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照明用LEDの選び方(1) ~技術の変遷とトップメーカーの強さ~

 光源の最も原始的な形態がろうそくだとしたら、その歴史は非常に長いと言わざるを得ない。この原始的な光源は、依然としてなくなる気配はない。続いて登場した光源の形態はフィラメントを電流で熱して発光させる白熱電球である。さらに続いて、電子を飛ばして水銀を刺激することで蛍光体を光らせる蛍光灯も登場した。実は、こうした白熱電球や蛍光灯の発光原理は、LEDとは大きく異なる。白熱電球や蛍光灯などの光源は、電気エネルギーを別のエネルギーに変換して光を発する。これに対して、LEDは電気エネルギーを直接光に変換する。

LEDの技術の系譜

 開発レベルではLEDの歴史は100年以上に及ぶ。製品化されたのは1960年代と言われ、ガリウムリン(GaP)を材料とした赤や黄緑のLEDが、電化製品などのパイロットランプに使われるようになった。この材料のグループでは、3元系化合物半導体のガリウムアルミニウムリン(AlGaAs)を使った赤色LEDが、2cd~3cdレベルの輝度が確保されるようになると、表示板やハイマウントストップランプなどで採用されるようになった。LEDは電球よりも長寿命で応答が速いからだ。しかも、ピーク波長660nmは注意喚起に適していると言われていた。また、アルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)といった4元系材料としたLEDも登場し、同じような用途に使われている。これらが第一世代のLEDである。

 第二世代として出てきたものが、蛍光体を使った白色LEDだ。高輝度青色LEDの登場によって、こうした白色LEDの量産が始まった。この青色LEDと蛍光体を組み合わせた白色LEDは、Side Viewタイプが小型液晶バックライトに数多く採用された。これによって、バックライト用と照明用という2つの流れが出来上がった。照明用にはTop ViewタイプのMiddle Power LEDが開発された。ただし、当初は1チップの輝度はまだ十分に明るいものではなく、1つのパッケージの中に3チップを実装したものが作られた。電流(IF)は最大60mAから、せいぜい70mAぐらいまでに対応したパッケージを採用した製品が主流である。このころHigh Power系のLEDも登場している。これはチップサイズが1mm × 1mm程度と大きく、700mA程度の電流を流すことができた。

発光効率の向上で普及の兆し

 Mid Power系の3チップ・パッケージのLEDは、まず大手家電メーカーではなく、照明を扱うベンチャー企業が、直管型モジュールに応用した。現在のものと比べて、輝度は低く、LEDの「つぶつぶ感」が目立っていたことから、こうした製品が市場で認知されるには時間を要した。一方、照明メーカーは、High Power LEDを使って、何かできないか、LEDをどのように使えば照明に応用できるかを模索して、ダウンライトやスポットライトなどの用途から展開を始めた。これとは別に、看板の内照や壁面の装飾、間接照明用途に、Mid Power品を使う流れもできてきた。

 LEDの発光効率(1W当りの全光束)が100ルーメン/Wを超えれば、主照明(蛍光灯や電球など)を置き換わると言われていた。実際、その効率に達したあたりで、E26型電球がLEDに置き換わる動きが出てきた。これと同時に、白熱電球に比べてLEDが長寿命、省エネであるという認識が世間でも広がった。大手メーカーは、LED電球が高価な分、調色/調光ができるといった付加価値を追加するとともに、平均4万時間と長寿命であるという長所を積極的にアピールした。

日々進化するLEDの発光効率

図1 ソウル半導体のMid Power LED 5630パッケージ
効率競争の牽引役、最高で180~200ルーメン/Wの発光効率を提供する。
[画像のクリックで拡大表示]

 照明用途としては、LEDの発光効率が100lm/Wを超えることが普及の分水嶺と考えられてきたが、現在は180ルーメン/Wから200ルーメン/Wの製品が量産可能なレベルになっている。これほど急速に効率が向上した理由は、LEDの構造にある。光のパワーを上げるために内部量子効率、外部量子効率の両方を改善すべく研究が続けられてきた。さらに、蛍光体の改良、パッケージングのノウハウも効率アップに貢献している。LEDを照明に使い始めた頃は50ルーメン/W以下だったが、現在では器具で160ルーメン/W~180ルーメン/W、190ルーメン/Wの直管型も市場に出ている(図1)。こうした製品を実現するには、LEDそのもので180ルーメン/W~200ルーメン/Wの効率が必要になる。

韓国企業が先導する効率競争

 直管型などに使われる高効率品は、Mid Power LEDである。このMid Power LEDの効率競争を先導しているのがソウル半導体をはじめとする韓国系LEDメーカーだ。韓国のメーカーは狙いを定めた特定分野に集中投資して、短期間で量産レベルまで技術を発展させることが得意だ。

