2018.1.1 ISSUE

NIKKEI BUSINESS ON LINE SPECIAL

みんなのAIジャーナル

データでビジネスを変革する!「みんなの AI」を選ぶべき理由

Interview 畠山 大有氏

すべての人や組織が使える最先端の AI をリーズナブルに提供

―これまでもビジネスでデータを活用してきました。従来とこれからのデータ活用の違いは?

日本マイクロソフト株式会社
Principal Software Development Engineer
畠山 大有氏
畠山:社会や産業の発展を支える原動力として「20世紀は石油の時代」といわれることがあります。同じ観点から「21世紀はデータの時代」といった表現を目にすることが多くなりました。ネットワークを介してセンサーや様々なデバイス、家電、機械などから多様なデータを収集し、サイバー空間で膨大なデータを処理、分析し、そこで創出した新たな価値により産業の活性化や社会課題の解決を図っていく。従来、ビジネスにおけるデータ活用のテーマは「効率化」が中心でしたが、これからのデータ活用はビジネスや働き方などの「変革」が重要なテーマとなります。
例えばこれまで週次や月次のデータで経営判断を行っていたものが、刻々と変化するビジネスの動きをリアルタイムに把握し経営判断を下すことが可能となります。例えば、大手航空機エンジンメーカーでもあるロールスロイスは、航空会社向けに、リアルタイムに限りなく近い形でエンジンからのセンシングデータをクラウド上に収集することで“サービスとしてのエンジン”を提供し、エンジンに取り付けたセンサーからの情報を活用し、予防保守や運用コスト削減に活かしています。航空機の燃料費は一般人の感覚より遥かに高額なんだそうです。
―そうしたデータ活用課題に対する、マイクロソフトの AI テクノロジー追求の姿勢は?
畠山:マイクロソフトの重要なミッションの1つは、AI を現場でどう活用しビジネスの課題を解決していくか、お客様と一緒にプロジェクトに取り組むことです。そして AI のビジネスへの適用を促進するには、コスト面でも知識面でもその敷居を“圧倒的に”低くしていく必要があります。その先鞭をつけるべく、マイクロソフトは「みんなの AI 」を掲げ、誰もが AI を使える環境の整備に力を注いでいるのです。
現在、コンピューティング環境はクラウドを利用することができます。アルゴリズムも最初からつくるのではなく API( Application Programming Interface )化が可能です。それらのプラットフォームや、AI 利活用に必須のテクノロジーを包括的に有しているのがマイクロソフトなのです。
2020年にはネットワークを介して204億のモノがつながるといわれています。自動運転車1台から1日に4,000GBのデータが生成されるという試算もあります。加速度的に増大するデータから新たな価値を導き出すのは、人間では不可能です。我々はその課題解決に対して「みんなの AI 」で応えていきます。

