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旭化成に学ぶ情報基盤クラウド化の最適解

端末と利用者の認証でセキュリティを確保

 そして、スマートデバイスやPCなどデバイスの種類やOSの違いに制約されることなく、Office 365に簡単にアクセスできることと、強固なセキュリティを担保できるクラウドサービスを比較・検討している。その結果、「当社の要件に合致したクラウドセキュリティサービスとしてHDE Oneを採用しました」と木原氏は述べる。

 その要件の一つが、認証の仕組みだ。旭化成グループでは、個人所有のデバイスを業務に使用することを認めていない。スマートデバイスを利用したい場合、IT統括部に申請し、許可された人にデバイスを支給する。そして、社外でOffice 365を利用する際、あらかじめ登録されたデバイスを用いて端末認証を行い、アクセスを許可する仕組みだ。

セキュアなクラウドサービスへのアクセスを実現するHDE One
セキュアなクラウドサービスへのアクセスを実現するHDE One
HDE Oneは、Office 365などのクラウドサービスと連携して、メールの情報漏洩対策・デバイス紛失対策・不正ログイン対策をクラウド上で実現。安全にクラウドサービスを利用できるサービスを提供する
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 また、デバイスのセキュアブラウザに付与されたIDをチェックする。木原氏は「インターネット経由のアクセスはセキュアブラウザのIDと、アクセスする本人が社外での利用を許可されているかどうかをチェックします。つまり、登録されたデバイスと利用者の認証を二重に行うことでアクセス時のセキュリティを確保しています。HDE Oneはこうした認証の仕組みやセキュアブラウザに対応しており、採用を決めました」と語る。同氏によると、金融機関やセキュリティ会社がHDE Oneを導入するなど、豊富な導入実績も採用の決定を後押ししているという。

アクセス制限やセキュアブラウザで情報漏洩を回避

木原 穣 氏

 HDE Oneは、Office 365などのクラウドサービスにアクセスするデバイスやネットワークのIP、二要素認証などを利用してアクセス制御が行える。未登録のデバイスなど不正アクセスによる情報漏洩のリスクを回避できる。また、メールや添付ファイル、文書ファイルの保存を制限し、情報をデバイスに残さないセキュアブラウザに対応。万一のデバイスの盗難・紛失による情報漏洩を防止する。「以前からMDM(モバイルデバイス管理)ツールを導入して端末の紛失・盗難対策を行ってきましたが、HDE Oneのセキュアブラウザを利用することで情報漏洩などのリスクを包括的に低減することができました」と木原氏はHDE Oneを評価する。

 2018年1月時点で、スマートデバイスを利用して社外からOffice 365にアクセスを許可されているユーザー数は約4,000人に上る。例えば、住宅領域では建設現場や顧客先など社外で仕事をする機会が多く、タブレット端末を利用してメールをやり取りしたり、現場写真を撮影したりするなど、スマートデバイスとクラウドサービスの利用が拡大している。

Web会議とHDE Oneの利用で働き方改革にも効果

 Office 365をセキュアに利用できるようになったことで、「働き方改革にも役立っています」と木原氏は話す。例えば、Office 365の機能の一つであるWeb会議アプリのSkypeを活用。「社外からもWeb会議に参加でき、会議のためにわざわざ会社に戻らなくても済むようになりました。時差のある海外拠点のIT担当者とのミーティングもスマートフォンで行えます。Skypeアプリを利用する際、デバイスと利用者をHDE Oneで認証しています」(木原氏)。

 Office 365とHDE Oneの利用を開始して1年が過ぎた。木原氏は「今後、Office 365以外のクラウドサービスとHDE Oneとの連携が検討課題になります」と話す。例えば、顧客管理サービスのSalesforceやストレージサービスのBoxなどのクラウドサービスを独自に利用する部門もあるという。

 「ITガバナンスの観点からも、グループ共通で導入したほうがいいサービスはIT統括部で対応していきます。各種クラウドサービスとの連携など、HDEの担当者にはこれまでと同様に柔軟な対応をお願いしたいですね」と木原氏。旭化成グループの情報系インフラのセキュアな利用環境の一端をHDE Oneが担っている。

PROFILE
  • 旭化成株式会社
    URL
    http://www.asahi-kasei.co.jp/
    設立
    :1931年5月21日
    本社
    :東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
    資本金
    :1,033億8,900万円
    従業員数(連結)
    :3万3,720人(2017年3月31日現在)
    主な事業内容
    :「化学」の技術をベースに、ケミカル・生活製品、繊維、住宅、建材、電子部品、電子材料、医薬、医療の事業を展開する総合科学メーカー。技術領域の広さ」と、高い「技術力」、そして事業の融合により新たな事業創出を可能にする「総合力」を強みに、「環境・エネルギー」「住・くらし」「医療」の重点領域で事業展開をしている。
  • お問い合わせ
    HDE
    株式会社 HDE
    URL
    https://www.hde.co.jp/
    TEL
    :03-6415-3660(代表)
    主な事業内容
    :クラウドセキュリティ分野の製品を包括的に開発・販売するクラウドセキュリティソリューションカンパニー。メール配送システム/メールサーバー構築・監視/メール監査/スパムメール対策/ウイルス駆除/フィッシング対策/電子署名/暗号化などを提供。