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株式会社日栄

成形難度の高いスーパーエンプラで
高機能部品の開発ニーズを満たす

 機械や自動車、電子・電気機器などの基幹部品のうち、特に高い強度が求められるものは、従来の金属材料から新しいプラスチック材料に置き換わりつつある。一般のプラスチックは脆く割れやすいが、新たな分子構造を持つエンジニアリングプラスチック(エンプラ)と呼ばれる新素材は耐熱性や耐摩耗性に優れ、なおかつ軽量という利点を持つ。近年さらに高い強度や耐熱性を備えたスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)も注目され、様々な用途に利用され始めている。

 日栄は、スーパーエンプラの存在が国内であまり知られていなかった約40年前から、射出成形による高機能精密部品の製造を行ってきた。金型の設計・試作から精密射出成形による量産まで一貫体制で製造できるのが同社の強みで、その品質の高さは多種多様な分野の製造業から信頼を寄せられている。

いかに困難な技術的課題でも
“解”は必ず導き出せる

 代表取締役社長の杉浦 裕介氏は、経営者として会社を牽引しながら、エンジニアの1人として日々金型の設計を行っている。「他社が取り組まない困難な仕事に積極的に挑戦しよう、というのが、創業時から貫いているポリシーです」と、杉浦氏は言う。

 同社はかつて「内外径の振れ公差0.005の樹脂軸受け」の製造を依頼されたことがある。顧客が切削と研磨加工で形にしようとしていたが実現せず、苦慮の末に同社に相談を持ちかけたのだ。通常なら「できません」と断るはずの常識外のスペックだが、杉浦氏は「射出成形でなんとかしましょう」と受託。試行錯誤を繰り返して量産化にこぎつけた。

 「与えられたテーマは必ずどこかに“解”があるはずで、それを見つけ出すのがエンジニアの使命です。それまで自分たちには100分の1の精度しか出せないと思っていましたが、この案件を成功させたことで、1000分の1レベルのオーダーにも対応できるという自信がつきました」と杉浦氏は話す。

 困難な案件に挑戦するといっても、どんな無理難題もそのまま無条件で引き受けるというわけではない。顧客と社内の金型設計者や射出成形を行う技術者たちの間に立ち、新規案件を製造態勢に落とし込むまでの技術的調整をしているのが、技術担当取締役の池田 諭氏だ。

愛知県安城市の本社工場。最新鋭の成形加工機、金型製作設備、各種測定機器など充実した製造環境が整えられている
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 「お客様が製造しようとしている部品の設計図面を検証すると、辻褄の合わない点が出てきます。それを徹底的に洗い出して合理的な図面に修正することで、ようやく目指すスペックが現実味を帯びます。そこから金型を設計して試作を繰り返し、何度も試行錯誤を重ねることで、ようやく非現実的と思えた仕様の部品が完成するのです」と池田氏は説明する。

 これまでにも数多くの開発案件を成功させてきたが、その過程で蓄積された知見は、同社の財産そのものだ。数百種類に及ぶスーパーエンプラ素材の特性を知り尽くしているからこそ、どのような開発品にどんな材料が適しているかを的確に判断しながら、“提案型の開発”をすることができる。

 「お客様自身、半ば不可能だと思っていた案件が形になって喜ばれる。これこそまさに、ものづくりの醍醐味です」と杉浦氏は述べる。

良好なコミュニケーション環境が
エンジニアの成長を促す

 金型の設計と試作・検証を終えると、実際の射出成形による量産に入る。本社工場には42台の射出成形機があり、成形課に所属する7人のエンジニアが製造に携わっている。その成形課を取りまとめているのが、チームリーダーの新美 裕己氏だ。

 「私の任務は、納期に基づいて新規量産品の製造計画を立て、射出成形機とメンバー全体の運用を調整することです」と話す新美氏は、かつて別のメーカーで射出成形に従事していたが、日栄の高度な独自技術に加え、射出成形に携わる多くの技術者が憧れるスーパーエンプラを扱えることに強い魅力を抱いて入社した。

 「非常に高価な素材であるスーパーエンプラは、成形がうまくいったときに初めて高い価値を帯びるという点で、ダイヤモンドの原石のようなものです。粘度が高いため射出成形機に流しにくく、金型の温度もシビアにコントロールしなければなりません。それだけに図面通りの部品を仕上げたときは、何物にも替えがたい喜びを感じます」と新美氏。

部門の枠を超えた担当者同士の綿密な打ち合わせが、同社製品の万全の品質と高い精度を支えている
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 成形を行うエンジニアの経験やスキルにはバラつきがあるため、成形機の稼働中全員の進捗状況に目を配り、不具合の発生を未然に防ぐのも新美氏の仕事だ。問題に直面したエンジニアが他のスタッフのサポートを受けたいときに速やかに要請できるよう、新美氏はインカムの導入を提案。会社はそれに即応し、作業中のエンジニア同士がいつでもコミュニケーションを図れるようになった。同社にはこのように、社員からの提案を積極的に受け入れて業務環境を改善する風通しのよさもある。

 「前例のない開発案件を引き受けるときには、大きなやりがいを感じます。自らの射出成形の技術をさらに高めつつ、成形課全体のスキルの底上げを図ることが課題です」と新美氏は意欲を示す。

金属代替部品としてスーパーエンプラ素材の部品は多様な産業の先端用途に拡がりつつある
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 一方の池田氏も、「部品軽量化のニーズの高まりとともに、スーパーエンプラによる射出成形は今後飛躍的に伸びる分野だと思います。当社はスーパーエンプラを扱う技術に関して一日の長がありますが、そのことに安住せず、これまで通りひたむきな姿勢で開発を続けていくことが大切だと思います」と力強く語る。「チャレンジなくして進歩なし」が杉浦氏の信条であり、同社の根底に流れるスピリットである。

 “ネバーギブアップ”を合言葉に、画期的な部品を世に送り続けてきた日栄。その原動力となっているのは、個々のエンジニアのあくなき探求心と情熱なのだ。

Corporate Data
会社情報 【資本金】
1000万円
【社員数】
30人(2018年1月末現在)
【設立】
1978年11月
【事業内容】
〈スーパー エンジニアリングプラスチック 精密金型設計製作及び精密 成形品製造〉
採用情報 【採用職種】
技術系:金型設計・製作、成形など
【採用実績大学】
全国国公立私立大学
【採用実績学科】
技術系:電気・電子、機械、情報など
【勤務地】
愛知
【2019年入社予定数】
技術系:若干名 事務系:若干名
【初任給】
修士了:月給 210,000円(技術系)
大学卒:月給 200,000円(技術系)
高専卒:月給 170,000円(技術系)
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    株式会社日栄

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