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第5回・「社内大学」をつくり、新卒を魅了する

「優れた研修をしている会社」と印象付ける

 市村工務店のような社内大学について講演やセミナーなどで話すと、「うちも、ぜひやってみたい」と言う経営者は少なくありません。

 では、どうしたら、単なる研修を社内大学に昇格させることができるのでしょうか?

 まず大事なのは、ネーミングです。社風に合った名称がいいでしょう。

 ○○大学、○○アカデミー、○○カレッジ……。○○は社名でなくても構いません。

 例えば、日経BP総研 中堅・中小企業ラボの採用力アッププログラム「すごサイ(すごい採用プロジェクト)」に参加する、東京・港の電巧社は「殻破りカレッジ」と名付けました。電気関連の事業を手掛けるこの会社は、社内大学を通じて、社員に自分の殻を破ってほしいとの願いを込めたのです。

 鳥取県琴浦町の大山乳業農業協同組合は、自社商品のブランドである「白バラ牛乳」から、「白バラ大学」(英語名称は「白バラアカデミー」)としました。

 社内大学ですから、大学のロゴマークがあるといいでしょう。白バラ大学は、こんなおしゃれなロゴを作りました。

「白バラ牛乳」で知られる、大山乳業農業協同組合の「白バラ大学」のロゴマーク。自社のロゴマークと牛乳瓶をおしゃれにまとめている
「白バラ牛乳」で知られる、大山乳業農業協同組合の「白バラ大学」のロゴマーク。自社のロゴマークと牛乳瓶をおしゃれにまとめている
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 次に講義の日程表、シラバスを作ります。といっても、難しいものではありません。

 1年先までの講義の日程・内容・講師が記されていれば、それでOKです。

 ただし、デザインには力を入れてください。

 シラバスはやや大きめのA3判の用紙で、裏表フルカラーで作るとよいでしょう。ここはプロっぽく、かつ魅力的なものを作ってください。

 社内ですべて作るのではなく、デザイナーに依頼するのが望ましいでしょう。

 なぜ、そこまで力を入れるのか?

 シラバス自体を就活イベントで見せて、就活生に社内の研修が充実していることを示すためです。

 もっと言えば、充実していることだけでなく、楽しく、エンタメ性に富んでいることを見せたいからです。

 そうです。シラバス自体が採用ツールの一つなのです。

電巧社が作った「殻破りカレッジ」のシラバス。社員が自分の殻を破ることが狙いなので、卵の殻を破って生まれるヒヨコをフィーチャー。裏面の講師は卵の殻を手に写真に写っている(右)
電巧社が作った「殻破りカレッジ」のシラバス。社員が自分の殻を破ることが狙いなので、卵の殻を破って生まれるヒヨコをフィーチャー。裏面の講師は卵の殻を手に写真に写っている(右)
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 オプションとしては、社内大学の「学生証」もあるといいでしょう。

 学生証の裏面に捺印欄を設けて、受講するごとに入り口で判を押すようにすると、皆、それをコレクションするのが楽しくなります。

 社会人というオトナになってから、また学生証を発行してもらい、受講印を集めるのは、意外とワクワクするものです。

 私は、全国でたくさんの社内大学を立ち上げてきましたが、学生証と受講印の仕組みは、どこでも好評でした。

 下の写真は、大山乳業が実施する「白バラ大学」の学生証です。

 学生証があると、多くの自社社員だけでなく、協力会社の社員、地域住民の皆さんまで、受講を継続することを促せます。ぜひ、作ってください。

大山乳業「白バラ大学」で発行する学生証の表面と裏面。牛乳瓶型のロゴをあしらったおしゃれなもの。参加を増やすには捺印欄を作るとよい(右)
大山乳業「白バラ大学」で発行する学生証の表面と裏面。牛乳瓶型のロゴをあしらったおしゃれなもの。参加を増やすには捺印欄を作るとよい(右)
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