日経ビジネスONLINE Special週刊日経ビジネスオンライン SPECIAL日経ビジネスオンライン

第4回・就活生が集まるピカピカの採用チーム

社員の中から“欲しいタイプ”を選抜

 リクルートチームはどうやって組むのがベストでしょうか?
 どんなメンバーを選べばいいのでしょうか?

 選ぶべきタイプの1つは、会社の“鑑(かがみ)”といえるような社員であること。
 入社1~5年の若手で、「もっとこういうタイプの社員が増えるといい」と思える社員です。
 まず、そういう社員を中心にチームを組むことをお勧めします。

 なぜそのような社員がいいのでしょうか? 鑑のようなチームメンバーが相手を映す“鏡”になって、似たタイプの学生を集めるからです。

 類は友を呼ぶなのか、人間としてのエネルギーレベルや輝きが同じだからなのか、統計や科学的データがあるわけではありませんが、これは過去の経験から確かに言えることです。

 ただしメンバー選びでは、すべてのリクルートメンバーを、経営幹部や採用担当責任者など幹部の人たちの“お気に入り”ばかりで固めるのはNGです。
 鑑のような社員は幹部の人たちの指名で選びます。
 そこに何人かプラスするメンバーを公募するのがベストです。

 なぜ公募も行った方がいいのか? いくつか理由があります。

 1つは、あまりにもキラキラした鑑メンバーばかりだと、ブースでの採用活動がウソっぽく見えるからです。
 既存の社員の中には、鑑という雰囲気ではない人もいるはずです。
 あまりにもキラキラ組ばかり揃えると、いざ入社したときに新卒社員はギャップを感じます。
 これでは、求人詐欺スレスレになりかねません。

 もう1つの理由は、社内に「後輩をつくる(=採用に関わる)仕事は重要」というカルチャー(文化や空気感)をつくるためです。

 既にお話ししたように、リクルートチームに加わると、普段の業務と並行して別の業務を行います。いわば余計な仕事です。
 ですから、指名だけでメンバーを集めると、やらされている感がメンバーに蔓延する危険性があるのです。

リクルートチームを社内から公募するポスターの例
公募ポスター

 一方、公募で集まるメンバーは、そもそも忙しくなっても採用の仕事をやりたいと思っている社員たちです。
 そのヤル気が社内にカルチャーをつくるのです。ですから公募メンバーはとても大事です。
 このカルチャーを数年かけてつくっていくと、「採用に強い会社」になっていきます。

 男女のバランスも気にすべきポイントです。今の時代、男女は半々が望ましいところです。
 また、言うまでもありませんが、新卒社員を迎えたいと考えている職場、部署の社員も、リクルートメンバーに名を連ねることが重要です。

 最後にもう一つ、若手社員がリクルートチームに加わる最大のメリットをお伝えします。

 リクルートチームは、就活生の企業エントリーが始まる数カ月前から準備を始める必要があります。エントリーが始まるのは3月ごろとすると、前年秋ごろから動き出す必要があります。リクルートチームは、それを含めてもわずか1年弱の期間限定チームとなります。
 しかし、この短い期間に、普段の業務では経験できない、さまざまなことを経験します。

 全国各地で開かれる、採用・就職支援会社による合同説明会、セミナーや、学生コミュニティー主催の交流会などに出向くため、出張が数多く発生します。
 大学・短大・専門学校などの学校と直接関わり、卒業生の採用について交渉を担当するメンバーも出てくるでしょう。

 こうした場所に出向くためには、会社・部署を説明するプレゼン資料も用意しなければいけません。  あちこちで行うプレゼンの数も、練習を含めると何十回にもなるでしょう。

 見た目の印象、服装、名刺交換のマナーなども見直す必要があります。
 学生からの質疑にも、会社を代表して、しっかりと立派に答えないといけません。そのための想定問答集の作成も必要になるかもしれません。