 しかも、規模の経済が十分に生かされている。韓国系LEDメーカーは、液晶パネル市場における圧倒的なシェアを背景に、バックライト用LEDを大量に生産。LEDの製造装置にも莫大な設備投資をしてきた。このため1枚のウェハから得られるLEDチップにうち超高効率品が占める割合は同じだとしても、全体の生産量が多いことから、まとまった数の超高効率品を確保できた。つまり、平均的な効率の製品から、高効率品、超高効率品までラインアップを揃えることができたわけだ。これが、市場を開拓するうえで大きな強みになった。LEDの効率を重視する照明器具メーカーが多いうえに、省エネこそが消費者がLED照明を導入する最大のモチベーションになっているからだ。

コスト抑制に向けた様々な工夫

 照明器具としての効率を向上させるために、最近では照明メーカーは、電流を少なくして、効率優先で照明器具の設計をしている。この場合、明るさを確保するために使用するLEDの個数が増えるので、LED特有の「つぶつぶ感」が目立たなくなるというメリットがあるものの、LEDのコストが下がらないというジレンマが生じる。つまり、効率も見栄えも両方を満足するぜいたくなLEDの使い方である反面、コストが犠牲になっているということだ。そうすると、多少のつぶつぶ感を許容する、もしくは、器具側の光学設計の技術向上によって、LEDの一つひとつから出す光の量を上げて、使う個数を削減。効率とコストの両立を図ろうという考え方も出てくる。実際、効率に優れたMid Powerにこだわるのではなく、光量重視のHigh Power製品を応用することを検討する照明器具メーカーが増えてきた。

 一方、Mid PowerやHigh Powerのパッケージ製品という考え方を捨てて、Chip-on-Board (COB)を採用する動きもでてきた。パッケージの場合は、LEDとLEDの間で光の境目ができてしまうが、COBの場合は、チップとチップの間も蛍光体を配合した樹脂が覆うので、境目がなくなり、逆にチップの配置の仕方によっては光を密集させることができる。こうして、つぶつぶ感をなくしながら、使用するLEDチップの数を減らすこともできる。COBでフリップチップ実装にして、ワイヤーがなくなると、樹脂応力に対する信頼性が高まり、メンテナンスの頻度を下げることができる。こうした特長は、光の絶対量が必要となる高天井や工場照明などのアプリケーションでは重要だ。

長寿命に対応するには

 メンテナンスや交換の頻度を減らし、4万時間や6万時間以上の寿命が求められる照明器具では、ワイヤーの断線などの危険性をなくすためにフリップチップ実装にする、樹脂の応力をなくすために封止の構造を変える、などが様々な工夫が必要になる。COBのように多数のチップを並べる場合、フリップチップ実装であれ、ワイヤボンディングであれ、アセンブリによって起こるトラブルの可能性が排除できない。だが、ソウル半導体の「Acrich」のように、1つのチップの中に多数のp-nジャンクションを作りこむことによって故障の可能性を下げるという方法もある(図2)。

図2 中国揚州市で採用されたAcrich2による街路灯
AC/DCコンバータが不要で、部品点数が少なく、長寿命である点が評価された。

 Acrichの場合、電源にAC/DCコンバータや電解コンデンサが必要ないので、LEDの寿命よりも長い部品によって回路を構成することができる。これによって製品としての寿命を長くすることが可能だ。また、nPolaというソウル半導体の新技術を応用したLED製品では、単位面積当りの光出力が格段に大きく、少ないチップ数で高い輝度を確保することができる。こうした製品を利用して、故障の確率を下げることも可能だ。つまりソウル半導体の独自技術は信頼性向上に貢献する。

 このように、照明ランプや器具を設計する際には、コストや光束、発光効率だけではなく、光の見栄えや寿命/信頼性なども考慮してアプリケーションに応じたLEDを選択する必要がある。連載の第2回目では、本稿で述べたそれぞれのLEDの特長をもう少し具体的に説明する。なお、本稿で紹介したソウル半導体の各製品/技術について情報は、同社のウェブサイト(www.seoulsemicon.com/jp/)で提供されている。

新製品情報 2525シリーズ
MJT 2525: 7セル(VF = 23V)をワンチップに実装した高電圧Mid Power LED
超小型パッケージ(2.5mm x 2.5mm)
高い発光密度: 15ルーメン/mm2 (Mid Power LEDの市場平均の約5倍)
高いルーメン出力: 95ルーメン(typ) @ 40mA
色温度および演色指数: 2600K~3000K、CRI 80 (min)
詳細: www.seoulsemicon.com/jp/html/Product/2525_0324.asp 
2525 Blue Pump: 「リモートフォスファー」技術を使った照明製品に最適な青色LED
初のMid Power Blue Pump LED
光出力: 260mW (typ) @ 150mA
ドミナント波長: 450~460nm
超小型パッケージ(2.5mm x 2.5mm)
詳細: www.seoulsemicon.com/jp/html/Product/2525_0324.asp 
Acrichセミナー: Acrichを理解するための技術講座を東京で開催
日程
 2014年4月25日(金)
場所
 品川カンファレンスセンター
定員
 40名 (定員になり次第締め切らせていただきます) 
参加費用
 無料
セミナー詳細
http://www.incom.co.jp/company/cid_0004253/event/event_0002920
お問い合わせ
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