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NISSHA株式会社

タッチセンサーの技術を応用し
新製品の開発を推進

 京都に本拠を置くNISSHA(旧社名:日本写真印刷)は、1929年の創業以来、高度な印刷技術をベースに、多様な市場でグローバルに事業領域を拡大してきた。現在の主力事業は、素材の表面に付加価値を与える「産業資材」、フィルムタッチセンサーを主力製品とする「ディバイス」、医療機器関連の製品を扱う「メディカルテクノロジー」、企業のコミュニケーション戦略をサポートする「情報コミュニケーション」の4つ。

 なかでも、ディバイス事業の主力製品であるフィルムタッチセンサーは、スマートフォンやタブレット、ゲーム機などのデジタル機器に幅広く採用されている。とりわけ中小型タッチセンサーの技術力には定評があり、世界トップクラスとの呼び声も高い。

 現在、ディバイス事業部では、さらなる進化を目指して新製品の開発に注力している。その先頭に立つのが、技術開発部のエンジニアたちだ。

 「タッチセンサーで培った当社が優位性を持つコア技術を用い、新しい製品群を開発すること。それが技術開発部のミッションです」と語るのは、先行開発三グループのグループ長を務める坂田 喜博氏。

 技術開発部では、コア技術を応用してフォースセンサーやバイオ関連センサーなどの開発に取り組むかたわら、各種センサー群の高付加価値化を目指した有機TFT技術導入を進めている。

コア技術と新しい技術の融合で
新たな事業領域を開拓

NISSHAの薄型フォースセンサーを活用した仏JOUE社のデジタル演奏機。圧力検知機能を持ったユーザー・インタフェースによって、感性的でクリエイティブな表現が可能となっている
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 同社では、電気・機械・情報・化学など多様なバックグラウンドを持ったエンジニアが活躍している。2007年入社の末冨 喜子氏は、大学で化学の基礎研究に取り組んだ後、同社のものづくりに魅了されて入社。現在は同社が開発するフォースセンサーを活用し、フランスのベンチャー企業と協業し新製品の開発などに取り組んでいる(写真1)。

 「パネルの上に各種パーツを乗せることで、鍵盤やギター、ボタンなど様々な用途に使うことができます。押圧の大小を感知して音の大きさを変えられるので、実際に楽器演奏を行っているような感覚で使えます。単なるON/OFFではなく、人間の感覚に近い表現ができるのです。当社が培ってきた印刷や成膜、積層、機構設計などの技術が、このフォースセンサーに結実しています」と末冨氏。

 一方、有機TFTの開発に取り組んでいるのが、入社2年目の下 侑馬氏だ。下氏は、大学時代に学んだ有機TFTの知識を生かし、第一線のエンジニアとして製品開発に取り組んでいる。

 「これまで、TFT(薄膜トランジスタ)は固い無機物の材料で作られていたため、自由に曲げることができませんでした。しかし、柔軟な有機物質を用いた有機TFTを使えば、フレキシブルなセンサーが設計可能になり、体に装着できるウェアラブルディバイス製品の開発に寄与することができます。タッチセンサーを大量生産するコア技術を用いて、各種センサーの付加価値を高める有機TFTを開発できることが当社の強みです」と下氏は説明する。

失敗を恐れず、未知の領域へと
チャレンジし続ける

 新製品の開発は未知の領域だけに、予想しなかった事態に直面し、戸惑うことも少なくない。その分、エンジニアとしての総合力が問われる、やりがいのある仕事ともいえる。

 末冨氏は数年前、新規事業として化粧品の研究開発を経験。社内にほとんど知見がない領域だったため、法規制や工場の新設も含めて、すべてがゼロからの出発だったという。

 「最初は何から手を付けたらいいのかわからない、という状態でしたが、社外の専門家との人脈を広げて知見を深め、何とか製品化まで漕ぎつけることができました。自分1人でできることには限界がありますが、皆の力を結集すれば、大きな仕事をやり遂げることができます。この会社で仕事をする醍醐味を感じた経験でした」と振り返る。