最先端の AI をサービスとして自在に利用できる「みんなの AI 」

―企業がビジネスにおいて「みんなの AI 」を選ぶべき理由を具体的に教えてください。
畠山:何よりもスタートのしやすさ、そして AI の精度です。現段階は、AI が何にどのように使えるのか、どんどん試してみることが大切です。そのためにはまず、提供される API は企業ニーズを網羅するあらゆるパターンが必要です。マイクロソフトでは「 Cognitive Services 」として画像認識、音声認識、感情認識、機械翻訳など30種以上の API を提供しています。ここまで豊富な API を提供しているところは他にないでしょう。お客様は自社に必要な API を選んで、あるいは複数の API を組み合わせて即時活用ができます。スタートがしやすいというのは、AI を活用する上でとても大事な観点です。
アルゴリズムの先進性も重要なポイントとなります。アルゴリズムの開発競争は激しく、進化も著しい。高度なアルゴリズムを使うほど AI の精度もスピードも向上します。マイクロソフトは AI 分野にフォーカスした8,000人のコンピューターサイエンティストとエンジニアを結集した研究組織「 Microsoft AI and Research Group 」を有しています。お客様はアルゴリズムを一から開発する必要はありません。世界最高レベルの AI が、彼らによってすでにクラウド上に用意されているからです。革新的な製品やサービスの創造に向け、それらをサービスとして自在にご利用いただけます。
―「独自の AI アルゴリズムを作りたい」といったニーズにも応えられますか?
畠山:用途や目的、習熟度に応じて2つの機械学習のサービスを用意しています。1つは、ノンプログラミングで開発でき、数分でWebサービスに展開できる「 Azure Machine Learning Studio 」です。従来、機械学習モデルの作成はある意味職人の世界で、限られた一部のデータサイエンティストだけが行えるものでした。しかし「 Azure Machine Learning Studio 」なら、「 A というデータ群から、B という結果を得たい」という、インプットとアウトプットのサンプルを投入するだけで、それを実現する機械学習モデルの構築が可能です。従来必要とされた“職人技の世界”を全く意識する必要がないのです。
もう1つは、機械学習モデルのライフサイクルすべてを扱う「 Azure Machine Learning サービス」です。技術的にはオープンソースで公開されている機械学習のソフトウェアライブラリをそのまま使って機械学習が行えます。ここでは、“オープンであること”がビジネスにとって重要なポイントとなります。機械学習の世界で人気の“ Python(パイソン)”など様々な言語に対応するため、自社で蓄積してきた AI の開発資産を再利用できたり、逆に「 Azure Machine Learning サービス」による機械学習の成果を第三者に配布・連携できたりなど、柔軟なビジネス展開を可能にするからです。
もちろん Microsoft Azure はもとより、自社内にサーバーを置くオンプレミスや、組み込み機器などで注目を浴びるエッジコンピューティングへの展開にも対応可能です。
このサービスの最大の特徴は、先にあげた「ライフサイクル」にあります。1) データの準備 2) モデルの作成 3) モデルの展開と運用 をカバーします。モデルの作成にお話が行きがちなのですが、現場の作業時間の80%-90%は、データの準備にあると言われています。その部分をデータの可視化の機能なども含めて大幅に短縮できる可能性があります。モデルの展開と運用も同様です。特にモデルのバージョン管理を意識している点は重要です。まだ Public Preview の新しいサービスですが、本番運用を意識している点は興味深いと思います。

本文は以下に続く ↓

「 Azure Machine Learning Studio 」では、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作で機械学習モデルを作成できる。

「 Azure Machine Learning サービス」では、機械学習モデルの開発・管理から、利用環境への展開まで AI 活用のライフサイクル全体をサポート。

