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USB 3.0 ハブ向けコントローラ ― Cypress EZ-USB HX3最大8つのUSB接続で多様なインタフェースに対応!ACA-Dockなど多様な充電規格もサポート

機器の外部インタフェースだけではなく内部インタフェースとしても活用が進むUSB。ただし機器に多くのペリフェラルを搭載して高機能化を実現するには、十分な数のUSBポートを確保する必要がある。そうしたニーズに応えるサイプレスの「HX3」は、最大でUSB 3.0×4ポート+USB 2.0×4ポートを拡張できるハブコントローラだ。USB OTGデバイスに適したACA-Dockモードなど、さまざまな充電規格をサポートしているのも特徴である。

山田 祥之 氏
日本サイプレス株式会社 データコミュニケーション部門 マーケティングディレクター

 「USBポートが足りない!」。デジタル家電や産業機器のシステム設計者からそんな声が聞かれるようになってきた。

 というのも、カメラモジュール、Wi-Fiモジュール、メモリカードリーダー、磁気カードリーダー、ICカードリーダー、指紋認証リーダー、キーパッド、タッチパネル、Blu-rayドライブなど、デジタル家電や産業機器に組み込まれることの多いこうしたさまざまなペリフェラルのほとんどが最近ではUSBベースで提供されるようになっているためで、「マイコンチップやブリッジチップが装備するUSBポートだけでは、システムに必要な内部ポートおよび外部ポートを賄いきれないケースが増えています」と、日本サイプレスでUSB製品を担当する山田祥之氏は説明する。

 USBポート数の確保が命題となっているこうしたシステムに最適なのが、USB 3.0に対応したサイプレスのUSBハブコントローラ「HX3」である。後述する「Shared Link」テクノロジーによって、ひとつの「HX3」あたり、最大でUSB 3.0×4ポート+USB 2.0×4ポートを拡張できるのが特徴だ。

ポート数を2倍にする「Shared Link」テクノロジー

 「HX3」の特徴をいくつか見ていこう。

 まずポート数だ。前述のとおり「HX3」は、USB 3.0×4ポート+USB 2.0×4ポートの拡張が可能である。

 実際に装備しているのはUSB 3.0×4ポートのみだが、USB 3.0で使われる信号(SSTX+/-およびSSRX+/-)とUSB 2.0で使われる信号(D+/-)は互いに独立しているため、ひとつのポートをUSB 3.0+USB 2.0として同時並行で利用しようという独自の「Shared Link」テクノロジー方式を採用している(図1)。

図1 USBと3.0とUSB 2.0とで信号線を分割して使用しポート数を実質2倍にする「Shared Link」テクノロジー
[画像のクリックで拡大表示]

 たとえばUSB 3.0×4ポート+USB 2.0×4ポートの拡張が必要な場合に、4ポート構成の他社同等品であればUSB 3.0用とUSB 2.0用に2つのチップが必要になるが、ポート数を実質的に2倍に増やせる「Shared Link」を採用した「HX3」であればワンチップで構成できる。部品コストや実装面積の点で有利といえよう。

 なお、独自方式がゆえに互換性が懸念されるが、山田氏によると業界団体の「USB-IF」(Implementers Forum)が実施するコンプライアンス・テスト(互換性試験)に合格済みとのことなので心配は不要だ。サイプレス社内においても、6種類のホストコントローラ、3種類のオペレーティングシステム、4種類のハブコントローラ、74種類のUSBデバイスとの動作検証を行っているそうだ。ちなみにMicrosoft Windowsのデバイスツリーで見ると、ルートハブの下にUSB 2.0ハブとUSB 3.0ハブがそれぞれ現れる。

 伝送の安定性を図るためにPHYも工夫した。ハイスピードシグナルの伝送が課題になるUSB 3.0インタフェースは、ノイズマージンを確保できるように、トランスミッタの出力振幅を設定可能だ。またUSB 2.0インタフェースは、トランスミッタ側の出力振幅の設定に加えて、スルーレートの設定もできる。これらをデフォルト以外の値に設定にするにはコンフィギュレーション用に外付けEEPROMが必要になるが、アイ・ダイヤグラムのオープニングを確保しなければならない場合に有効な機能といえるだろう。

