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大阪でアナログセミナーを開催 明日から役立つ最新動向などを紹介

大阪でアナログセミナーを開催
明日から役立つ最新動向などを紹介

アナログ回路技術に対する関心の高まりを受けて、リニアテクノロジーは、「大阪 アナログソリューション・セミナー」をグランフロント大阪(大阪市)にて2017年2月24日(金)に開催する。最新のアナログソリューションの動向のほか、LTspiceのハンズオンセミナーなど、明日から生かせる回路設計のノウハウが紹介される予定だ。セミナーや展示の内容について簡単にプレビューする。

石田 浩史 氏
リニアテクノロジー株式会社
大阪支社
支社長

 産業、通信、車載など多くの分野で、その重要性があらためて指摘されているのがアナログ技術だ。実装の高密度化、効率的な放熱、センサー素子が出力した微小信号の高精度なデジタル変換、半導体プロセスの微細化に伴って低電圧化が進むマイクロプロセッサやFPGAへの安定的な給電、EMI対策など、先進的な機器やシステムを構築するには「1」と「0」だけを扱うデジタルでは解決できない問題に対処しなければならないからだ。

  そうした背景を受けて、アナログ半導体を提供するリニアテクノロジーは、2017年2月24日(金)にグランフロント大阪(大阪市)にて、「第1回 大阪 アナログソリューション・セミナー」を開催する。

  「お客様に、アナログソリューションの最新動向と、明日から生かせる回路設計のノウハウを紹介する場として企画しました」と、リニアテクノロジー大阪支社支社長の石田浩史氏は説明する。

  一般にこういった技術セミナーは東京圏で行われることが多いが、今回は敢えて大阪での開催にこだわったという。「西日本のお客様に最新かつ有益な情報をお届けして、ビジネスに役立てていただきたいと考えて企画しました」(石田氏)。

図1. 2017年2月24日に開催される「第1回 大阪 アナログソリューション・セミナー」
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LTspiceのハンズオンセミナーも開催

 今回のアナログソリューション・セミナーは3本の柱で構成される。ひとつ目の柱が基調講演や技術講演で構成されるトラックだ。オープニングを飾る基調講演には、米Linear Technologyで電源IC事業などを統括するスティーブ・ペトケビッチ(Steve Pietkiewicz)副社長が登壇する予定だ。なおペトケビッチ氏は、リニア社内で優れたアナログ技術者のみに与えられる「アナログ・グル」(グル=導師・第一人者)の称号を持つ一人である。

  基調講演のあとには技術セミナーが並ぶ。具体的には、「勝者のIoT戦略、ワイヤレスセンサーネットワーク DUST Networks製品を用いた成功例」、「電源を使った故障予知、予防保全とは(パワー・システム・マネージメント)」、「LTspiceによる設計の効率化 ~開発期間を短縮、技術者教育を体系化するために~」、「電源小型化最前線 ~サイズ、効率、ノイズのトレードオフを超えて~」、「電源位相補償 ~過渡応答性能と安定性~」、「超小型絶縁電源 ~IoT、インダストリー4.0 繋がる機器間の問題を解決~」、「逐次比較ADコンバータ、高速化と高分解能化の最前線」、といったセッションがプログラムとして設けられる。

  二つ目の柱がアナログ回路シミュレータ「LTspice」のハンズオンセミナーである。「基礎から学ぶLTspice」という初級編と、LTspiceをより詳しく使いこなしたいという中級者向けの「応用編」が、都合のよい時間帯に受講できるようにそれぞれ45分ずつ交互に開催される。

  会場には人数分(各定員20名)のパソコンが用意され、LTspiceを実際に操作しながら使い方をマスターできる。まさに「明日から役立つ」内容といえるだろう。

EMIを抑えたサイレントスイッチャファミリほかを展示

 三番目の柱がリニアテクノロジーの最新ソリューションの展示およびデモである。いくつかを抜粋してみよう。

  目玉のひとつが、高効率と省スペースを犠牲にすることなくEMIノイズを同社従来品に比べて最大20dBも抑制したスイッチング電源IC、「サイレントスイッチャ(Silent Switcher)」ファミリだ。入力電圧(VIN)ピンとグランド(GND)ピンのペアをパッケージの左右に対称に設けて、それぞれのループ面積を極小化するとともに、ループで発生する磁界がお互いに打ち消しあうように工夫したのが特徴である。

  これまでは単体の「LT8640」(入力電圧範囲3.4V~42V、出力電流5A)が中心だったが、新たなサイレントスイッチャ製品として、3.5A出力の電源回路全体をシングルパッケージに封止したμModule(マイクロモジュール)版の「LTM8053」がリリースされた(図2)。電圧設定用抵抗などの部品だけで電源回路を構成できるため、そのぶんの開発工数を付加価値の作り込みに振り分けることができる。

