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第2回・「事務所」を「オフィス」にリニューアルせよ!

ビジョンの浸透は、唱和よりも職場環境

 最後に、ちょっとお金をかけた事例を紹介しましょう。

 新感覚の「くりーむパン」で大ブレークした八天堂(広島県三原市)の販売や海外展開のパートナーである「トレジャーアイランド」(大阪市)です。

 同社の事業は日本の優れたスイーツをブランディングし、ブレークさせることでしたが、数年前から事業の中心を、日本の優れた食品を世界展開するためのお手伝いすることにシフトさせました。

 しかし社員が、いきなり「自分たちはグローバルカンパニーだ」という意識になれるでしょうか?

 いきなり「国際派ビジネスマンになれ!」と言われて、仕事に対する姿勢や行動が変わるでしょうか?

 なかなか難しいことです。ビジョンの文言を刷新して、みんなで毎朝唱和すれば万事OKということもありません。

 そこで採った方策が、職場環境を変えることでした。ある日を境に、オフィスの内装を、すべてガラッと変えました。

 テーマ、モチーフは“航空会社”。置物や雰囲気は、空港のラウンジそのものにしました。

 これにより、無言で「自分たちは世界に打って出る」というメッセージを社内に発信したのです。

 そんなことで? と思われるかもしれませんが、実際のところ社員の意識や姿勢は変わっていったそうです。今後、国際派と呼ばれるような人材が求職してくることも予想されます。

 そして、同社の社員はみな、この本社オフィスを、「ラウンジ」と呼んでいるのです。

 そう。「オフィス」から出世したのです。

 こういうことも含めて「採用戦略」と考えられるかどうか。これが、経営者の腕であり、センスなのです。