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春のIT展示会 レビュー

Cloud Days 2018レビュー

基幹系からAIやビッグデータまで
最新ITが企業のデジタル化を加速

クラウドやAIの活用、企業システムのセキュリティ、ITが支援する働き方改革──最新のIT活用を紹介する日経BP社の春のIT展示会として、「Cloud Days」「FACTORY」「Security」「ビジネスAI」「IoT Japan」「働き方改革」の6展示会が、東京と大阪で開催された。ITの最新動向に関心を持つビジネスパーソンやエンジニアが多数来場。最先端の技術と活用事例をセッションで学び、関連ソリューションの魅力を展示会場のブースで確かめていた。

基調講演 | 東京会場

音楽配信サイトを完全クラウド化

稲荷 幹夫 氏
株式会社レコチョク
執行役員CTO
稲荷 幹夫 氏

 音楽配信サービス大手のレコチョクは、楽曲配信や課金処理のためのIT基盤を2年前に完全にクラウド化した。「商用システムはAmazon Web Services、社内システムはMicrosoft Azureという使い分けをしています」とレコチョクの稲荷幹夫氏は説明する。

 音楽配信では、音質を高めると楽曲あたりの容量が増加し、配信楽曲数を増やすと全体の容量がふくれあがる。また、楽曲のリリース時などに突発型の大量アクセスが発生することもしばしばだ。そこで、ストレージとネットワークを自前で持つことをやめて、世界的規模のパブリッククラウドを選択した。

 また、社内システムにMicrosoft Azureを使っているのは、オンプレミス時代の同社の社内システムがWindowsベースだったためである。「ハイブリッドクラウドストレージ『Azure StorSimple』を利用することによって、社内のファイルサーバーとクラウドストレージ間を自動的に同期させる使い方が可能になりました」と、稲荷氏。ランニングコストは、オンプレミス時代の約半分になっているという。

基調講演 | 関西会場

視聴者投票システムをAWSで開発

小南 英司 氏
朝日放送テレビ株式会社
技術局開発部
小南 英司 氏

 大阪のテレビ局、朝日放送テレビ(ABC)は、視聴者投票システムをAmazon WebServices(AWS)のサーバーレスアーキテクチャーを使って構築。2人の社員が開発期間43日+検証期間9日で完成させた。この投票システムは、お笑いコンテスト番組「M-1グランプリ敗者復活戦」のためのもの。

 同社にはオンプレミス型の視聴者投票システムもあるが、「高視聴率番組なので既存システムでは対応しきれない可能性があり、開発着手からオンエアまでの期間も1月半ほどと極めて短かった」と、AWSでの開発を決めた理由を朝日放送テレビの小南英司氏は説明する。

 さらに、「生番組と連動する上で欠かせない信頼性と冗長性を担保する」(小南氏)ために、AWS上で負荷テスト(最大1万件/秒)を繰り返し実施。当日は予備システムを米バージニア州で並行稼働させ、障害が発生しても処理を継続できるように備えたという。

 「今後は別の番組でもこのシステムを活用していく予定です」と小南氏はこれからの展開を語った。

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