちには採用する資格はない。もちろんそこには僕自身も入っています。

 だから、面接官になった社員が本気でいい社員を取りたい、そしてその人と一緒に働きたいと思えるためにも、何を聞くかはすごく重要です。面接の後で、面接官の反省会もします。「あの質問で何が分かると思った?」と僕が聞くと、「いやぁ、すみません……」ということもあります。そこを磨いていかないといけないと思っています。

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