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日経テクノロジーonline SPECIAL

照明用LEDの技術と市場をリード、 ミドルパワー品を軸に日本市場を開拓

世界有数のLEDサプライヤとして活躍する韓国Seoul Semiconductor社。同社の日本法人ジャパンソウル半導体は、顧客を増やしながら、着実に日本市場における存在感を高めている。LEDを搭載した新照明システムの市場が活発化してきた今が好機と見た同社は、ここで日本市場におけるシェアを一気に伸ばす考えだ。そのための戦略や、その戦略の基盤を支える同社の製品や技術について、日本法人代表取締役の堤伸行氏に聞いた。

堤 伸行氏
ジャパンソウル半導体 代表取締役

 韓国Seoul Semiconductorは、近年急成長した韓国企業の一つである。「LED市場では、世界第5位の売上額を誇っています」(堤氏)。同社事業を支える大きな柱は照明用とバックライトユニット用の白色LEDだ(図1)。「このところ白色LEDの市場をけん引していた用途は、液晶テレビに組み込むバックライトでした。ところが、ここにきて白熱電球や蛍光灯など既存の光源をLEDに置き換えたLED照明の市場の伸びが世界の主要市場で加速してきました。これとともに照明用LEDの需要が急拡大しており、私たちの照明用LED事業が大きく伸びる機運が高まっています」(堤氏)。  

 同社の2012年の売上額は8億5000万ドル。そのうちの半分以上を占めるのは液晶のバックライトに使われるLED素子やLEDモジュールの売り上げである。残りが照明用途だ。「売上全体に占める照明向け製品の比率は着実に増えています。近い将来には売上の半分以上を占めるようになると見ています」(堤氏)。

図1 需要が高い3030パッケージや5630パッケージをはじめ独自開発の駆動制御LSIを搭載したモジュールなどを提供
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 照明用LEDの市場を狙うLEDメーカーは多い。こうした中で同社の大きな強みの一つは、照明用LEDを搭載した最終製品を扱っていないことだ。同社は、子会社の韓国Seoul Optodevice社からLEDチップを調達。これを様々なパッケージやモジュールにして提供している。「大手LEDメーカーの中には、パッケージと同時にその応用製品のビジネスを手掛けている企業があります。こうした企業の場合、最終製品の市場で、顧客と競合する可能性があります。パッケージやモジュールのビジネスだけに特化しているSeoul Semiconductorならば、こうした心配は不要です」(堤氏)。

特許への取り組みで高い評価

 同社の躍進の大きな原動力の一つは、高い技術力である(図2)。「年間の売上額の10%を研究開発に投資しており、これまでに取得した特許は1万件を超えました。米国の電気電子技術者学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)が特許に関する企業の取り組みを評価する「Patent Power」のランキングでは、半導体製造部門で10位に入り、LEDメーカーとしては唯一のランクインとなりました」(堤氏)。同社は、青色LEDの発明者として有名な米University of California, Santa Barbara教授の中村修二氏を2010年3月から技術コンサルタントとして迎えて、先進的なLED製品の開発にも積極的に取り組んでいる。「GaN系結晶を利用した高効率LEDの研究もそのひとつです。」(堤氏)。

図2 発展の原動力は高い技術力
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同社は高い技術力を活かして幅広い品種の照明用LEDを揃えている。具体的には、交流直接駆動型、直流駆動型、GaN(ガリウムナイトライド)をサブストレートに使った「nPola」などを提供している。

先進的な製品を積極的に展開

 交流駆動型では、駆動電圧制御LSIとLEDデバイスを一体化したモジュール「Acrich2」を中心に展開している。「2012年から提供しているAcrich2は、戦略製品の一つです」(堤氏)。同社が従来展開していた交流直接駆動型LED「Acrichシリーズ」を発展させる形で開発されたAcrich2は、LEDの駆動電圧波形を理想的な正弦波に近づける独自開発の駆動電圧制御用LSIを搭載しており、AC/DCコンバータ不要で、コンパクト設計や軽量設計を可能にする柔軟性が特長だ。AcrichシリーズのMJT (Multi-Junction Technology)も戦略製品である。この製品は直流/交流電源いずれにも対応するが、直流駆動を想定しており、順方向電圧が13V~64Vと一般的なLEDよりも高く、簡易電源でソリューションを構成することができる点が特長である。

 直流駆動型では、「ハイパワー」「ミッドパワー」「ローパワー」と大きく三つのカテゴリの製品を展開している。「特に品揃えが充実しているのがミッドパワー品です。これまで、照明用途には、主にハイパワー品が採用されてきましたが、ミドルパワー品に移行しつつあります。当社の場合は、LED照明でのニーズが高い5630パッケージ品を中心にミッドパワー品の品種が豊富です。その数は業界の中でも抜きんでていると思います」(堤氏)。

nPolaは、前出の中村修二教授との共同研究の成果を活かした先進的な製品である。多くの従来型照明用LEDは、発光素子の基板がサファイヤでできていたのに対して、nPolaではGaNを使った基板を採用している。「GaN基板上にGaNを成長させることによって結晶欠陥が格段に少なくなり、単位面積当たりの輝度を5倍~10倍に高めることができる点が特長です。今後さらに開発を進め、非常に高い演色性を備えたLEDを実現できるようになります」(堤氏)。同社は、nPolaの技術を採用した製品の量産出荷を、2013年中に開始する予定だ。このほかに同社は波長が255nm~400nmの紫外LEDも提供している。「紫外光は殺菌などの効果を発揮します。このため医療用機器など新しい用途に広がる可能性があります」(堤氏)。

日本市場で着実にシェアを拡大

 LED照明に向けた製品を数多く提供している同社の日本市場における事業を担当しているのが日本法人のジャパンソウル半導体である。「日本は、LED照明の普及が進んでいる市場です。さらに東日本大震災以降、照明の光源をLEDに置き換える動きが一段と加速しており、照明用LEDの需要が一段と伸びています。これに着実に応えることで、日本の市場を開拓し、2013年中に日本での市場シェアを10%にまで高めたいと考えています。日本市場では、照明用LEDの市場が伸びるにつれて、私たちが得意としているミッドパワー品の需要が伸びてきました。これは市場を開拓するうえで有利だと思っています。すでに多くの大手照明器具メーカーやアミューズメント機器メーカーの皆さんにデバイスやモジュールを採用していただいています」(堤氏)。

 同社は日本市場におけるシェア拡大に向けて事業体制の強化を図る考えだ。「すでに、日本法人内に品質保証の組織を設け、万が一品質の問題が生じたときには、速やかに原因を解析できる体制を整えています。これに加えて2013年中に技術者の増強を図り、これまで続けてきた提案型の営業を一段と強化します。ジャパンソウル半導体の今後の展開に是非注目していて下さい」(堤氏)。

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    ジャパンソウル半導体

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