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50年前と変わらない現場をIT化し働き方改革を実現

MetaMoJi

現場業務専用に設計された
統合ITツールが現場の働き方を変える

働き方改革が叫ばれて久しいが、建設業や製造業などの現場では改革がなかなか進まない。多種多様なITツールはあるものの、作業制約が多い現場では効果が出ないケースが多いからだ。このような中、現場での使い勝手と利便性を徹底的に追求し、働き方を一新するツールが誕生した。MetaMoJiが開発した「GEMBA Note」である。

50年前と変わらない現場をIT化
iPad向け統合ツール
浮川 和宣 氏
株式会社MetaMoJi
代表取締役社長
浮川 和宣

 講演の冒頭で「残りのビジネス人生をこれに懸けたい」と語ったのは、ソフトウエア開発企業であるMetaMoJi代表取締役社長の浮川和宣氏。ジャストシステムの創業者であり、一太郎の開発者である。その浮川氏が人生を懸けて働き方を変えるソフトウエアを開発した。それが「GEMBA Note」だ。

 もともとのきっかけは2010年に発売されたばかりのiPadと出合ったことだ。「携帯より使いやすくて、コミュニケーション機能も豊富。もっといろいろできるはず」。そう考えた浮川氏は、2011年から仕事の効率化を支援するiPhone/iPad向けアプリを提供してきた。そして現在注力しているのが、現場の業務を支援するツールの開発だ。

 「建築業界などの現場の仕事は50年前と変わっていません。パソコンが持ち込めないために、IT化されていないのです。事務所に戻ってから、報告書を書いたり調査資料をまとめたりしています。事務所に戻らなくても現場でできることを増やせば働き方は変わります。精神論ではなく、具体的なツールが大事なのです」(浮川氏)

 現場での仕事をカバーするために開発されたGEMBA Noteは一種の統合ソフトウエアだ。紙のノートと普段使っているペンと同じように、手書きで自由自在に図形やメモが書けて、録音や撮影もできる。しかも各種調査や報告書など定型フォームにも対応している。手書き、テキスト、表計算、写真、動画、音声記録、フォーム作成、スケジュール管理などの機能が搭載され、大半の処理がGEMBA Noteだけでカバーできる。一般に複数のアプリケーションを使用する場合、データ連携やファイル管理などの問題で作業効率が落ちる。作業制約のある現場であればなおさらだ。1つのアプリケーションでほぼ作業が完結できる点は、現場としては非常に助かるだろう。

GEMBA Note1つで現場業務がほぼ解決可能
アプリを切り替える必要がなく、作業制約の多い現場では非常に重宝だ
GEMBA Note一つで現場業務がほぼ解決可能
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徹底して現場のニーズに応え
「待ったなし」の作業を支援
今西 信幸 氏
株式会社MetaMoJi
法人事業部 法人第一営業部
部長
今西 信幸

 これだけでは他の統合ソフトと大きな差がないと思うかもしれない。しかし、それは大きな誤解だ。GEMBA Noteの一番の特長は、「待ったなし」で仕事を進めなければならない現場の状況を想定して、徹底的に使いやすく作られているところにある。

 前述のようにGEMBA Note自体は多機能にできている。多機能なソフトは概して操作が複雑になりがちだが、GEMBA Noteは簡単な操作だけで使える。あらかじめ必要な機能だけを絞り込んでノートに設定しておくことができるからだ。現場では表示されている順番にタップしていくだけで業務が完了する。もちろん、隠れている機能は簡単に呼び出すことが可能だ。

 手書きで書いた文字を“後から変換”できるのも現場では便利だ。漢字変換は意外に手間がかかるため、現場では困難な作業の1つだ。その点、GEMBA Noteは手書きで書いておいて、時間のあるときに漢字に変換することができる。取り急ぎ現場で漏れなく記録できるという安心感は大きい。図形も後からきれいに整形できる。

 「もう1つのこだわりは、日付をベースに記録を持っているところです。現場は日付で動いています。日付で様々な情報を管理することで、迷うことなく瞬時に必要な情報を探し出せます」(浮川氏)

 さらに、「待ったなし」の現場の作業を支援する画期的なコミュニケーション機能も搭載している。GEMBA Noteではノートに書き込むだけで、瞬時に双方向に情報を伝えることができる。講演ではMetaMoJiの今西信幸氏が加わり、浮川氏との間で写真を撮影して共有したり、図面にメモを書き込んで共有するというデモを見せた。この機能を使えば、例えば現場でトラブルが発生した際、現場にいない上長や熟練者と情報を即座に共有してアドバイスを受けるといった使い方もできる。詳細な情報を基に迅速な対応ができるという点で画期的だ。

90分かかっていた事務所作業
わずか10分に短縮

 講演の後半では、住宅やアパート、公共施設向けに太陽光パネルや蓄電池の販売と施工を行っている日本エコシステムの導入事例も紹介された。全国で3万8000棟を超える太陽光パネルの施工実績を持つ同社では、もともと紙の報告書やチェックリストを使っていた。だが屋上などでは風が強く、紙が吹き飛ばされたりして現場で記入するのが難しかった。そこで現場にiPadとGEMBA Noteを導入することになった。

 GEMBA Noteを使い始めて1年半の同社だが、既に目覚ましい効果が表れている。導入前は現場で完了する処理はわずか8%だったものが、導入後は60%超になり、90分かかっていた事務所でのパソコン処理がわずか10分で完了するようになったという。「10日かかっていた処理が7日で終わるようになり、もっと慣れてくれば3〜4日で処理できるようになるのではと言われています」と浮川氏は話す。

 まさに現場での働き方を変えるインパクトを与えるGEMBA Noteはパッケージソフトであり、開発不要ですぐに使うことができる。しかし、それだけではない。「ありとあらゆる人たちに便利さを提供する多層な開発カスタマイズ環境」(浮川氏)が提供されている。

 現場のエンドユーザーは、前述のように必要な機能を絞り込んで使いやすくすることができる。カスタマイズした結果は他のメンバーに配布することができるため、チーム単位でのカスタマイズも可能になる。さらにIT部門がこうしたカスタマイズを集約してさらに高度なカスタマイズをしたり、システム開発会社にデータを提供することでGEMBA Noteをプラットフォームとしたアプリケーションを作ることも可能だという。

 進まない現場での働き方改革を推し進めるため、現場での使いやすさを徹底的に追求したGEMBA Note。導入後のさらなる効率化も見据えている。

日本エコシステムにおける導入事例
現場のIT化、働き方改革に大きく貢献している
日本エコシステムにおける導入事例
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