 一方、入社2年目の下氏も、仕事の進め方がわからず、壁にあたることもあるという。有機TFTは新しいテーマだけに、周囲に詳しい人が少ない。壁に突き当たって悩んでいる時、手を差し伸べてくれたのが、上司の坂田氏だった。

 「現場では、様々な分野の人たちの意見を聞きながら開発を進めなければならない。様々な部門の社員とかかわりを持ってやっていくことが大切だ——と助言を受けました。NISSHAには、エンジニア同士協力しながら一緒にやっていこうという雰囲気があると実感しました」と下氏。

 同社には、多様な人材能力と情熱を結集して課題解決にあたる伝統が根付いている。その気風は、印刷技術を基盤としながら、片時も進化することをやめず、新たな技術と市場を開拓してきた歴史の中で培われたものだ。

 現在、フレキシブル電子ディバイス製品展開のための機構設計や、センシングディバイスのIoT分野でのより発展的な活用を目指した、ソフトウエア開発・電気回路設計・無線通信の応用開発を手掛けており、この方面で活躍できる人材獲得に力を入れている。

今年2月に竣工したNISSHAイノベーションセンターKYOTO。オフィス内は仕切りを極力なくし、専門が異なるエンジニア同士が交流しやすい環境を整えた。新たな価値を生み出す研究・技術開発の拠点とする狙いだ
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 同社では次世代リーダーを育成するため、2013年に社内大学「Nissha Academy」を設立。経営戦略の立案と実行に関わる知識やスキル(経営戦略、アカウンティング、ファイナンス、マーケティングなど)を学び、全社や事業の経営をリードする人材を育成する「Business School」(選抜型)を開講した。末冨氏も同Schoolの受講者に選抜され、経営視点と技術を兼ね備えたリーダー人材としての新たな一歩を踏み出した。

 「いろいろな技術をコーディネートして新しい製品・サービスを生み出すことが我々のミッション。市場が求める課題に対して、高度な解決力を持って対峙できる技術の選択とその開発を進めていきたい」と坂田氏は語る。

 今年2月には、約40億円を投じて京都本社構内に新しい研究開発拠点を建設(写真2)。組織の垣根を越えて、新製品創出のスピードを加速させるべく、各事業部のエンジニア約500人を一堂に集めた。失敗を恐れず、未知の領域へとチャレンジを続けるNISSHAスピリットは、若きエンジニアたちの中に脈々と受け継がれている。

Corporate Data
会社情報 【資本金】
】120億6,979万円
【社員数】
791人(連結5,322人/2017年12月末現在)
【設立】
1929年10月
【事業内容】
〈産業資材事業〉自動車(内装)・スマートフォン・家電製品へ意匠や機能を付与するIMD製品や高機能パッケージ資材の開発・生産〈ディバイス事業〉タブレット・スマートフォン・携帯ゲーム機などで使用されるタッチセンサーの開発・生産
〈メディカルテクノロジー事業〉医療機器やその関連分野の製品の開発・生産〈情報コミュニケーション事業〉印刷メディアとコミュニケーション戦略全般をサポートするサービスの提供
採用情報 【採用職種】
技術系:技術開発・製品開発、技術・生産技術、R&D、品質管理・品質保証、生産管理・購買など
事務系:営業(海外・国内)、管理部門、生産管理・購買など
【採用実績大学】
全国国公立私立大学
【採用実績学科】
技術系:電気・電子、機械、情報、化学、材料、バイオ、物理など
事務系:全学部全学科
【勤務地】
京都、東京、石川、兵庫、滋賀、三重
【2019年入社予定数】
技術系:13人 事務系:12人
【初任給】
修士了:月給 229,800円(2017年度初任給実績)
大学卒:月給 210,600円(2017年度初任給実績)
お問い合わせ
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    NISSHA株式会社

    人事部

    〒604-8551 京都府京都市中京区壬生花井町3

    TEL:075-823-5120

    URL:http://www.nissha.com/saiyo/

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