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TDK株式会社

各部門の技術力を結集して
素材からシステムまで一貫生産

 1935年、東京工業大学が発明した世界初の磁性材料「フェライト」の事業化を目的として設立されたTDK。その後、この磁性技術を核に、4大イノベーション(フェライト素材・磁気テープ・積層部品・磁気ヘッド)を確立。自動車やICT、産業機器・エネルギーなどの分野で電子部品や電子デバイスを展開し、近年はIoTやヘルスケア、ウェアラブルデバイスなどの分野にも注力している。

 同社の強みは、素材・プロセス開発からソフトウエア開発、評価・シミュレーションに至るまで、製品開発の全工程を内製している点にある。電子部品・電子デバイスを一貫生産することで、生産性向上や高度な品質管理、技術・ノウハウのブラックボックス化を実現。競争優位性の源泉としているのだ。

 こうした強みが遺憾なく発揮された製品の1つが、電気自動車(EV)向けのワイヤレス給電システムだ。これは、地面に設置された給電コイルから、車両の床下に配置した受動コイルへと電力を伝送することで、無線で車両を充電するもの。実用化されれば、自動車を駐車するだけで給電できるようになり、EVの普及が加速すると期待されている。

 「ワイヤレス給電システムでは、電磁誘導現象、回路の共振現象などの物理現象の原理を利用しています。この仕組みでは、システムを構成する各部品の性能が、全体のポテンシャルをほぼ決めてしまうという特性を持っています。その部品のポテンシャルを引き出すのは、ソフトウエアやシミュレーション技術。当社は、この一連の技術をすべて保有しているので、各部門の力を結集して競争力の高いワイヤレス給電システムを開発することができます」。そう語るのは入社6年目の伊井 彰宏氏だ。

 大学では物性物理学を専攻し、入社後は一貫して自動車向けワイヤレス給電システムの開発に携わってきた。現在は、送受電コイルとその周辺の共振回路の開発を担当しており、同社の若きエースとして活躍している。

壁を乗り越えるたびに成長を実感
挑戦を通じて得られるものがある

 開発の現場では、様々な壁にぶつかることもある。伊井氏は、これを乗り越えるたびに、エンジニアとしての成長を感じているという。

 例えば、送受電コイルの熱の問題。作動させて電力を伝送すると、10%程度の熱の損失が発生する。そのため、各部品の使用温度範囲を超えないように、いかに熱を抑えるかが焦点になる。

 「入社2年目の時、自動車メーカーに出荷するサンプルシステムのコイル設計を初めて担当しました。その際、コイルの発熱に手を焼き、夜遅くまで悪戦苦闘しました。ですが、発熱自体を抑える回路構成を考えたり、放熱構造を改善したり、試行錯誤を繰り返した結果、遂に要求仕様を満たすことに成功。小型化を極限まで追求したコイルは、お客様を驚かせ、納品後、長くテストなどに使用されたと聞いています」と伊井氏は紹介する。

 また同社では、機械・電気・ソフトウエアなど、互いに異なる強みを持ったエンジニアが連携して開発を進める、部門横断的な体制ができている。そこに、可能な限り顧客となる車メーカーを巻き込みながら進めることで、実用性のある製品開発を追求しているという。こうした環境では、先輩エンジニアの進め方を間近で見て学んだり、実車の使用環境などの情報をメーカーから入手したりしながら、エンジニアとしてのスキルを磨いていくことが可能だ。

 「加えて、当社には『まず挑戦してみる』ことを是とする社風があります。失敗してもいい。面白そうならやってみよう——。そんな空気を体現してくれる上司や先輩の下、新しいことに取り組みやすい環境があります」と伊井氏は付け加える。

ワークライフバランスの実現も
部門貢献へのモチベーション

 こうして、今や同社のワイヤレス給電システム開発を牽引する存在となった伊井氏だが、社内をリードしているのは仕事だけではない。ワークライフバランスの実現という面でも、同社エンジニアの見本的な存在になっている。

 具体的には、入社4年目と6年目に1カ月ずつ計2回の育休を取得。仕事と家庭の両立に、意識的に挑戦してきた。「残業が必要な日はもちろんありますが、本来、定時で終われる仕事量が自分の実力に対する適切な仕事量だと思います。無理なく自分の業務をスケジューリングすることを意識し、現在はほとんど残業せずに家族との時間を大切にできています」と伊井氏。もちろん会社側も、こうした産休・育休取得や残業抑制を奨励し、周囲のフォロー態勢も整えるなど、働きやすい環境づくりに努めている。「こうした環境で働けているからこそ、一層成果で応えたいと感じます。男性の育休取得はまだ稀ですが、先導役として後に続く人のサポートもしていきたい」と伊井氏は話す。

世代の壁なく様々な分野のエンジニアが切磋琢磨しながら、1つの製品を作り上げる。失敗を恐れず挑戦する社風が、TDKのイノベーションを支えている
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目指すのは充電システムの大変革
チームで挑み世界をリードする

 改めて考えるまでもなく、現在の自動車では、「定期的にエネルギー源を補給する」という行為が当たり前のものとなっている。伊井氏は、こうした常識が覆る時代が、いずれやってくる可能性があると指摘する。

 「ワイヤレス給電システムは今後、単にケーブル抜き差しの手間を省くだけのEVのオプション装置ではなく、車の世界に『エネルギー補給を無意識化する』というパラダイムシフトを起こすもの。日々新しい発見がある領域で、技術が具現化していく様を目の当たりにできる点が、私にとって最大の魅力です。これからは、世界に向けて積極的に提案を行い、システムが世に出るまで開発をリードできる、“最先端”のチームを作っていきたいですね」(伊井氏)

 数々のイノベーションを具現化し、社会の進歩と暮らしの便利に貢献し続けてきたTDK。その技術の根幹を、伊井氏のような優れたエンジニアが支えている。

Corporate Data
会社情報 【資本金】
326億4197万円
【社員数】
連結99,693人(2017年3月期)
【設立】
1935年12月
【事業内容】
電子デバイス・電子部品の製造販売
採用情報 【採用職種】
技術系総合職(予定) (1)電子デバイス/電子部品開発・設計(2)回路設計 (3)材料開発 (4)プロセス技術 (5)生産技術 (6)品質保証(7)SE(システムエンジニア)(8)ソフトウェア開発(9)シミュレーション技術 (10)知的財産 (11)SCM(サプライチェーンマネージメント)
事務系総合職(予定)
(1)電子部品営業 (2)経理(3)人事(4)SE(システムエンジニア)(5)法務
【採用実績大学】
全国国公立私立大学、高専
【採用実績学科】
技術系:電気、電子、物理、化学、材料、機械、情報、経営工学系の全学部全学科
事務系:文系の全学部全学科、理系の全学部全学科
【勤務地】
東京(港区)、千葉(市川市、成田市)秋田(にかほ市)、長野(佐久市)、山梨(南アルプス市)、静岡(牧之原市)、大分(日田市)ほか 各事業所、営業所
【2018年入社予定数】
技術系 89名、事務系 14名
【初任給】
博士 月給 267,000円
修士 月給 234,500円
学部 月給 210,500円
高専 月給 185,500円
(2017年4月初任給実績)
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