• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP
日経ビジネスONLINE Special週刊日経ビジネスオンライン SPECIAL日経ビジネスオンライン

女性社員が活躍するものづくり工場

「光機械製作所」の巻

日経BP総研 中堅・中小企業ラボ

2018年3月28日(水)

企業規模の大小や、業種・職種などにかかわらず、就職や転職の人気が高い会社はいくもある。なぜ人気になったのか。その秘密を探るため、 経営トップや人事担当者にインタビューを試みるシリーズ。

連載2回目は、三重県津市にある工作機械メーカー・光機械製作所。研削技術を強みとするものづくりの工場だ。西岡慶子社長の祖父が1959年に設立した。現在、女性社員が20~30%を占め、女性管理職比率も20%に上る。西岡社長の考えに共感し、隣県から移り住み働く女性もいるという。どのような思いで社員の採用や教育に取り組んでいるのか、西岡社長に話を聞いた。

型にはまっただけの就職教育には疑問

西岡 慶子(にしおか・けいこ)氏
三重県津市生まれ。1980年5月より米国石油掘削会社の日本事務所にて秘書通訳として勤務。86年、フリーランスの会議・商談通訳となる。96年12月、光機械製作所に入社。98年8月、同社代表取締役副社長に就任。2001年5月、代表取締役社長に就任し、現在に至る。国立大学法人三重大学の経営協議会委員や井村屋グループの社外取締役も務める。
(撮影:森田直希)

――長く新卒社員を採用されてきていますが、最近の学生たちの特徴をどのように見ていますか?

西岡慶子氏(以下、西岡):今は「いい子」が多いイメージです。おりこうさんで、おとなしく、やんちゃ坊主がいない。それが、ちょっともの足らない。エネルギーがあれば、たとえその方向が違っていても修正すればいいのですが、もともとエネルギーのない人にエネルギーを出してもらうことは難しいです。

 以前、とても印象的なことがありました。退職した社員から聞いたことです。彼が若手を教育していたときに、「今の若者たちに我々と同じものづくりはできないですよ」と言うんです。なぜかというと、自分たちは竹ひごを削って、竹飛行機を作って遊んでいた。右手で竹を切るものの、左手と足で竹ひごを微妙にコントロールしていた。つまり、全身でものづくりをしていたんです。いまはPCに向かい、決まった指でクリックするだけ。身体の使い方がまるで違う。そういう子たちに、五感を使ったモノづくりは無理ですよ、と。それを聞いて、なるほどなと思いました。

 ですが、そういう若手社員たちが今後はものづくりの中心になっていきます。ですからものづくりのセンスのある人、好きな人を採用し、育てていきたいと思っています。

――採用面接の時に見るポイントを教えてください。

西岡:やはり、ものづくりが好きで、素直な人がいいですね。素直というのは、吸収する力があるということです。そして、私がAと言ったらAと簡単に同調するのではなく、「自分はこう思う」と意見を言えるかどうかを見ています。

――面接で必ずする質問はありますか?

西岡:特にありません。私はいつも、特別な準備はせずに面接に臨みます。例えば、今日どうやって来たのか、などという他愛のないやりとりから少しずつ「人となり」へ迫る質問へ入っていきます。

 いま、大学では面接の型を教えるでしょう。部屋に入ったらまずどれくらいの角度でお辞儀をして、これを聞かれたらこう答えると、自己PRや志望動機も暗唱できるほど準備してきます。こうしたパターン化された言葉では自分らしさを表現することはできないので、聞いていてもつまらないんです。だから、型にはまっただけの就職教育は考えたほうがいいと先生方にお伝えしています。

 私は学校での練習にない質問をするので、頭が真っ白になり悔しくて泣いてしまう人もいます。別に、意地悪をしているわけではないんですよ。上手に話せなくていいんです。考えたこともないことを聞かれると、答えられないこともある。そのときの対応の仕方がどれだけ真剣か、あるいは前向きか、その姿勢を見ているんです。20歳前後で完璧な答えなんて、できるわけないんですから。