  サイレントスイッチャアーキテクチャを採用した36V/2A出力の昇圧LEDドライバ「LT3922」も登場した。たとえばマシンビジョンシステムのライティングなど、産業分野にもLEDの応用が広がっているが、LT3922を使えば駆動回路からのEMIノイズの発生を抑えられる。

  機器やシステムを構成する内部回路の電源制御や予防保全、およびテレメトリに適するのがパワーシステムマネージメント(PSM)ソリューションである(図3)。複数のスイッチングレギュレータを対象にしたシーケンス制御(電源オンおよび電源オフ)、さまざまなフォルトモニタリング、コア電圧の動的制御を実現するダイナミック電圧調整、出力電圧の最適化、電圧マージン試験を効率化するマージニング機能、さまざまな設定を効率化するWindowsベースのアプリケーションなどを特徴とする。

  最先端のマイクロプロセッサやFPGAなどに求められる高度な電源要件を満たせるほか、フォルトの検出を通じて予防保全やテレメトリも実現できる。高い信頼性や保守性が求められる産業機器に最適といえるだろう。

図2. サイレントスイッチャベースのμModule「LTM8053」
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図3. 電源制御や予防保全、テレメトリに最適なパワーシステムマネージメント(PSM)
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PoEソリューションやFET入力オペアンプも展示

 工場内の省配線化に適したソリューションが、Ethernetケーブルを通じてデータ転送と同時に給電も行う「PoE(Power over Ethernet)」である(図4)。IEEE 802.3at(旧802.3af)として国際標準規格が定められており、13Wまでの給電が可能な「Type1」と、25.5Wまでの給電が可能な「Type2」(PoE+)とがある。

  さらにリニアテクノロジーは、IEEE 802.3atと互換性を維持しつつ、給電電力を高めた「LTPoE++」という仕様を独自に開発した。38.7W、52.7W、70W、90Wの4種類の給電レベルがあり、最大となる90Wの場合で受電側の使用可能電力は76.8Wと大きい(図5)。給電側と受電側との間で認証が完了するまで給電をスタートさせないなどの安全対策も盛り込んでいる。90Wの電力により、これまでPoE化をあきらめていた大型ディスプレイやPOSレジなども含め今後劇的に応用範囲が広がることが予想される。

  センサーアプリケーションのフロントエンドに適したFET入力オペアンプとしては「LTC6268-10」(シングル回路)および「LTC6269-10」(デュアル回路)がある。利得帯域積は4000MHz(4GHz)と大きく、かつ、4.0nV/Hz(@1MHz)または7fA/Hz(@100kHz)と電圧ノイズおよび電流ノイズがきわめて小さいのが特徴だ(図6)。A/Dコンバータの前段として、微小な信号を扱う高性能なトランスインピーダンスアンプなどを構成できる。産業機器あるいは医療機器におけるセンシングに適当だろう。

  以上のようなソリューションが今回のセミナーで展示される予定だ。また、アナログ技術に関する個別相談会も開催される(予約制)。

図4. Ethernetケーブルで最大90Wの給電が可能なPoE(LTPoE++)ソリューション
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図5. 802.3atおよびLTPoE++におけるPSE(給電機器)とPD(受電機器)の組み合わせ一覧
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図6. 帯域積4000MHzの高速オペアンプ「LTC6268-10」の優れたノイズ特性(入力容量×入力電圧ノイズ+入力電流ノイズ)
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アナログ技術を高めて付加価値の向上を

 実装設計や基板設計、電源回路設計や安定給電、放熱、EMIの抑制と対策、高速信号の伝送や正確な観測、微小信号の増幅、アナログ値の正確なデジタル変換、温度ドリフトや経年ドリフトの最小化など、機器やシステムをまとめるにはさまざまなアナログ技術が必要だ。

  一方で、国内のアナログ技術者は大半が定年を迎えるなどして空洞化が進み、いざ若手を育成しようとしても指導できる中堅層が不足しているとされ言われている。

  「企業の中でアナログの重要性が再認識されてきましたが、技術を根付かせていくには5年から10年といった長期的な取り組みが必要です。微細化や革新的なアーキテクチャの開発を背景に進化を続けるデジタルの機能や性能を引き出し、付加価値の高い高収益なビジネスを構築するうえで、アナログ技術はきわめて重要な役割を果たすというのがリニアテクノロジーの考えです。ぜひ今回のセミナーを通じてアナログの最先端のソリューションに触れていただければと思いますし、ひいては、こうした技術セミナーが一助となって、西日本の産業がさらに元気になって欲しいと願っています」と、石田氏は述べる。

  リニアテクノロジーが主催する「第1回 大阪 アナログソリューション・セミナー」にご興味のあるかたは早めの登録をお勧めしたい。基調講演を含むセッションの聴講や展示の見学は無料だ。なお、申し込み多数の場合は抽選になるという。

お問い合わせ
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    アナログ・デバイセズ株式会社

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