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第5回・「社内大学」をつくり、新卒を魅了する

村尾 隆介 スターブランド共同経営者
日経BP総研 中堅・中小企業ラボ

2018年6月7日(木)

初任給ではなく「研修」で選ばれる会社になる

 「給料は安いけれど研修が充実している。自分を成長させてもらえそうだから、その会社を選ぶ……」

 学生たちと話していると、こうした話を聞くことは珍しくありません。

 それに対して、企業側はこう言います。「うちも社内の研修内容のことは冊子にして学生に説明したりしているんですけれどね」

 でも、その冊子は、ひんやりした雰囲気の会議室で、ピリピリした表情の社員が写っている写真が並んでいるのではありませんか?

 学生がワクワクするのは、そんな研修ではありません。もっとエンターテインメント性に優れたものです。

 「こんなに学ぶことが楽しいなんて! 大学の講義より、ずっと楽しい!」

 ……こう言われるような研修にしないとダメです。

 例えば、この写真は、その一例。

 山形市の建設会社、市村工務店が主催する研修です。

山形市の市村工務店が実施する研修の様子。協力会社や地域の住民にも参加してもらい、会場は満席。室内をコーポレートカラーで統一し、特別感を出している
山形市の市村工務店が実施する研修の様子。協力会社や地域の住民にも参加してもらい、会場は満席。室内をコーポレートカラーで統一し、特別感を出している
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 これが研修?

 そうです、これが市村工務店の研修風景です。

 会議室を会場にして、コーポレートカラーのブルーで彩り、社員だけでなく、協力会社の社員や地域の住民も招いて開催します。“市民大学”の域に入った研修を行っているのです。

 しかも、この日が特別なワケではありません。

 思いついたときに突発的に開いたり、期末に予算が余ったときに行っているわけではありません。

 毎月、定期的に開催しているのです。

 ですから、市村工務店では、これを研修とは呼んでいません。「社内大学」と呼んでいます。講義内容の計画を示す「シラバス」もちゃんとあって、1年先の講義、講師もアナウンスされています。

 こんな活動を就活生に紹介したり、見せたりすれば、もちろん「わあ、すごい会社だな!」と感嘆する人が多いこと間違いありません。

 大事なことは、就活生に「こういう会社なら、きっと自分を成長させてもらえるはず……」と思わせることです!

市村工務店が実施する「イチカレッジ」の講義内容をまとめたシラバス(講義案内)。内容はシンプルで構わないが、就活イベントで配布することを考えてデザインには徹底的にこだわる
市村工務店が実施する「イチカレッジ」の講義内容をまとめたシラバス(講義案内)。内容はシンプルで構わないが、就活イベントで配布することを考えてデザインには徹底的にこだわる
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