様々な業種で経営戦略に影響 転換期を迎えるエネルギー市場

成長率では再生可能エネルギー、石油・石炭の高シェアは揺るがず地域別にはアジア太平洋が需要を牽引

図1:グローバルエネルギー別需要見通し(2017年ウッドマッケンジー調べ)

図1:グローバルエネルギー別需要見通し(2017年ウッドマッケンジー調べ)

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図2:地域別エネルギー需要年平均成長率見通し(2017年ウッドマッケンジー調べ)

図2:地域別エネルギー需要年平均成長率見通し(2017年ウッドマッケンジー調べ)

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エネルギー分野に特化したリサーチ・コンサルティング企業のウッドマッケンジーによれば、グローバルエネルギー需要は2017年から2035年まで全体で約20%の伸びを見込む。エネルギー別に見ると、全体のシェアは低いものの最も需要成長率が高いのは再生可能エネルギーの年6.2%で、次いでガスの2%である。また石炭・石油の成長率は1%未満の伸びにとどまるが、2035年の長期視点ではこれらが引き続き需要の大半を占めていると予測する。(図1)

一方、地域別に見た場合、状況は各地域で成長率、電源ソースも大きく異なる。例えば、石炭は北米・ヨーロッパで年平均成長率は大きく減少するのに対し、中国を含むアジア太平洋(Asia Pacific)では引き続き高い成長率で重要な位置づけを占めるとウッドマッケンジーは予測する(図2)。

「現在、再生可能エネルギーへのシフト、成長は大きなトレンドであるのは間違いありません。しかし、全エネルギー需要から見た場合には2035年でもその割合は決して大きくなく、依然として原油や石炭といった化石燃料がその大半を占めているのは注目すべき点であると思います。このように、市場把握にはマクロとミクロ両方の視点から、様々な要素を横断的に分析することが必要です」とウッドマッケンジージャパン ディレクターの加藤秀彦氏は語る。


2035年までに1億2500万台?、EVシェア拡大への動きと影響

ウッドマッケンジージャパン株式会社 ディレクター 加藤秀彦氏
ウッドマッケンジージャパン株式会社 ディレクター 加藤秀彦氏

再生可能エネルギーへのシフトにより躍進していくのがEV市場である。EVへのシフトを牽引するのは3つの要素がある。1つ目は投資の側面。大手自動車メーカーの電気自動車への参入が続いている。2つ目は政策主導による電気自動車への転換や奨励制度・補助金の導入などの動き。そして3つ目は技術革新だ。特にバッテリー製造のコストダウンがEV普及を後押しし、既に2010年比で現在のバッテリーコストは70%以上減少している。ウッドマッケンジーは、今後3年から5年の間にバッテリーパックのコストは約3分の1となり、風力や太陽光においても同じようなコスト減少が起きると予想している。既存の内燃機関系の自動車からEVにどのくらいのスピードで進み、どれくらいの市場シェアを獲得するか。そして、その変化がオイル需要、パワー、再生可能エネルギー、そして非鉄金属のセクターにどのような長期的な影響をもたらすかをウッドマッケンジーは注視している。同社では2035年までに電気自動車の販売は累計1億2500万台に達すると予測している。これにより世界のガソリン需要の6%が再生可能エネルギーに取って代わり、今後10年の間にバッテリーコストは100ドル/kWh減少すると見ている。

またEVへの転換に伴い、企業は自動車素材の原料となる銅・アルミニウム・鉄鋼などのコモディティー市場への影響や、バッテリーの材料となるニッケル・リチウム・コバルト・グラファイト・マンガンといった鉱物の将来的な供給力の把握も不可欠となる。これら動向を企業が把握するのをサポートするため、既にウッドマッケンジーはリチウム・コバルトのマーケットについてアナリストによる現地調査を開始した。2018年前半に、長期需要分析・価格予想レポートを発売する予定だという。


様々な業種の事業計画に直結、エネルギー市場の動向を予測分析

ウッドマッケンジーの分析は、現在エネルギー権益に投資する総合商社、電力、ガス、鉱業、鉄鋼、石油・石油化学、製造、金融業界、政府機関で活用されている。特に最近はエネルギー市場変動の影響を直接受ける製造業からの問い合わせが増えているという。

製造業では生産現場のエネルギーコスト管理はもちろんのこと、原価を左右する原料調達計画の立案にエネルギー動向の把握は欠かせない。例えば鉱山の原料供給能力と市場の需要次第でコストは変動する。その変動を予測した上で調達計画を立てることでコストが安定し、事業全体のリスクも軽減する。工場拠点の選定やグローバル・サプライチェーン最適化には、現地情報とグローバルの両方の視点をもつ同社の将来予測レポート、市場分析レポートが活用されている。

また国内メガバンクからもLNGなどのプロジェクトファイナンス案件にウッドマッケンジーは高い評価を得ている。同社の分析により案件の開発進行状況やコスト・収益等経済性評価分析・市場概況・トレンドから足元の重要トピックの理解が進んだ。また様々な情報を一元管理ができ、業務効率性も向上している。

「このお客様からは、『案件が煮詰まったときに個別にアドバイスを受けることができ、結果として業務全体のクオリティーが向上した』との声もいただくことができました。当社はお客様の要望を理解したコンサルティングや、エネルギー・資源の複合的要素を理解した総合的なメガトレンド、それを裏づけする個別情報などを要望に合わせて提供し、情報と分析のクオリティーについては高い水準を有していると自負しています」(加藤氏)

ウッドマッケンジーが提供するデータの特徴は、個別のコモディティーだけではなく、石油・ガス・LNG・石炭・鉄鉱石・非鉄金属・化学品・再生可能エネルギーを総合的に網羅した調査分析である。専門アナリストがそれぞれのエネルギー相関関係を理解し、より精度の高い情報分析を提供している。また同社は、独立系リサーチ企業として世界的なエネルギー企業、資源企業、政府機関などの影響を受けない公平性も持ち合わせている。

社会基盤であるエネルギーは、再生可能エネルギーを中心に大きな転換期にあり、その動向は今後日本企業のビジネス戦略にさらに強い影響をもたらしていくだろう。そうした中、ウッドマッケンジーはエネルギー市場において日本企業のニーズに合わせた市場分析とコンサルティングを提供している。


ウッドマッケンジーについて

天然資源分野分析・コンサルティングのグローバルリーダーであり、信頼度の高い長期予測、調査、分析を提供。ガス、電力をはじめとするエネルギー企業や製造業、商社など、日本をはじめ世界中の企業の経営判断、戦略策定に貢献している。


<特徴>

●高い調査能力コンサルタント/アナリストが世界中に点在する油田やガス田、鉱山などを訪れ、現地のプロジェクトマネージャーやエンジニアなどに直接インタビューを行う。そうして獲得した生の情報を積み上げることで、現状分析や将来予測に生かしている。

●エネルギーを総合的に網羅個別のコモディティーだけでなく石油や石炭、ガス、LNGなどの化石燃料はもちろん、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、アルミニウムなどの主要金属、さらにEVの普及で注目されるリチウムやコバルトについても、鉱山ごとの稼働状況や採掘量、採掘コストなどを継続的に調査し、知見を蓄積。各資源の需給の相関などを含めた分析が行える。

●情報の中立性独立系企業のため、特定の業界、関連企業や政府機関に影響されることなく、中立性の高い情報を提供できる。

お問い合わせ

ウッドマッケンジージャパン株式会社 
https://www.woodmac.com/
東京都千代田区丸の内1-8-2 鉃鋼ビルディング7階
contactus@woodmac.com