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絶縁型インタフェースを「超」手軽に!μModuleがインタフェース設計を変える

絶縁型インタフェースを「超」手軽に!μModuleがインタフェース設計を変える

RS-485やRS-232インタフェースは今も産業機器や計測機器や医療機器などで広く使われているが、機器を外来ノイズから保護するにはインタフェースを絶縁型として構成しなければならないという課題がある。リニアテクノロジーの「LTM288x」シリーズは、こうしたニーズに応えたμModule製品だ。絶縁型トランスミッタや絶縁型電源をワンパッケージに封止し、外付け部品を必要としないのが特徴である。USB 2.0版も取り揃え、高信頼かつ高堅牢なインタフェースニーズに対応する。

水村 英樹 氏
リニアテクノロジー株式会社 大阪支社 セールスマネージャ

 ファクトリーオートメーション(FA)やプロセスオートメーションをはじめとする産業分野では、RS-485(TIA/EIA-485)が装置間または筐体内インタフェースとして今も根強く利用されている。10m以内であれは35Mbit/s、規格上の最長である1200m以内であれば100kbit/sと、レガシーなインタフェースとしては比較的高速であり、装置間あるいは装置内(基板間)の接続のほか、PROFIBUS、Modbus、CC-Linkなどの業界標準バスの物理層としても使われている。

 「産業、計測、モーター制御、メディカルなどで活用されているRS-485のような外部インタフェースは、信頼性と堅牢性をいかに確保するかが重要です」と、リニアテクノロジーの水村英樹氏は述べる。

 というのも、こうしたインタフェースは工場などの過酷な環境下に設置されることが多いため、伝送途中でノイズが混入して信号に重畳したり、ケーブル長が長い場合にドライバとレシーバとの間でグランド電位のシフトが簡単に起こり得るからだ。

 過度なノイズ電圧や過度なグランドシフトがレシーバに加わると、通信エラーによる誤動作だけではなく、レシーバICの破壊や装置の故障を引き起こしてしまうこともある。医療機器であれば誤動作や故障は人命にもかかわりかねない。

 このような課題に対して一般には絶縁型トランシーバを使ってノイズ耐性を高める方法が用いられるが、トランシーバの絶縁耐性の確保や二次側回路を駆動する絶縁電源も必要であり、実のところ技術的には決して簡単ではない。システムの価値を決める本来の機能開発に回すべき工数を、それ自体は価値を生まない旧来のインタフェース周りの設計に費やさなければならず、エンジニアにとってはハードルのひとつになっていた。

絶縁型トランシーバと絶縁型電源をワンパッケージで

図1. ワンパッケージでRS-485の絶縁型インタフェースを実現する、リニアのμModule「LTM2881」

 信頼性と堅牢性に優れたRS-485の絶縁型インタフェースを設計負担なく実現してくれるのが、リニアテクノロジーが開発したトランシーバモジュール「LTM2881」(図1)である。

 差動構成の絶縁トランシーバや5V出力の絶縁型DC/DCコンバータなど、絶縁型のインタフェースを構成するために必要な部品のすべてをわずか15mm×11mmサイズのパッケージに封止した、リニア独自の「μModule」(マイクロモジュール)製品だ(図2)。

図2. 絶縁トランスや絶縁型DC/DCコンバータなど、およそ20個の部品をモジュールに封止した。パッケージサイズは15mm×11mmと小さい。
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  基本的に外付け部品は一切不要[*]であり、「LTM2881」を基板に実装するだけで絶縁型トランシーバを構成できる。([*] 終端条件が異なるPROFIBUSなどでは数個の外付け抵抗が必要)。

 絶対最大定格における一次側と二次側の絶縁耐圧は2500Vrms(1分間)を実現しており、動作可能耐圧も560Vpeakまたは400Vrmsと高く、さらに30kV/μsを超える同相過渡電圧が加わったときでも通信が遮断されないなど、過大なコモンモードノイズに対してきわめて堅牢である。ESD耐圧も±15kV(人体モデル)を確保している。「耐圧が高いだけではなく、通信の信頼性を確保しているところが、他社のモジュール製品とは違います」と、水村氏は強みを訴求する。