 同社の評価によれば、USB 3.0の推奨値である3インチ(約76mm)の3倍以上に相当する11インチ(約280mm)のトレースを介したダウンストリーム転送で、118mVという十分なアイオープニングが確認されているという。すなわち、プリント基板の設計における自由度が高いことを意味する。

ACA-Dockをはじめさまざまな充電規格をサポート

 最近ではUSBポートを充電ポートして使うケースも多い。そうしたニーズに合わせて、「HX3」はさまざまな充電規格をサポートしている。

 もっとも標準的な「USB Battery Charging Specification Revision 1.2」仕様(1.5A)のほかに、中国の工業情報化部(Ministry of Industry and Information Technology of PRC)が定める「Technical Requirement and Test Method of Charger and Interface for Mobile Telecommunication Terminal Equipment」仕様(通称YD/T 1591-2006)(1.8A)、およびAppleの充電規格(1.0Aおよび2.1A)にも対応した。

 また、「USB Battery Charging Specification Revision 1.2」仕様が定める「Accessory Charger Adapter」(ACA-Dock)もサポートする(図2)。通常のハブコントローラはUSB OTGデバイス用のクレイドル(ドック)からダウンストリーム側への充電しかできないが、「HX3」ならアップストリーム側への充電、すなわちOTGデバイスへの充電も可能だ。ちなみに現時点で、「ACA-Dock仕様に準拠し、アップストリーム側への充電が可能なハブコントローラは、今のところHX3のみ」(山田氏)だという。

 また、独自の機能として、USBのホストコントローラが存在しない場合でもデバイスを充電する「Ghost Charge」モードを搭載した(図2)。たとえばドッキングステーションが「HX3」を搭載しているのであれば、ノートパソコン(USBホストコントローラ)を外してもドッキングステーションからの充電が継続される。

 多様な充電モードに対応しているため、USB充電コントローラとしてさまざまなアプリケーションに展開できるのも「HX3」の特長といえる。

図2 アップストリーム側にあるUSB OTGデバイスへの充電を可能にする「ACA-Dock」と、USBホストコントローラがなくても充電の継続を可能にする「Ghost Charge」機能を搭載
[画像のクリックで拡大表示]

5Gbpsのデータ転送を支えるUSB 3.0ポートフォリオ

 68ピンQFNパッケージまたは88品QFNパッケージで供給される「HX3」は、すでに量産出荷を開始しており、サンプル品と評価ボード(リファレンスデザイン)(図3)も現在提供中である。

図3 開発するアプリケーションでキーとなる機能に合わせて各種評価キットをラインアップ
[画像のクリックで拡大表示]

 「USB 3.0をサポートしながら最大で延べ8ポートを拡張できる『HX3』は、産業機器、組込み機器、デジタル家電など、機器内部のペリフェラル接続にUSBを用いるさまざま機器や製品に最適なハブコントローラと考えています」と山田氏は述べる。もちろん、機器の外部USBポート数を増やす目的のほか、USB 3.0対応のハブ製品あるいはクレイドル(ドッキングステーション)にも適当だ。

 ちなみにサイプレスはUSBコントローラ分野で業界トップレベルとなるシェアを誇っており、USB 3.0に対応した汎用ペリフェラルコントローラ「FX3」やカメラモジュール向けCSI-2(MIPI)ブリッジコントローラ「CX3」などを展開中だ。今回ハブコントローラの「HX3」が加わったことで、USB 3.0のポートフォリオの拡充が図られたことになる。

 5Gbpsという高いデータレートでペリフェラルを接続できるUSB 3.0を活用した高性能システムの実現に、サイプレスのUSBコントローラファミリが活躍してくれるだろう。

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