コストメリットを生み出す高性能・グローバルプラットフォーム

―AI は投資対効果が見えにくい面もあります。「みんなの AI 」のコスト面でのメリットは?
畠山:クラウドの活用が鍵になります。AI は大量のデータを扱うため、プラットフォームとなるコンピュータの性能がコストを大きく左右します。つまり、AI を動かすクラウドの選択においては“常に最新の性能を利用できること”が重要なポイントとなります。優れたパフォーマンスによる開発期間の短縮は、そのまま開発費の圧縮に直結するからです。クラウドでのコンピュータ費用は、稼働時間とイコールですから。そのためマイクロソフトのクラウドサービスである Microsoft Azure は、AI の演算処理に必須の GPU ( Graphics Processing Unit )について常に最新性能にアップデートすることで、時間あたりの演算性能の向上、ひいてはお客様にとっての生産性の向上に力を注いでいます。
また複数の GPU で並行して演算を行うことにより、時間短縮に伴う人件費の抑制も図れます。ここでも数分でコンピューティング環境の拡充が可能な Microsoft Azure のメリットが生きてくるでしょう。開発が終了すれば、不要な GPU リソースは停止すればコストもかかりません。短期間に多くのトライアンドエラーが必要な AI の世界において、このメリットは圧倒的です。
そして AI を本格的にビジネスに活用する場合、データの収集と機械学習モデルの展開を考慮しておくことも大切です。マイクロソフトではクラウドでデータを収集する IoT の仕組みから、機械学習モデルの作成・展開までを一貫してサポートしています。 Microsoft Azure のプラットフォームは全世界に42リージョンあるため、グローバルで活躍する日本企業が世界中からデータを収集する場合や、開発した AI によるビジネスモデルをグローバル展開する場合にも、圧倒的なスピードとコストメリットを提供できるでしょう。
―AIの活用では企業が持つ機密性の高いデータを扱うケースもあります。
畠山:AI 活用のベースとなるMicrosoft Azure はセキュリティやコンプライアンスに関する国内外基準(※)をクリアしています。さらに、自社内で AI をセキュアに活用したいといったニーズに応えるべく、マイクロソフトの最新のデータベース「 SQL Server 2017 」には、商用データベースとして初めて機械学習ライブラリを組み込みました。また、Windows版だけでなく、Linux版も提供しています。データベース内で AI 活用が完結できるため、企業の外部へ重要データの移動が発生することなく、情報漏えいなどのセキュリティリスクを回避できます。
また主要クラウドサービスでは唯一、日本国内の東日本と西日本の2か所にデータセンターを設置しており、災害対策としてデータをバックアップする際も日本国内で完結することが可能です。他のクラウドサービスではデータセンターの場所を公開していないところもあり、その面でも安心して国内企業にご利用いただけるのではないでしょうか。

※ Microsoft Azure は2016年2月に日本初のクラウドセキュリティ ゴールドマークを取得。また、パブリッククラウドとして医療機関向け 3 省 4 ガイドラインに対応する。国内データセンターは日本法へ準拠し、東京地方裁判所の管轄となる。グローバルでは、ISO 27001、HIPAA、FedRAMP、SOC 1、SOC 2 などの国際的な業界固有のコンプライアンス基準およびオーストラリアの IRAP、英国の G-Cloud、シンガポールの MTCS などの国ごとの基準を満たしている。

あらゆる産業のシナリオに適用できるオープンな AI プラットフォーム

―AI の活用を検討している企業にメッセージをお願いします。
畠山:AI を道具化するために、AI でどこまで何ができるのかを理解する事が重要です。そのためには、まず試してみて、“ AIがどういうものか”という感触を掴んでいただければと思います。Cognitive Services のサイトでは画像認識サービスの Computer Vision API などを無料で試すことができます。ご自身が持っている写真を登録するだけで性別、年齢、感情、著名な建物など様々な情報が抽出されます。
AI はまだ新しい分野です。悩むよりは目の前にある課題に対して AI を適用し、そこから気づきを得て次につなげていくことが大切です。マイクロソフトの AI はお試しから手軽な利用、そして本格的なビジネス展開まで、多様なニーズにワンストップでお応えします。
“あらゆる産業のシナリオに適用できるオープンな AI プラットフォーム”、それが「みんなの AI 」です。まずは試すことが第一歩。その一歩が、デジタルトランスフォーメーション時代の企業の成長につながる大きな一歩となっていくでしょう。

「まず試してみる。その一歩が次の一歩につながる」と締めくくった畠山氏。「みんなの AI 」に投入し続ける最新テクノロジーへの、並々ならぬ情熱を感じさせた。

AI の画像分析をすぐに試せる Computer Vision API はこちら

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cognitive-services/computer-vision/

同じく、動画解析を直ぐに試せる Video Indexer APIはこちら

https://vi.microsoft.com/

マイクロソフトの「みんなの AI 」に関する情報はこちら

https://blogs.technet.microsoft.com/jpai/

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データ活用はビジネスや働き方などの「変革」が重要テーマに
最先端の AI をサービスとして自在に利用できる「みんなの AI 」
コストメリットを生み出す高性能・グローバルプラットフォーム
あらゆる産業のシナリオに適用できるオープンな AI プラットフォーム

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