 データレートは最大で20Mbpsまたは250kbps(スルーレート制限モード)をサポートする。

図3. CISPR 22 class Bを下回る優れたEMI性能を実現

 「LTM2881」はノイズにも配慮したモジュールとして構成されているため、EMI(ノイズ放射)が少ないのも特徴で、国際無線障害特別委員会が定めた「CISPR 22 class B」を十分にクリアしている(図3)。ディスクリートで絶縁型インタフェース回路を構成した場合に、開発終盤にこうした規格に収まらないことが発覚して、ノイズ対策に多くの時間を費やしてしまうような事例も指摘されるが、μModuleの「LTM2881」を使う限りはそうした心配は不要である。

 また、リニアテクノロジーは基本的に製造中止を行わないことをポリシーとしているため、単体部品で回路を構成したときのようなディスコン(生産終了)を憂慮する必要がないのも、製品ライフサイクルの長い産業機器等ではメリットになるだろう。経年劣化が指摘されるフォトカプラーとは違って、トランスで絶縁回路を構成しているため信頼性も高い。

将来の応用拡大を見据えた絶縁型USBインタフェース

 リニアテクノロジーでは、RS-485に対応した「LTM2881」のほかに、同様の絶縁型μModule製品として、RS-232に対応した「LTM2882」、SPIに対応した「LTM2883-S」と「LTM2892-S」(絶縁電源なし)、I2Cに対応した「LTM2883-I」と「LTM2892-I」(絶縁電源なし)、および、USB 2.0に対応した「LTM2884」をラインアップしている(図4)。

図4. 絶縁型インタフェースを実現するリニアの「LTM288x」ファミリ
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 このうちUSB 2.0に対応した「LTM2884」は、工業系や医療系でUSBインタフェースの採用が広がっている中で、ノイズ耐性を高めるためにUSBを絶縁型として接続したいというニーズに応えたソリューションだ。水村氏によると、USBの絶縁型インタフェースを実現するシングルパッケージのモジュール製品はリニアのLTM2884が世界初だという。ホスト機器のインタフェース部のほか、絶縁型ハブにも最適なソリューションだ(図5)。

図5. 「LTM2884」を4個用いて、4ポートの絶縁型USBハブを構成した例
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 「LTM2884」に内蔵される絶縁型DC/DCコンバータは二次側に最大2.5Wの電源を供給できるため、二次側に置いたUSB周辺機器などを駆動することもできる。すなわち、消費電力が2.5W以下であれば、構成が複雑で高コストな絶縁型電源を外部に設ける必要がない。

 データレートは、USB 2.0のフルスピードである12Mbpsまでをサポートするほか、ロースピードの1.5Mbpsでの転送にも対応する。

エンジニアリングリソースを本来の付加価値開発に

 水村氏は「エンジニアの皆さんの貴重な設計工数を、製品の本来の機能開発に向けて欲しい」と述べる。その代わりに、付加価値にはなりにくい標準インタフェースのところはリニアが責任を持って分担するとの考えだ。

 絶縁型回路をディスクリートで構成するのは意外と難しく、しかもCISPR22などの試験も必要だ。また実装面積もあまり小さくはできない。

 リニアのμModule「LTM288x」シリーズであれば、文字通り置くだけで済む。しかも耐圧性能や特性をリニアが保証しているため、評価や調整を行う必要もない。特段のEMI対策も不要だ。また、μModuleは車載用途などで実績が豊富であり、パッケージとしての信頼性も折り紙つきだ。

 産業、プロセス、計測、モーター制御、メディカル機器など、ノイズに強い外部インタフェースを必要とする分野にさまざまなメリットをもたらしてくれるだろう。

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